ティア1に寄り添い
ミリ波レーダー開発を支える
インフィニオンの
ADAS技術センター

価値あるシステムを提案するための、
迅速・的確な技術支援が可能に

自動ブレーキなど、先進運転支援システム(ADAS)を搭載したクルマが急速に普及してきた。2021年11月には、国内販売される新車への自動ブレーキの搭載が義務化される。今後、ADASはますます高度化し、より安全で快適なクルマの開発が進むことだろう。高度なADAS開発では、ミリ波レーダーなど、走行環境を把握するためのセンサーをいかに的確に活用するかが成功の鍵の一つだ。インフィニオン テクノロジーズ(以下、インフィニオン)は、ティア1でのADAS開発を顧客目線で支援するための拠点「ADAS技術センター」を新たに開設した。

開発難易度が高まるADAS
ティア1との密接な連携が必須

 インフィニオンは、2018年10月1日、東京本社オフィスの徒歩圏内に、国内顧客への技術サポートの飛躍的な充実を目指す拠点「東京テクノロジーセンター(TTC)」を新設した。TTCには、3つの機能が集約されている。1つ目は、2015年12月に拡充した「解析技術センター」の品質解析を拡張させた機能。2つ目は「システムセンター」と呼ぶ、産業用モーターの制御技術を開発する機能である。そして3つ目が、日本の自動車産業におけるADASの開発を徹底的に支援し、より高度な要求に応えるシステムを開発・提案するための拠点「ADAS技術センター」の機能だ。

 「ADASのシステム構成は複雑化の一途であり、開発の難易度はますます高まっています。加えて、日本市場ではOEMやティア1の技術的な要求水準が高く、走行環境に目配りするセンサーシステムには、高品質な技術と半導体ソリューションが求められます。このため、日本のお客様に満足していただけるADAS向け半導体ソリューションを提供するには、技術支援と提案の体制を、技術力と対応力の両面から大幅に底上げする必要がありました」とインフィニオン オートモーティブ事業本部ADAS技術センター 部長の澤田定雅氏は言う。こうした背景から開設されたのがADAS技術センターである。

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図1 インフィニオンが新たに設置した「ADAS技術センター」の位置付け

 ADAS技術センターでは、ADASで用いるセンサーのうち、ミリ波レーダー開発に向けたソリューションにフォーカスして技術力と対応力の充実を図っている。目下のADASでは、周囲の人やモノの位置を認識するセンサーとして、カメラとミリ波レーダーを利用する例がほとんどである。将来的には、レーザー光を利用するLiDARなど他のセンサーも注目されているが、夜間走行や遠距離検知など厳しい条件での状況把握を強みとするミリ波レーダーは、今後も活躍が期待される。

 インフィニオンは、世界に先駆けてSiGeベースの77GHzミリ波レーダー用MMICを量産化した半導体メーカーである。現在は、送受信一体型のMMICを供給し、2024年にはデジタル回路の集積や低消費電力化が可能な28nm CMOSをベースとした次世代品を投入する予定である。このように、半導体チップは着実に進化するものの、それを使いこなして高度なADASを実現するのはそれほど簡単ではない。

 「ミリ波レーダーは、その名の通り波長がミリメートルなので、基板上の配線にミリ単位のズレがあっただけでRF性能が大幅に変わってしまうほど繊細なシステムです。クルマに実装して、想定する性能を引き出すためには、高度な知見や経験、ノウハウが欠かせません。ADASを開発するティア1とインフィニオンのような半導体ソリューションを提供するサプライヤーの間で密接に連携しながら作り込む必要があります」とインフィニオン オートモーティブ事業本部 セーフティ&ヴィークル・ダイナミクス セグメント 部長の降矢知隆氏は語る。より高度なADASを実現するためには、デバイスの進化だけではなく、それを適切に活用して価値あるレーダーシステムへと仕上げる、システムレベルの技術力が必須になってきた。そこをカバーするのが、同社ADAS技術センターの役割だ。