日経BP総研の主席/上席研究員が訊く

DIGITAL Foresight 2020 Summer DIGITAL Foresight 2020 Summer

ニューノーマル時代に
立ち向かうDXの新潮流

INDEX
  • オムニチャネル/カインズ / MuleSoft

目指すは買い物のストレス軽減
データ活用をAPIで容易にし
オムニチャネル化を支える

ホームセンターを展開するカインズは、店舗だけでなくネットショッピングなど複数のチャネルを連携させるオムニチャネル化を進めている。同社はオムニチャネルの購買体験を通じて顧客が買い物で感じるストレス軽減を目指す。そこでは多様なデータの活用が求められ、MuleSoftのAPI主導型の統合プラットフォーム「Anypoint Platform™」を用いたデータ活用環境の構築を始めている。

全社の改革の一部として
オムニチャネル戦略を推進

株式会社カインズ
デジタル戦略本部
本部長
池照 直樹 氏

戸川 カインズでは、コロナ禍の前からデジタル投資に力を入れています。その中でも柱として推進しているオムニチャネル戦略について、狙いを教えてください。

池照 よくDX(デジタルトランスフォーメーション)といいますが、実際の企業はデジタルだけで改革しているわけではありません。全社の改革の1つとしてオムニチャネル戦略があり、その一部にデジタルの活用があると位置付けています。狙いは「お客様にどれだけストレスなくお買い物をしてもらうか」ということです。店にいるメンバー(店員)がお客様に手厚く対応できるようにするために、デジタル活用を含めた方法で既存の仕事を減らすのです。

戸川 店舗は広いですから、顧客としては店員が接客してくれて商品の在りかなどを尋ねられるといいですね。

池照 一方で、店頭にメンバーがいないときにもお客様にストレスなくお買い物をしていただけるように、アプリも提供しています。アプリでは、求める商品がどこにあるかを店内マップに示すほか、在庫情報も表示しています。これもデジタルの活用です。

顧客に寄り添ったストーリーを
人間がアナログ的に考える

戸川 「パーソナライズ」もデジタル活用の1つのキーワードだと思います。カインズにとってのパーソナライズとはどのようなものでしょうか。

池照 セリングシナリオのパーソナライゼーションを実現するという考え方です。去年ナスの苗を買った人は今年もナスを買う可能性が高いです。すると、苗だけでなく肥料や支柱も必要になるというように、お客様が好きなものや必要になるものを先回りして提案する方法です。このお客様にはこういうストーリーが必要だということを人間が考えてシナリオを作るのです。

戸川 AIが考えたマーケティングのシナリオではなく、アナログ的なシナリオの作り方をするんですね。

池照 極めてアナログ的な方法です。マーケティング戦略は人間が考えるべきだと思います。なぜなら、買うのは人間であり、AIの時代になってもそこは変わらないからです。

※講演の一部をOn-Demand形式で視聴いただけます。

いろいろなシステムから必要なデータを切り出して
ブロックのように組み立て可能なAPIを構築する

MuleSoft,
A Salesforce Company
リージョナル セールス ディレクター
松本 一宏 氏

戸川 オムニチャネルを実現していくには、基幹系システムやECサイト、SoE(System of Engagement)などの戦略的なシステムをつないでいく必要があると思います。

池照 いろいろなシステムがありすぎるのが現状です。例えば店舗の在庫量1つをとっても、バッチ処理が多くリアルタイムでは引き出せなかったりします。こうした状況の解決のために、「在庫はいくつ」と問い合わせたら、API(アプリケーションプログラミングインタフェース)を活用して、答えがシンプルに得られたら便利だと考えました。そこで米国などのホームセンターでの事例が多かったAPI主導型の統合プラットフォームとしてMuleSoftの「Anypoint Platform」に目をつけました。

松本 Anypoint Platformを使うと、バックエンドで結合されたデータを解放し、APIを構築して1つの部品のようにまとめられます。こうすることで、アプリなどのフロントエンドシステムに機能を柔軟に取り込むことができますし、セキュリティを担保したまま再利用することも可能です。

[画像のクリックで拡大表示]
API主導の接続性のアプローチ
あらゆるシステムからデータを解放してAPIを構築。それをブロックのように組み合わせるとプロセスのAPIとなり、さらに組み合わせるとモバイルやWebのアプリなどのエクスペリエンスを提供するAPIとなる。APIのブロックは全てセキュリティ面でも安全に誰でも容易に利用することができる

池照 例えば、直送に利用しているTOLLシステムのデータと、UPSのデータをAPIで組み合わせると、全体の出荷状況が分かります。またこれを1つのAPIのブロックとして作ってしまえば、出荷状況を必要とする多くのシステムでも簡単に再利用できるのです。

松本 Anypoint PlatformでAPIのブロックを一度接続してしまえば、従来バックエンドシステムのメンテナンスや管理に必要だった労力やスキルが不要になるといえます。

戸川 競争優位にならない機能はAPIでソリューションとして解決してしまおうという考え方ですね。

池照 そうです。モバイルアプリからマーケティングまで、データを活用しやすい環境を整え、最終的にはお客様の買い物のストレスを減らしていきたいと思います。

MuleSoft, A Salesforce Company

https://www.mulesoft.com/jp


PAGE
TOP