従来、企業のITインフラは中央集中型のオンプレミスモデルでの構築が一般的であった。しかし今日、クラウド利用がデフォルトとなり、ハイブリッド・マルチクラウドモデルへの移行が加速している。そこでは、自社システムを各種ネットワーク、クラウド、サービスプロバイダー、またビジネスパートナーのシステムと相互に直接接続し、大量のデータをセキュアに交換し、そこで新たなビジネスを構築するニーズが高まっている。そうしたニーズに早くから応え、世界規模で相互接続のサービス:インターコネクションを提供してきたのが、エクイニクスだ。今年5月、エクイニクス・ジャパンの代表取締役社長に就任した小川久仁子氏に、その最新事情を聞いた。

企業価値700億ドル、
世界最大のデジタルインフラ企業

エクイニクスは1998年にシリコンバレーで創業し、以来、グローバルにデータセンターとインターコネクションのサービスを提供しその規模を拡大してきた。その企業価値は700億ドルを超え、過去70四半期連続で増収を続けているデジタルインフラ業界のリーディングカンパニーである。

こうした業績の背景には、一般のデータセンタープロバイダーとは異なる同社独自の訴求価値に基づくサービス提供がある。同社は創業以来、さまざまなネットワークやサービスプロバイダー、企業システムなどとセキュアに直接つなぐ場所を提供し、他のデータセンタープロバイダーにはない独自の価値を築き上げてきた。

例えば、アマゾンの「Amazon Web Services(AWS)」、マイクロソフトの「 Microsoft Azure(以下、Azure )」、グーグルの「Google Cloud Platform(GCP)」といったメガクラウドを含め、世界の主要なクラウドサービスの多くが、そのサービスへの直接接続ポイントを同社のインフラ上に置いている。世界の主要クラウド、ネットワーク、サービスなどと自在につなぐためのプラットフォームとして、同社は圧倒的な存在感を示している。

ネットワーク/サービス/企業システムをつなぐ
インフラプラットフォーマー

「一般に、データセンターのビジネスといえば、システムを設置するための単なるスペース&パワーのサービスだと思われがちです。しかし、外から見た同社と、中に入って見た同社とは、全く違う姿をしていました」そう語るのはエクイニクス・ジャパン 代表取締役社長の小川久仁子氏だ。

小川氏は日本アイ・ビー・エムのシステムエンジニアとしてキャリアをスタートし、2012年にはバイス・プレジデントとなって、企業の大規模なITアウトソーシングを受託する事業を推進した。その後、グローバルでビジネスを展開するマーケティングリサーチ会社グローバルCTOとなり、ユーザーの立場からビジネスを指揮。ベンダーとユーザー、双方の視点に通じる。

エクイニクス・ジャパン株式会社
代表取締役社長 小川 久仁子 氏

「エクイニクスの原点は、“つなぐ”ということです。つまり、GAFA(グーグル・アマゾン・フェイスブック・アップル)と同様、グローバルなプラットフォーマーなのです」(小川氏)

ソフトウエアで人やサービスをつないだGAFAに対し、エクイニクスはハードウエアに近いデジタルインフラで世界のネットワークやサービス、企業をつなぐ。さまざまなものが柔軟に相互につながるハブ機能を提供し、そこから大きな付加価値を生み出すインフラストラクチャのプラットフォーマーなのだ。同社はこれをPlatform Equinix®と呼んでいる。

世界のデジタルビジネスの名だたる企業やサービスがエクイニクスで相互につながるようになると、そこにつながりたい企業がさらに集まってくる。そうしたニーズに応えることで、同社は世界最大のデジタルインフラ企業へと成長した。

同社は自社のサービス拠点をIBX®(International Business Exchange)と呼び、一般的なデータセンターと区別している。現在、IBXは世界の56都市にあり、日本では東京都心に11拠点、大阪中心部に1拠点を持つ。IBXは、経済活動が集積し、ユーザーやアクセスデバイス、クラウドやサービス、そしてデータに最も近い大都市圏に設置される。

