デバイス調達の新たな手法であるDaaS(Device as a Service)が注目を浴びている。急速なテクノロジーの発展に加え、テレワークをはじめとする働き方の多様化が求められるなか、常に最新のITやデバイスを利用することが企業の成長の鍵となる。今回は、ITジャーナリストの三上洋氏が聞き手となり、インテル株式会社 執行役員 パートナー事業本部 本部長の井田晶也氏と日本マイクロソフト株式会社 執行役員 デバイスパートナー営業統括本部 本部長の梅田成二氏の対談が実現。ニューノーマル時代における次の一手を探る。

井田 晶也 氏

インテル株式会社
執行役員 パートナー事業本部
本部長

梅田 成二 氏

日本マイクロソフト株式会社
執行役員
デバイスパートナー営業統括本部
本部長

三上 洋 氏

ITジャーナリスト

ニューノーマル時代の課題を解決する
デバイス調達の最適解とは?

三上氏 まずお聞きしたいのが、新型コロナウイルスの感染拡大の影響です。今回の事態が企業のIT活用やデジタルトランスフォーメーション(DX)の推進に及ぼしている影響について、お二方はどのような印象をお持ちですか?

井田氏 コロナ禍以前を思い起こすと、例えば働き方改革であれば、業務効率化や生産性向上という観点でITの活用が語られることが多かった印象です。しかし、それでは必要性が感じられず、取り組みが後回しになるという企業が少なくありませんでした。一方、現在は、従業員同士の接触を避けるという対応が、すべての企業で明確に求められています。そのためどのような企業でも、テレワークのように、今までの常識にとらわれないさまざまなスタイルの働き方に柔軟に対応しなければならなくなったわけです。ただ、このような状況はマイナス要素ではなく、例えば通勤時間が節約されてより多くの時間を有効に使えるようになったり、それに伴って新しいビジネスが生まれたり、前向きな変化として捉えられるものだと我々は考えています。

梅田氏 企業規模や業種にかかわらず、ほとんどの人たちが自宅から仕事をしなくてはいけなくなったことは大きなインパクトがあります。企業側からするとある意味「パンドラの箱」を開けたようなところがあって、これをきっかけにIT環境の整備はもちろんですが、時間を基準にした労務管理からの脱却にも迫られている、と言えますよね。

三上氏 今回のコロナ禍で、ノートPCが売れたという話を聞きますが、テレワークには欠かせないノートPCが、これまではそれほど普及していなかったという事実には、正直驚かされましたね。

井田氏 実際にノートPCが普及していないだけではなく、支給されているノートPCは会社から持ち出せないというルールを定めている日本企業が多いということも影響しているのかもしれません。

※リモート取材にて撮影

三上氏 なるほど。今回のような状況になって、いざ会社のデバイスを持ち出すとなると、セキュリティ面は問題ないのか?という話になるわけですね。

井田氏 会社の資産であるデバイスを社外に持ち出すことやセキュリティに対する懸念があるのだと思います。その点、DaaSによって調達したデバイスであれば、そのような心配は無用です。会社の資産として費用を計上する必要がなく、セキュリティ面もきちんと担保されますので――。

三上氏 いま、お話に出たDaaSですが、改めてどのようなものなのか、ご説明いただけますか?

井田氏 「Device as a Service」の頭文字をとったものがDaaSですが、基本的には、定額制で、最新のテクノロジーが搭載されたデバイスが利用できるサービスになります。例えば、デバイスの調達の他に、ソフトウエアの管理やデバイスのリプレースが、サービスに含まれているものがありますね。

梅田氏 お客様にDaaSの話をすると、レンタルPCとの違いに、疑問を持たれることが少なくありません。大きな違いは、レンタルPCだと、同じデバイスへの対価を月々支払うので、デバイス自体も付随するサービスもそのままでは進化しません。しかし、DaaSではデバイスに付随して提供されるアプリケーションなどが、常に技術革新、アップデートしていきます。例えば、今回の対談でも利用している Microsoft Teams も新機能が追加されたり、改善されたりしますよね。そのような新しい機能を活用するには、まず自分の手元で搭載されているアプリケーションをアップデートしていく必要がありますが、それを自動的に行ってくれるのです。つまり、DaaSは、使用するデバイスのサービスの価値を常に向上させ、新しいユーザー体験が提供される仕組みなのです。

DaaSは、デバイスの価値を常に向上させ、新しいユーザー体験が提供される仕組みなのです

DaaS導入で企業のIT課題を一気に解決!

三上氏 企業がDXを実現するうえで、DaaSを導入するメリットはどのような点にあるのでしょうか?

井田氏 DXを実現して、競争力をつけていくことは、日本企業にとって喫緊の課題であることは間違いありません。効果を最大化するためには、最新のテクノロジーを利活用することが重要です。そして、目まぐるしいスピードで進化するテクノロジーを扱うには、最新のデバイスやプラットフォームの選択が求められます。とはいえ頻繁にデバイスを買い替えるのは大変ですから、DaaSを活用して常に最新のデバイスやプラットフォームを使うことに大きな意味があるのです。

DXの実現は、日本企業にとって喫緊の課題。DaaSを活用して常に最新のデバイスやプラットフォームを使うことに大きな意味がある

三上氏 いざ、テレカンファレンスしたくても、古いノートPCしかないから動作が重くてできない――というようなことがなくなるわけですね。

梅田氏 緊急事態宣言による在宅勤務で、実際にデバイスのスペックを気にしている企業は少なくないようです。緊急事態宣言が発令されて以来、ノートPCの売上げが伸びていますが、今年の初めの Windows 7 のサポート終了に伴う買い替え需要に比べると、モダンPC(パフォーマンスや携帯性に優れ、創造性、生産性アップが期待できるノートPCのこと)をお求めになる方が非常に多い。つまり、テレカンファレンスで使えるPCが必要というように、明確な目的をお持ちなのでしょう。ただ、モダンPCを買えば、それだけで働き方改革が実現できるのかというと、必ずしもそうではありません。それはあくまで改革の第一歩で、例えば、社外から社内サーバーへアクセスできるようにするといった対策も必要です。しかし中小企業ではIT人材不足により、対策が難しいというケースが多々あります。DaaSを導入することは、ITに関する仕事をすべてサービス化させていく起点にもなり得るので、DaaSが果たす役割は非常に大きいとも言えると思います。

三上氏 DaaSが「ひとり情シス」と言われるような方への負担を軽減するきっかけにもなりますね。

梅田氏 そうですね。それとデバイスに詳しいからといって、本来の仕事の他に、ITの管理を任されてしまう「にわか情シス」と呼ばれる方についても、ITの管理業務から解放して、本来の仕事に集中してもらう環境をつくることにもなるでしょう。

DaaSはデバイスの管理業務に革命を起こす?

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