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コストパフォーマンスに優れたビジネスノートPC レノボ「ThinkBook 14」の実力をチェック

業務に欠かせない機材であっても、導入に際しては厳しい目で品定めをする必要がある。特に一人一台が当たり前になったパソコンは、リプレースするのに膨大なコストがかかる。そこで求められるのが費用対効果。業務を快適にこなせる性能を、できるだけ低価格で得ることが望ましい。また企業が力を注ぐ働き方改革にマッチする機材となっているかも、ポイントの一つになってくるだろう。

早速、今求められているビジネスノート像を考えていこう。一口にパソコンといっても性能は千差万別で、価格にも大きな開きがある。当然だが、高性能なパソコンになれば価格は上がる。その分、処理性能も優秀になるわけだが、ビジネス用途として考えるとハイパフォーマンスすぎるパソコンは最良ではない。一般的な業務(例えば文書の作成やメールなどのやり取りなど)だけなら、今や10万円を切るエントリークラスのパソコンでも十分快適にこなせるからだ。

続いて働き方とのマッチングだが、これはミーティングスペースや会議室などへ持ち運ぶといった社内モバイルや、テレビ会議などテレワーク作業といった業務を想定する。この視点では、パソコンの基本性能というよりも、テレビ会議用のWebカメラや大事なデータを守るセキュリティ、持ち運びできるサイズ感が重要になる。

ビジネスノートを数多く手がけるレノボでは、こうしたポイントを的確に抑えたモデルとして「ThinkBook 14」を展開している。インテルの最新CPUである、第10世代インテル Coreプロセッサーを搭載しつつ、最小構成なら5万円前半(クーポン適用後)から導入できるノートパソコンだ。おりしも、2020年1月14日にWindows 7のサポートが終了した。長年使ったWindows 7時代のパソコンのリプレースがまだなら、一考の価値がある。

14型のフルHD液晶ディスプレイを搭載するレノボの「ThinkBook 14」

コストパフォーマンスを追求した
ThinkPadの弟分

ここからは、ThinkBook 14の実力をみていきたい。レノボのビジネス向けノートといえば、大定番シリーズの「ThinkPad」で知られる。独自の過酷な品質テストをクリアした堅牢さは、米軍はもとより、NASAが国際宇宙ステーションなどで利用するなど、信頼性の高いパソコンとして評価されてきた。このThinkPadと弟分(下位)にあたるのが、このThinkBookシリーズ。ThinkPadで培った信頼性を継承しつつ、価格を抑えたビジネス向けノートとして、2019年5月に登場した。

現在はディスプレイのサイズ違いで3タイプあり、ThinkBook 14はちょうど真ん中。名前の通り14型ディスプレイを搭載する携帯ノートパソコンになる。一般的なノートパソコンというと15.6型のディスプレイを搭載しているが、こちらは一回り小型。ディスプレイ周りの縁(ベゼルと呼ぶ)が狭くなったデザインにより、従来の14型よりも小ぶりなサイズを実現した。

5万円前半から購入できるパソコンとは思えない、高級感あるボディー。
本体サイズは幅326×奥行き229×高さ17.9mm

狭額縁デザインの14型ディスプレイで、ThinkPadシリーズと同じようにほぼフラットな状態まで開く

15.6型のスタンダードノートと違ってテンキーはないが、キーピッチはフルサイズの19mm前後を確保。タッチパッドも大きく、複数の指を使ってスマートフォンのように拡大縮小したり、画面をスクロールしたりといった作業も可能だ。またキーボードにはバックライトも装備。薄暗い室内でもキーを確認しやすい。

キーボードはデスクトップパソコンと同等のキーピッチ。キーは浅めだが軽い力で軽快に入力できる

マルチジェスチャーに対応したタッチパッド

バックライトを搭載したキーボード

本体の重さは1.5kg(最小時、本体構成により変化する)。最軽量クラスとはいえないが、社内で持ち歩く分には差し支えないレベルだ。社外への持ち出しとなると、さすがに重く感じるものの、ThinkPadと同じようなスリムでフラットなボディーのため、カバンへの納まりは良かった。

細かい点だが、ワイヤレスマウスと接続する専用レシーバーを装着するためのUSBポートがあり、これが実に優秀だった。普通のUSBポートにレシーバーを挿すと、1cm弱本体から飛び出してしまう。そのため、持ち運びの時に引っかかったり、外れて紛失してしまったりする。だが、ThinkBook 14ならそういった懸念はない。ユーザー目線の思慮ある機構だ。

天板はフラット。本体も17.9mmとスリムで見た目もスタイリッシュ

カバー付きのUSBポートを装備。ここにワイヤレスマウスなどのUSBレシーバーを装着すると、本体からはみ出すことなくレシーバーを持ち歩ける

最新の第10世代Core iシリーズを採用

最小構成価格で5万円前半という低価格機ながら、パソコンとしての基本性能はビジネスノートとしては申し分ないといえる。特に注目したいのはCPUだ。前述したように、最新となる第10世代インテル Coreプロセッサーを搭載した。CPUの種類はカスタマイズのベースとなるモデルで変わるが、今回試したミドルクラス(価格はクーポン適用で7万1500円)では、Core i5-10210Uを採用している。

CPUには第10世代インテル Coreプロセッサーを搭載

CPU性能は4コア8スレッド、1.6GHzのベースクロックで、高負荷の作業時には最大4.2GHzまでクロック数が上がる(ターボブーストと呼ばれる仕組み)。最近のCPUは、省電力化と処理性能向上のため、マルチコアやマルチスレッドという手法を用いる。クアッドコアと呼ばれる4コア仕様のCPUは、処理ユニットを物理的に4つ搭載しているという意味。またスレッド化により擬似的に処理できる仕事数をさらに倍増させる。つまり4コア8スレッドのCPUということであれば、8つの仕事を同時並行できるということになる。

