特別トップインタビュー 近未来・元年「2020」気鋭の企業に訊く
Digi-Key Electronics

市場をリードする電子部品のディストリビューター

あらゆるプロセスで
顧客ニーズに対応するための
継続的な投資が好循環

Digi-Key Electronics
President and Chief Operating Officer

デーブ・ドハティ

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電子部品のディストリビューター大手Digi-Key Electronicsは、市場が低迷する中で、過去最高業績を上げた。同社は豊富な在庫、発注から48~72時間以内に納入するリードタイムの短さ、24時間365日のサポート体制などを強みに、試作から生産に至る設計プロセス全体を通してエンジニアを支援してきた。代表のデーブ・ドハティ氏に好調の理由や、今後のビジョンを聞いた。

2019年の市場はいかがでしたでしょうか。

ドハティ 2001年以来、最も急激に悪化した不況だったと米国半導体工業会(SIA)が指摘しているとおり、電子部品は供給過多に陥り、多くのサプライチェーン企業が過剰在庫の償却を進める必要がありました。

 しかし当社のビジネスとしては引き続き堅調で、2019年の業績評価指標は過去最高を達成しました。競合他社が運用コストやラインカード(申し込みを受け付ける紙のDM冊子)を削減する一方、新規サプライヤーやSKU(Stock Keeping Unit)、自動化・デジタルアクセラレーションと、これまで以上に投資を行えています。

 また当社の強みの一つである在庫においては、2021年半ばの完成を目途に新しい物流センターを構築すべく4億ドル以上を投資しました。さらに今後、新規サプライヤー118社の取り扱いを始め、31万SKU以上の機能を追加すべく、これに加えて3億5000万ドルを投資する予定です。

 当社は1日当たり平均約2万件のご注文をいただく中で、米国ミネソタ州シーフリバーフォールズにある本社に常時200万点を超える広範な製品在庫をストックすることで、ご注文の99%をリードタイムなく当日出荷してきました。ここに新たな物流センターが完成すれば、業界を今後リードすると考えられるカットテープ製品の品質向上、製品のトレーサビリティー向上、さらに生産停止したメーカー品の出荷などまでお約束することができます。お客様の厳格な要件を満たすことのできる、世界最大規模の施設となる予定です。

そうした好調を支えているものは何でしょうか。

ドハティ まずあるのは、お客様を第一に考える当社のビジネス哲学でしょう。当社は現在800社以上の正規販売代理店を担うまでになりましたが、1972年の創業以来、ソリューションプロバイダーとしてお客様のニーズを満たすために何ができるか常に問いかけてきました。業界が直面する市況がどうであれ、最高レベルのサービスやサポートを提供すべく、継続的な投資を行っています。過去5年間、業界を席巻した急激な成長が落ち着きを見せつつありますが、その間当社は、単なる製品ディストリビューターから、ワンストップで様々な製品・サービスを提供する企業への転身を進めてきました。

 Webサイトでの販売では、デジタル分野のリーダーシップを維持するために、提供するコンテンツとサービスで常に改良を加えてきました。インターネットを通じてあらゆる製品やサービスにアクセスできるように取り組み、カスタマイズされた検索、パーソナライズされたコンテンツ、視覚的な製品検索、デジタル音声アシスタントなど、お客様の目に触れない箇所を含めた技術強化を行っています。BOM(部品表)マネジャーやAPI(アプリケーション・プログラミング・インターフェース)ツールの強化を含め、製品選択が自動化できる環境も提供してきました。

 この他にも、お客様支援のためのリソースとして、PTM(プロダクト・トレーニング・モジュール)や、評価・開発キットなどを提供しています。また開発者向けツール「DK IoT Studio」は新しい製品と分析サービスと共に拡大しており、オンライン回路図およびダイヤグラム化ツールの「Scheme-it」では、KiCadへのエクスポート機能を備えカスタムした電子シンボルの生成に対応しています。当社のプロダクション・ビジネス・サービスやサプライチェーン・マネジメント・サービスは、お客様が製品を迅速かつ効率的に市場へ投入するために貢献してきました。

エンドカスタマーのニーズに集中

2020年以降のビジョンを教えてください。

ドハティ イノベーションは依然として市場を刺激しており、IoT、人工知能(AI)、機械学習などにまつわる新製品の電子部品が需要を押し上げています。また急速な技術革新によって、OEMは生産サイクルのさらなる高速化を求めており、これを請け負うEMSも対応が迫られている状況です。当社のビジネスは、OEMおよびEMS企業のより速い生産サイクルへの貢献に努めてまいります。

 また、現在の景気後退の状況下で本当に注力すべきことの一つは、エンドカスタマーのニーズに集中し続けるということです。当社の場合それは、エンジニアリングと購買コミュニティーに当たります。次の素晴らしいアイデアを思いつくのは世界中のエンジニアです。彼らをサポートすることで、イノベーションサイクルを育て続けていきたいと考えています。

 そして年々不安定になっている市場に対応するために、ソリューションベースの機能を拡張していく予定です。当社はこれまでバイヤーが不意の状況に陥らないようにすべく、リードタイムの最新の傾向や情報を得られるツールを提供してきました。加えて、2020年には新たなAPIソリューションを投入予定です。これによって、製品が少なくなった場合でも、正確でより早い再注文が行うことができます。以前にも増して、お客様はサプライヤーとのより緊密なつながりを持てるようになると確信しております。

最後に、日本の顧客へのメッセージをお願いします。

ドハティ 日本は当社にとって特別な市場です。当社の創業は約50年前で、最初のお客様は日本企業でした。当社のプロセスと機能の多くは、日本のお客様が求めるサービスと品質を備えた幅広いソリューションの選択に対応すべく整えられきたと言えます。これこそが、今日、すべての注文に対し高品質のサービスを提供する決め手となっています。

 サポート体制としては、当社は世界中に4000人を超える素晴らしいスタッフを抱える中 で、日本では大阪にカスタマーサービスとテクニカルサポートのための拠点を構えています。日本のお客様は、ユーザーフレンドリーなインターフェースに加え、最高のサービスと品質を備えた幅広いソリューションの選択を求められています。そうしたニーズに引き続き貢献し続けてまいります。

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新しい物流センター(2021年竣工予定)イメージ

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