「AWSや Azure など多くのクラウドサービスは、インターネットを経由せずそのサービスに直接接続できる接続ポイントを当社のIBXに設置しています。当社のIBXを利用することで、迅速かつ低コストで、必要に応じて複数のクラウドにセキュアにつながることができるのです」(小川氏)

エクイニクスの成り立ち

デジタル優位の構築。
つなぐインフラに求められる迅速性と柔軟性とは

エクイニクスが今年10月に発表した調査レポート「Global Interconnection Index (GXI) Vol.4」によれば、パブリックインターネットを介さないダイレクトな閉域接続:インターコネクションの帯域は、2019年から2023年までに年平均成長率(CAGR) 47%で増加すると予測されている。エクイニクスはこのインターコネクションのサービス提供で世界をリードしてきた。

パブリックなインターネットを介した接続では、通信パフォーマンスは不確定多数の他ユーザーのトラフィックに影響され、またセキュリティリスクが常に存在する。一方、企業システムがオンプレミスからハイブリッド・マルチクラウドモデルへ移行するにつれて、必要とするネットワーク、クラウド、サービスプロバイダー、パートナー企業などと相互に直接接続し、大量のデータ交換を柔軟かつセキュアに交換するニーズが急速に拡大している。同社のインターコネクションサービスはこのニーズに対応するものだ。

同社のインターコネクションサービスはIBX構内またIBX間で提供されている。同社インフラを構成する物理回線を用いた接続サービスに加えて、オンデマンドのソフトウェア定義型接続サービス「Equinix Fabric」も提供されている。

Equinix Fabricサービスを用いれば、AWS、Azure 、GCP、Oracle Cloud、SAPなどの多くの主要クラウドサービスや、同じIBX上やグローバルに展開された他のIBX上の他のEquinix Fabricユーザーとの間で、ソフトウエア定義の仮想回線をオンデマンド、リアルタイムで必要に応じて柔軟に確立することが可能となる。

デジタルインフラ企業、
エクイニクスのビジョンとは

今年9月、エクイニクスは新たな事業コンセプトを発表した。

クラウドやネットワーク、企業が自在につながるプラットフォームとしての機能に加え、グローバルなビジネス展開やデジタルトランスフォーメーションに必要となるインフラ構築のビルディングブロック(構成要素)サービスを提供していく。

その1つには、例えば、ルーターやファイアウォール、ベアメタルサーバーなど、デジタルインフラ構築に必要な基礎的なハードウエアを、ソフトウエア定義のインスタンスとしてIBX上で動的に提供するサービスが含まれる。IBXに自社のラックシステムを設置導入することなく、契約したその日からすぐに機能展開して自社インフラを構築できる迅速性、また同社がグローバル展開するPlatform Equinix上で国境を越えて利用できる地理的リーチの柔軟性を兼ね備えた新しいサービスだ。

さらに、同社が提供するインフラサービスにはユーザインターフェースに加えてAPI(アプリケーション・プログラミング・インターフェイス)も提供される。Platform Equinixを利用するネットワークやクラウド、サービスプロバイダー、ユーザー企業は、自社のインフラと同社が提供するインフラサービスをAPIを介して密に連携させて利用することができる。

「新しいビジネス基盤として必要となるデジタルインフラを、グローバル規模でオンデマンドで数分のうちに、必要なすべてのネットワーク、クラウド、ビジネスパートナーと接続し構築することを可能にする。当社はそのようなビジョンをもって、Platform Equinix を拡張強化しています」(小川氏)

「エクイニクスは、デジタル優位獲得の近道となるグローバルなプラットフォームを提供し、今日、そして将来のデジタルビジネスリーダーを力強くサポートしていきます」(小川氏)

世界中のクラウドやサービスと自在に接続し、ビジネスに必要なデジタル基盤を迅速に構築し、ビジネス機会をつかみとり、競争優位を獲得する。そのために、エクイニクスが提供するデジタルインフラストラクチャPlatform Equinixをどう生かすか、これが今後のビジネス戦略を成功へと導くカギになっていくだろう。

お問い合わせ先

エクイニクス・ジャパン株式会社

https://www.equinix.co.jp/