激動をチャンスに変える2021年
世界をリードする電子部品ディストリビューター
コロナ禍で高まるニーズ
豊富な在庫と即日出荷で
顧客への責務を果たす
Digi-Key Electronics
デジタルビジネス担当
エグゼクティブバイスプレジデント
Jim Ricciardelli氏

世界をリードする電子部品ディストリビューター
Digi-Key Electronics
デジタルビジネス担当
エグゼクティブバイスプレジデント
Jim Ricciardelli氏
工場の操業停止やサプライチェーンの寸断など、コロナ禍で電子デバイス産業は「部品の安定供給」がいかに重要かを再確認させられた。こうした状況下で、豊富な在庫と即日出荷を強みとする電子部品のディストリビューター大手Digi-Key Electronicsへのニーズはさらに高まっている。同社デジタルビジネス担当エグゼクティブバイスプレジデントのJim Ricciardelli氏に状況を聞いた。
—改めて、貴社の事業と強みをお聞かせください。
Ricciardelli 1972年の設立以来、Digi-Keyは電子部品のディストリビューターとして、幅広い商品を提供するとともに、設計プロセス全体にわたりエンジニアを支援することで、可能な限り最高のサービスを提供してきました。現在は世界で4000人以上の従業員を有し、年間売上高は3138億円以上になります。リアルタイムに出荷できる260万点以上の在庫を抱えるとともに1150万点以上の電子部品を提供しています。
260万点以上の電子部品は米国ミネソタ州シーフリバーフォールズにある本社に常時ストックしています。1日に平均2万件以上の注文を受注。リードタイムなく世界各地へ出荷できることも、当社が評価いただいている理由の一つです。
顧客第一をモットーに、お客様のニーズや市場の変化に対応するための特別なサービス、サポート体制を構築。随時見直しを行うことで、“最高”レベルの顧客サービスを提供することを目指し日々邁進しています。
日本では大阪にカスタマーサポートセンターを設置し、技術に精通した日本人スタッフがフリーダイヤルや電子メールにてサポートを行っています。
—具体的に、どのようなサービス・サポート体制で顧客を支援しているのでしょうか。
Ricciardelli お求めの部品をいつでも購入したり、お客様の設計に最適な部品は何かを提案したりできるよう、カスタマーサービスやアプリケーションエンジニア、テクニカルサポートチームが、24時間365日、電話やウェブチャット、電子メールで対応する体制を構築しています。またウェブサイトのコンテンツやサービスを絶えず改良しており、インターネットでも当社のすべての製品、サービスがご利用いただけます。
この他にも、PTM(プロダクト・トレーニング・モジュール)や、評価・開発キットをはじめとする開発のためのリソースを提供しています。当社のプロダクション・ビジネス・サービスやサプライチェーン・マネジメント・サービスを通し、お客様が迅速かつ効率的に市場に製品投入できるようサポートを行っています。
—2020年のビジネスはいかがでしたでしょうか。
Ricciardelli COVID-19の影響を考えると、今年は期待以上の年となりました。率直に申し上げて、世界中のスタッフの健康と安全に十分に気を配りながら、お客様の期待に応えるサービスを一貫して提供できたこと、これほどの喜びはありませんでした。物流センター(PDC)を終始フル稼働させ、在庫を積極的に増やすことで、お客様のサプライチェーンの混乱を最小限に抑えることができました。
また日本においては、大切なお客様へ48時間以内に注文を届け続けるため、また日本語によるサポート強化のために日本人スタッフを増強いたしました。2021年も引き続き成長を見込んでいます。
—他方、COVID-19によるオンライン需要の高まりは、貴社のビジネスを強く後押ししたのではないでしょうか。
Ricciardelli COVID-19は、デジタル環境下で、購入、調査、設計ができることがいかに重要であるかを認識させてくれました。今や多くのエンジニアが、対面ではなくオンラインでのサービスを望まれています。より多くのセルフ・サービス機能やネットでのコンテンツ検索などが該当します。
COVID-19における影響は、アジア、EMEA、北米それぞれで異なりますが、業績から見れば、一時落ち込んだものの、アジアが最初に回復に転じ、次にEMEAと北米が好転しています。9月と10月はとくに力強い成長を示しました。
—ますますニーズが高まる中で、2021年に向けて、どのようなビジョンを描かれているでしょうか。
Ricciardelli 2021年は、IoT、医療、ITインフラ、AI、ファクトリー/ホーム・オートメーションといった分野で大きな動きがあると考えており、これに応えていきたいと思っています。
他方、COVID-19は、世界中で第2波、第3波が押し寄せていて、私たちの生活全般だけでなくエレクトロニクス業界にも課題が待ち受けていると思います。しかし最近では、設計やプロジェクトを前倒しで開始したいという勢いを持ったお客様もいらっしゃいます。
こうした状況下、当社としてはお客様への貢献を高めるため、より広範な製品の品揃えを目指します。2020年の在庫は260万点以上とお話ししましたが、2019年時点では200万点だったので急増しています。
さらに2021年半ばには、新たに世界最大規模のPDCが完成予定です。カットテープ製品の品質向上、製品のトレーサビリティー向上、さらに生産停止したメーカー品の出荷など、お客様からの様々なご要望にもお応えできるものと確信しています。日本のお客様からも、サービスと品質の両面でPDCに大きな期待を寄せられています。
—最後に、読者へメッセージをお願いいたします。
Ricciardelli 当社は業界でリーダーシップを発揮するために、豊富な在庫や即日出荷だけでなく、バックヤードの強化にも数多くの投資をしてきました。ウェブサイトに強力な検索機能を付加したり、API連携、見積もりマネージャーを装備したりするなど、無数のデジタルツールを備えるようになりました。個々のお客様に向けてカスタマイズされた検索機能、コンテンツ表示、画像による商品検索、およびデジタル音声アシスタントなどを通じ、これまで当社が手掛けてきた投資の成果を体感いただくことができると思います。BOM(部品表)マネージャー、見積ツール、APIツールなども強化し、自動で製品選択ができる環境を提供しています。
また、日本を含む北部アジア太平洋地域(North APAC)のマーケティングと顧客サポート強化のために、日本人スタッフを最近日本で採用しました。引き続き、最大規模の電子部品の品揃えと顧客ニーズに合わせた信頼いただけるサービスとツールを通じ、日本のお客様に役立つよう努めて参ります。
建設中の物流センター(PDC)。2021年半ばに完成予定
アナログ・デバイセズ
代表取締役社長 工学博士
中村 勝史氏
Digi-Key Electronics
デジタルビジネス担当
エグゼクティブバイスプレジデント
Jim Ricciardelli氏
インフィニオン テクノロジーズ ジャパン
代表取締役社長
川崎 郁也氏
NXPジャパン
NXPジャパン 代表取締役社長
NXP Semiconductors 副社長
和島 正幸氏
STマイクロエレクトロニクス
本社セールス・マーケティング・
コミュニケーション・戦略 社長
日本法人代表取締役社長
マルコ・カッシス氏
Vicor
日本法人 代表取締役社長
米国本社 バイスプレジデント
堂園 雄羽氏
ウィンボンド・エレクトロニクス
代表取締役社長
小林 平治氏