CPUやパソコンの性能、Microsoft Officeなどを使った際のパフォーマンスを計測できるベンチテストソフトでテストしてみたところ、下記図のように第8世代のCore i7プロセッサーと同じかそれを上回る良好な結果を得た。Core iプロセッサーには、主にi3、i5、i7というファミリーがある。処理性能を重視したい人はi7を視野に考えてしまうが、もはやi5でも十分快適な動作を得られると断言できる。

パソコンの基本性能を「PCMark 10」で計測した。数年前のパソコンに比べて、約3割の性能向上がみられる

続いてMicrosoft OfficeとEdgeを使う「PCMark 10 Applications」のテスト結果

こちらはCPUの能力を計測する「CINEBENCH R20」。マルチコアとシングルコア、それぞれ計測したが、前モデルのCPUよりも確実に性能が向上している

ちなみに第10世代と呼ばれるインテル Coreプロセッサーには、「Comet Lake」と「Ice Lake」という2つの開発コードネームが存在する。テスト機のCore i5-10210Uは前者Comet Lakeのもの。第8世代のCoreプロセッサーと同じ14nmの製造プロセスのもので、ターボブースト時のクロック数が向上しているのが特徴だ。

同じThinkBook 14でも別のカスタマイズモデルには、もう一つの開発コードネームであるIce Lakeを採用した、Core i3-1005G1やCore i5-1035G1、Core i7-1065G7というCPU搭載モデルも用意している。開発コードネームの違いはCPU名で判別が可能。前者のComet Lakeは末尾が「U」(ノートパソコン向けの低消費電力を示す)なのに対し、Ice Lakeは「G○」(○には数字が入る)と示される。

Ice Lakeの特徴は製造プロセスが10nmまで微細化したところ。また一部モデルを除いて内蔵するグラフィックス(GPUと呼ぶ)も向上した。ThinkBook 14で採用しているCPUだと、Core i7-1065G7搭載機がそれにあたる。GPUはゲームや動画などを変換(エンコード)する際にものをいう。

ストレージは高速なPCIe接続のSSD

OSやソフトウェア、オフィス文書などのファイルを保存するストレージには、データの転送速度が高速なSSDを採用する。SSDには、形状や接続方式によっていくつかの種類があり、最大転送速度にも6倍以上の差がある。テストしたThinkBook 14のSSD仕様をみたところ、PCIe接続(PCI Express 3.0×4)の高速SSDが搭載されていた。最大転送速度は4000MB/秒。実行速度をストレージ用ベンチマークテスト「CrystalDiskMark 7.0.0」(作者:ひよひよ氏)で計測してみたが、連続の読み出し速度で3400MB/秒ほどでていた。

従来のノートパソコンで採用が多かった2.5インチのSSD(接続方式はSATA)は実行で500MB/秒ほど、これがHDDになると実行で150MB/秒ほどに下がるため、テスト中もストレージの速さを随所に感じられた。特に顕著なのはパソコンの起動時間だ。手動で計測したところ、電源ボタンを押してからデスクトップが表示されるまで約20秒だった。対してHDDを搭載したノートパソコンだと、購入直後のクリーンな状態でも約1分間かかったことを考えると、体感的にも大きな差がある。

ストレージの読み書き速度を計測できる「CrystalDiskMark 7.0.0」のテスト結果。PCIe接続のSSDでも高速タイプが搭載されているのが分かった

ビジネスに配慮したセキュリティや
最新インタフェース

ビジネスノートとしてのセキュリティも万全だ。その一つが電源ボタンに組み込まれた指紋センサー。Windows 10へのサインインや、Webサイトへのログイン作業を指先一つで実行できるようにする「Windows Hello」に対応している。またWebカメラにもセキュリティへの配慮が。Webカメラを遠隔操作してユーザーを盗撮するマルウエアなどを防ぐ目的で、物理的にWebカメラを使えなくするシャッターを搭載した。

電源ボタンが指紋センサーになっており、スムーズなサインインが可能

シャッター機能が付いたWebカメラ。閉じておけば、盗撮被害を防げる(写真右が閉じた状態)

周辺機器などを接続するインタフェースは、右側面に通常のUSBポートが2つ(内一つは前述した隠しUSBポート)とSDメモリーカードスロット。左側面には有線LAN、HDMIの映像出力、通常のUSBポートが各一つずつ、さらにスマートフォンなどで普及が進むType-CタイプのUSBポートも2つ搭載する。

このUSB Type-Cポートは一つがUSB PD(USB Power Deliveryの略)と呼ばれる充電機能に対応しており、付属するACアダプターの代わりに高出力のUSB充電器からもパソコンを充電できるようになっている。最近はUSB Type-Cのケーブル1本で映像出力をしつつ、本体を充電できる液晶ディスプレイも登場しているため、マルチディスプレイ環境を作れるのも魅力だ。

低価格ながら十分な性能と、最新のインタフェースを兼ね備えるThinkBook 14。ビジネスノートとしての実力は、兄貴分のThinkPadにも通じる折り紙付きだ。

インタフェースは左右に集約。通常のUSBポートは3つ、最新のUSB Type-Cは2つと充実

USB Type-Cポートの一つはUSB PDに対応。市販されている高出力のUSB充電機を使っても本体を充電できた

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