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ニューノーマル時代に
立ち向かうDXの新潮流

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  • データ活用/日本IBM

データ提供者とデータ利用者をつなぎ
データ活用を成功に導く
DataOpsの最新事情

ビジネスでのデータ活用が企業の課題になる中、DataOps(データオプス)という考え方が注目されている。企業内のデータ提供者から現場のデータ利用者にスムーズにデータを提供するための人とプロセス、テクノロジーのオーケストレーションを指す。データ分析・活用の課題やAIを組み合わせたDataOpsの実現方法などの最新事情を解説してもらった。

データ活用に必要な組織の
役割とデータ活用基盤

日本アイ・ビー・エム株式会社
クラウド&コグニティブ・ソフトウェア事業本部
IBM Data and AI事業部テクニカルセールス部長
岡崎 俊明 氏

大和田 デジタル経営を進めるには、データ活用が重要ですが、企業の現状と課題をどう見ていますか。

岡崎 はい。データ活用は経営の最重要課題ですが、データ活用のために皆さん苦労されているのが実情です。データの価値を引き出すためのデータ準備とオペレーションに作業時間の8割が費やされているともいわれます。

大和田 データが正しいものなのか確認したり、加工したりする準備に時間がかかるというわけですね。データ活用のためにIT部門が奮闘している姿が目に浮かびます。

岡崎 まさにその通りです。ですから、日本企業には、データ活用のための新たな組織と役割と、データ活用を推進するデータ活用基盤とDataOpsが求められているのです。つまり、IT部門に頼っていた部分についてきちんと組織を設けて適切に人材を配置し、さらにデータ活用を推進するためのデータ活用基盤が必要です。

大和田 そのDataOpsとはどんな考え方ですか。

岡崎 IBMでは、DataOpsを、洗練され信頼性が高く自動化されたコラボレーティブなデータパイプラインを、現場のデータ利用者に提供するための人、プロセス、テクノロジーの連携と定義しています。データパイプラインとは、企業が保有するデータを信頼されるデータに加工しそのデータを活用するための一連の流れで、ガバナンスやクオリティ管理、セルフサービスのためのデータ準備などを含みます。さらにIBMでは、DataOpsの成熟度を定義しています。

部門単位でアジャイル的に
DataOpsを推進する

大和田 DataOpsの成熟度とは何ですか。

岡崎 データ活用によるビジネス価値の向上と、ビジネスにすぐ利用できるデータを提供するスピードのことです。データをExcelで加工・管理したりメールで受け渡すというようなDataOpsが「ない状態」から、部門・事業単位でデータカタログの作成やデータ品質確認制度などをつくる「基本」、全社単位でデータカタログやデータガバナンス制度、データ入手のセルフサービス化を備えた「応用」、データカタログの常時補充・拡充の自動化、タグ付けやメタデータ化、コンプライアンス確認の自動化に対応した「進化」の4段階で成熟度を定義しています。

大和田 なるほど。最終的なレベルまでいくのは難しそうですね。

岡崎 そこで最初は部門単位、プロジェクト単位でData Opsを推進するなど、小さなところから少しずつ回していく、アジャイル的な進め方をIBMでは推奨しています。

大和田 確かに、小さく始めれば失敗の範囲も抑えながら進められますね。DataOpsによるデータ活用の成功事例はありますか。

岡崎 ええ。欧州のある小売業では、報告用システムへのデータ変更を反映させるのに3週間以上かかっていました。そこで、全社レベルでDataOpsに取り組み、実践した結果、データ変更の反映が2分以内に短縮されるなど、大きな効果を上げています。

※講演の一部をOn-Demand形式で視聴いただけます。

DataOpsの進化を支援する
データ分析活用基盤

大和田 データ活用はAIと密接に関係します。1段ずつはしごを上る「The AI Ladder」という言葉もあります。

岡崎 おっしゃる通り、IBMでは、AIを使ってデータ活用がさらに進化すると考えています。あらゆる場所で発生するあらゆるタイプのデータを取り込みながら分析し、結果を業務に生かす。AI活用のための情報アーキテクチャーを確立し、データから価値を引き出すためのアプローチとして「The AI Ladder」を定義しています。

大和田 DataOpsを実現するITインフラではクラウドが重要です。どのように整備していけばいいのですか。

岡崎 IBMではデータ活用に関わるデータの収集・編成・分析の機能を統合し、データ利用者とデータ提供者がコラボレーションしやすい、シングルアプリケーションの「IBM Cloud Pak for Data」を用意し、企業のデータプラットフォーム構築を支援しています。あらゆるクラウドで稼働でき、またコンテナ化されたAIサービスや分析サービスを追加してDataOpsを進化させることができます。

[画像のクリックで拡大表示]
データ分析活用基盤「IBM Cloud Pak for Data」
企業がデータを収集・編成、分析して組織全体にAIを組み込む方法をモダナイズする、データとAIの統合プラットフォームとなる

日本アイ・ビー・エム株式会社

https://www.ibm.com/jp-ja/analytics/dataops


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