日経クロステック Special

IoTを支える京セミの光センシング・デバイス 最先端からレガシーまで多様な要求に応える光センサー

次世代開発も視野に
スマートファブ化を加速

 「お客様の課題や要求に対応するスピードでは、どんなセンサー・サプライヤーにも負けないと自負しています」と本多氏は強調する。本格的なデータ活用社会が到来し、今後は光センサーの需要はさらに高まり、利用シーンも拡大していくことだろう。京セミは、これまで以上に多様なセンサーをタイムリーかつ効率よく製造していくため、独自アプローチによる製造ラインのスマート化を推し進めている。「2020年度は、京セミにとっての“スマートファブ元年”と位置づけています」と製造本部生産管理・戦略部部長の松田哲朗氏は言う。

 一般的な半導体メーカーでは、スマートファブを構築する際、IoT化を推し進めた最新の装置を導入することが多い。しかし京セミは、あえてこうした装置の総入れ替えはしない。レガシー製品から最先端の製品まで、幅広く供給し続けていける体制の維持を大切にしているからだ。このため、古い装置も生かしながら製造ラインをIoT化し、生産効率と品質の向上を目指す方策を探っている。ただし、古い装置には、当然のようにネットワークにつないで管理・制御するような機能はない。そこをIoT化する難題に挑むことで、製造工程の見える化や予知保全を実現した、他に類を見ない対応力と生産効率を兼ね備えたラインを構築しようとしている。

 京セミは、より柔軟かつ迅速に多様な光センサーを作り分けることが可能な、将来の開発・製造体制を見据えた検討も開始。トレーサビリティーの向上、AIを活用した製造管理の効率化と最適化、さらには装置の稼働状況から製造条件を自動調整するラインの構築を想定している。さらに、3Dプリンターを活用して、パッケージや光学系のカスタム開発における試作のスピードアップにも挑むという。他社では供給できない光センサーをいち早く届けるため、京セミの開発・製造体制はこれからも進化し続ける。

京セミのセンシング製品

京セミのセンシング製品

注目製品

多様なIoTニーズに応答するKP-2 二波長フォトダイオード
(特許査定受領済み)
KP-2 二波長フォトダイオード
InGaAsフォトダイオードの同一光軸上にSiフォトダイオードを搭載し、紫外から近赤外まで幅広い波長の光の高感度検知を実現。京セミ独自の製法で、超薄型の表面実装に。医療・ヘルスケア機器、光学計測機器、ガス分析機器などへの応用を想定している。