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統合的、かつ堅牢なサービスの提供を目指して TISとラックの協業でクラウド&セキュリティ運用の実現へ統合的、かつ堅牢なサービスの提供を目指して TISとラックの協業でクラウド&セキュリティ運用の実現へ

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2020年春からの新型コロナウイルス感染拡大は、ビジネスにも大きな影響を与えた。激変する環境の中で多くの企業が既存ビジネスの変革を推進している。また、DXやイノベーションへの意識も高まっている。その際、自前主義では限界があるだろう。多くのプレイヤーを巻き込み、オープンなビジネスモデルを志向するケースが目立つようになった。ビジネスモデルやサービスを支えるプラットフォームには、高い信頼性、堅牢性が求められている。

オープン化・サービス化するビジネスを堅牢なプラットフォームで支える

―多様なプレイヤーがつながるインフラとしてのクラウドにおいて、セキュリティの確保は大きな課題です。

桑野 多くの企業がオープン化の方向に経営の舵を切り、多方面のパートナーの協力も得ながら新たな価値を創出しようとしています。

今回のラックさんとの協業もその一例といえるでしょう。オープンなビジネスプラットフォームには、多くのステークホルダーが参加し、多様な顧客とつながります。どこかにセキュリティの穴が開けば、プラットフォームそのものが崩壊しかねません。オープン化の時代、セキュリティ対策は必須です。

西本 身が引き締まりますね。セキュリティの世界には「樽理論」というものがあります。長さの違う樽材を何枚も立てて樽をつくり注水すると、一番低い板のところから水が流れ出します。

セキュリティも同じ。マルチクラウド環境で様々なシステムがつながっている中で、セキュリティレベルの低い部分からの「水」の流出をいかに防ぐか。低い板に合わせて全体をデザインするやり方もありますし、「この樽には、重要なシステムをつながないようにしよう」というアプローチもあるでしょう。システムが複雑化する中、全体を俯瞰した視点が重要になっています。

―今回の協業をきっかけに、お二人はどのような形でビジネスを成長させていきたいとお考えですか。

西本 先ほど樽理論の話をしましたが、私たちはセキュリティ上の問題点、改善余地などを見つけるのが得意です。ただ、解決策を実行に移すためには、私たちだけの力では及びません。両社が協力し合うことで、お客様に対してより高い価値を提供できるのではないかと考えています。

桑野 まず、私たちが信頼関係を築いてきた金融機関や製造業などの大規模なお客様に対して、これまで以上の価値を提供していきたいと考えています。

方向性としては、インフラからアプリケーションまで垂直統合型のトータルなサービスを提供していきたい。そして、お客様の戦略パートナーとしてバリューチェーンの上流からの提案力・実行力を高めたいと考えています。また、これまで大きな比重を占めてきた受託開発から、サービスへのシフトを進めたい。こうした方針を推進する上で、尖った技術力を持つラックさんは心強い味方です。

西本 これまで、日本企業は「鎖国していれば安心」という考え方でセキュリティに取り組んできました。しかし、桑野さんからオープン化の話があったように、すでに日本企業は「開国後」の時代を生きています。

それは日本企業のビジネスモデルを変え、ITのあり方を変えるほどの大変化です。セキュリティ対策のアプローチ、求められる技術も変わります。このような大きな変化の中で、お客様に価値を認められる会社であり続けるためには私たちも変わらなければなりません。社内でのサービス競合を恐れず、古いものを破壊する勇気を持って、次々に新しいサービスを生みだしていきたいですね。

桑野 新ビジネスやイノベーションを生み出すのは、結局のところ「人」です。人材の高度化、多様化に向けた取り組みを一層強化したいと考えています。

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