日経クロステック Special

世界水準の化合物半導体技術を日本品質のものづくりで提供する “攻めのR&D”で新時代を拓く光デバイスを創出

第5世代移動通信システム(5G)の商用サービスが始まり、IoTベースのデータ活用社会がいよいよ本格稼働する。施設内や都市間をつなぐネットワークも逐次増強され、あらゆる場所にデータ収集用センサーが設置されていく。こうしたデータ活用社会における応用開拓と発展に、卓越した光デバイスの提供を通じて貢献するのが京都セミコンダクター(以下、京セミ)だ。

 京セミは1980年の創業以来、光半導体デバイスに特化した技術と経験を蓄積してきた半導体メーカーである。LEDやフォトダイオードなど受発光デバイスを主力製品に、とくにInGaAsやGaAs、GaNなど化合物半導体の優れた特性を生かし、突き抜けた性能とユニークな機能・特性を持つ製品を生み出してきた。

 同社が保有する技術と事業体制は、成熟市場に向けて製品を大量供給する半導体メーカーとは一線を画すものだ。新市場の開拓や、技術の進歩が著しい領域での先進的ニーズに応えるようなシーンでこそ、京セミの強みが際立つ。同社代表取締役社長兼CEOの高橋恒雄氏は「世界水準の技術を武器に、日本水準のものづくりで、世界の光デバイス・ソリューションをリードします」と語る。

化合物半導体を自在に扱い
光学技術をパッケージに注ぐ

 京セミの事業セグメントは「光通信」と「光センシング」の2つに大別できる。いずれもデータ活用社会の発展に伴って、常に新たな技術と応用が生まれ続ける分野である。

 データ活用社会を支える半導体といえば、ビッグデータを蓄積するメモリーや人工知能(AI)関連の処理を行うプロセッサーに目が行きがちだ。しかしこれらのチップも、膨大なデータを高速伝送する通信インフラや、様々な場所でデータ収集するセンサーなどが、相応の進化を遂げないと機能しない。

 そして今、5Gの商用サービスが始まり、無線通信のインフラは刷新されつつある。次に求められるのは、5G基地局をつなぐネットワークの増強、そしてデータ収集の質を高めるセンシング手段の多様化であることは自明だ。京セミが扱う光デバイスは、こうした時代の要請に応える、データ活用社会の実現に不可欠なキーデバイスである。

 同社は、化合物半導体からデバイスを作る技術力を保有する、数ある半導体メーカーの中でも稀有な存在だ。「化合物半導体ベースのデバイスでは、シリコンデバイスでは扱えないほど大量のデータを伝送したり、これまで検知できなかった現象を察知したりできます。その突き抜けた特性は、新しい応用を切り拓く上での強力な武器です。光デバイスの素材としての化合物半導体のポテンシャルを最大限引き出し、光通信と光センシングの分野にイノベーションをもたらすデバイスを提供します」(高橋氏)。

 ただし、化合物半導体からデバイスを開発・生産することは容易ではない。結晶欠陥を減らしにくく、加工が困難な機械的特性や化学的性質を持つものが多いからだ。シリコンでは得難い高性能を実現できるが、デバイスを作る際にはこの上なく扱いにくい。だからこそ、化合物半導体を自在に扱う知見とスキルを持つ京セミの存在価値は高い。

 また、同社は光デバイスに欠かせない固有のパッケージング技術も保有している。光デバイスでは、チップからパッケージの外部へ、反対に外部からチップへと、光を効果的かつ効率的に導く機能が必須。加えて、光通信用では伝送路となる光ファイバーとの接続技術が、光センシング用では照射光を整えるレンズを作る技術が求められる。そこで同社では、高精度な光学素子をパッケージに組み込み、小型・高性能で使い勝手に優れたデバイスやモジュールを作る独自技術を保有し、これに応えている。

5GやIoTの発展を後押しする京セミの光デバイス

 京セミでは「光通信」と「光センシング」にフォーカスした光デバイスを生産・開発している。

光通信の市場では、5Gの本格活用が始まり、5G基地局につながるネットワークの性能を増強すべく設備投資が活発化している。同社は、超高速・超大容量の光ネットワークの実現に欠かせない先進的仕様のフォトダイオードやレシーバーを開発・供給。既に、25Gbps対応のレシーバーに向けたフォトダイオードも開発済みだ。

光センシングの市場では、工場や社会インフラ、農地など、様々な場所からデータを収集するためのIoTシステムの利用拡大に伴い、多様なセンサーが求められている。同社は、多様な波長の光を発光・検知できるセンサー用の光半導体デバイスを開発・供給。例えば、1つのパッケージから複数波長の光を照射する、小型・多目的の高付加価値LEDデバイスなどを提供する。

光通信用デバイス
光通信用デバイス
光センシング用デバイス
光センシング用デバイス