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ニューノーマル時代に
立ち向かうDXの新潮流

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  • プロセスマイニング/Celonis

プロセスマイニングで業務を透明化
日本企業のデジタル化に向けた
取り組みをトータルに支援

欧米を中心に多くの企業で採用されている「プロセスマイニング」。欧米で、この領域をリードする存在として知られるCelonisが日本法人を設立した。「Discover」「Enhance」「Monitor」「Connect」の各機能領域を網羅するツールの提供で、国内企業のプロセスの改善サイクル全体をトータルにサポートしている。

日本企業は業務改善に熱心
受け入れられやすい市場環境

Celonis株式会社
代表取締役社長
小林 裕亨 氏

小林暢子(以下、小林(暢)) クラウド型プロセスマイニングサービスをグローバルに展開するCelonisの日本法人が2019年4月に設立され、1年以上が経過しました。日本市場について、どのように感じていらっしゃいますか。

小林裕亨(以下、小林) 欧米に比べてプロセスマイニングの認知度は低いですが、もともと日本企業は業務改善には熱心なので、当社の技術への関心も高まっています。そういう意味では大きな手応えを感じています。

小林(暢) 日本企業では、プロセスマイニングをビジネスのどのような局面で役立てたいと考えているのでしょうか。

小林 大きく3つあると思います。1つは「生産性の向上」。企業で働き方改革が推進される中、ここ3年くらいの間にRPAが急速に普及してきました。そこで実現される各人のPCベースでの作業の効率化を端緒に、もう少し大きな視点でエンドツーエンドの業務範囲にも改革を広げていくべきだという気づきが企業にもたらされています。

 2つ目は、「ITの再構築」です。今、DX推進に向けた「2025年の崖」の問題が指摘されており、その克服に向け、製造業をはじめとする企業がグローバルオペレーションの標準化に寄与するIT環境の整備を進めています。当然、そこでは海外を含む各拠点のオペレーションを把握する手段として、プロセスマイニングが注目されているわけです。

 そして3つ目が「業務品質・管理の高度化」です。ある程度の規模がある企業では、KPIを設定して業務を評価する手法を採用していますが、現場はどうすればKPIの値を高め、収益向上につながるのかが実のところよく分かっていない。そこで、プロセスマイニングで現場の一つひとつの業務がどうKPIに影響を与えるのかを明確化し、必要な改善策を講じていきたいと考える企業が増えているわけです。

4つの領域の機能群により
改善サイクル全体をサポート

小林(暢) Celonisのプロセスマイニング技術はどのような点が特徴となっていますか。

小林 まず、その豊富な実績です。グローバルではすでに製造業や金融、リテール、運輸・交通など、あらゆる業種の1000社以上のお客様に採用されており、そこには各業界のトップクラスの企業も含まれています。日本でもこの1年ほどの間に20社以上が導入し、現在パイロットプロジェクトも数十のオーダーで動いています。

 機能面では、プロセスを視覚化して、そこに内在する問題を把握する「Discover」をサポートしています。現場が行う業務プロセスがチャートによって分かりやすく示され、例えば受注伝票などプロセスの中で処理されるデータ類を、それを保持するシステムにログインすることなくCelonis上でシームレスに確認することができます。また、Discoverで明らかにした各業務の“癖”を踏まえて、例えばある問題が特定の状況で起こると予測される場合に、その発生を防ぐアドバイスを行う「Enhance」機能も搭載しています。

 さらに、KPIの改善にもろもろの要因がどう貢献しているのかを追跡する「Monitor」や、ERPだけではなく多様なシステムと連携できる「Connect」など、各種の機能を提供することで、プロセスの改善サイクル全体をトータルにサポートしています。

[画像のクリックで拡大表示]
Celonisが支援するプロセス改善の4つの領域
プロセスを視覚化する「Discover」、問題の発生を防ぐ「Enhance」、行った対処のKPI改善への貢献を追跡する「Monitor」、多様なシステムとの連携を実現する「Connect」の各機能群でプロセスの改善サイクル全体をトータルにサポートする
※講演の一部をOn-Demand形式で視聴いただけます。

働き方改革の領域でも
注目が高まるプロセスマイニング

小林(暢) テレワークが浸透する中で、企業では働き方を変えていこうとする意識が高まっています。プロセスマイニングも大きなニーズが喚起されている状況だといえそうですね。

小林 おっしゃる通りです。リモートワークでは社員の行動が見えづらいという問題がよく指摘されます。例えばExcelやPowerPointを何時間使っているかをログで確認するという方法もありますが、あまり賛成はできません。重要なのは業務の透明化です。KPIに影響のある業務のパフォーマンスをしっかりと網羅的、定量的に可視化することです。それこそが、ホワイトカラーの生産性向上にとっての本質的な対応になると思います。


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