不確実性への対応力を左右するDX 先進企業は緊急事態をどう乗り越えたのか

Special talk特別対談

アクセンチュア×日本マイクロソフト特別対談 後編
「ポストコロナ:ニューノーマル時代を勝ち抜くために」
~デジタルを活用した企業変革で危機を成長の機会に変える~

本記事の前編では、日本マイクロソフトとアクセンチュアが協働して日本企業を支援する中で、「日本のお客様の7割がコロナ禍を在宅勤務で凌ぐだけでなく、中長期の視点での示唆を求めていた」との報告を紹介し、生き残るための条件を考察した。後編では、コロナ禍において全労働人口の6割を占める“現場”を有する分野の働き方改革をどう実現するか。またコロナ禍で経営環境が悪化する中、いかに投資余力を創出するか。アクセンチュア 代表取締役副社長 関戸 亮司氏と日本マイクロソフト 執行役員 常務 パートナー事業本部長 高橋 美波氏が、コロナ禍の働き方改革を推進する上での課題とその解決策に迫る。

※本取材は6月26日に「Microsoft Teams」で実施いたしました。日本マイクロソフト 高橋氏は7月1日よりエンタープライズ事業本部長に就任されておりますが、取材時はパートナー事業本部長でしたので、当時の肩書にて表記しております。
(2020年7月1日より日本マイクロソフト株式会社 執行役員 専務 エンタープライズ事業本部長)

全労働人口の6割を占める“現場”を有する分野で
いかに働き方を改革するか

関戸 ニューノーマル時代の働き方に関して課題も浮き彫りになりました。在宅勤務への移行が容易に行える事務や専門職に比べ、店舗や工場、建設現場など物理的に現場に出向く仕事は在宅ではできません。日本の全業種の労働人口の6割を占めるといわれる“現場”を有する分野の働き方改革をどう実現していくか。ニューノーマル時代 では、“人が現場に行けないこと”も想定してBCP(事業継続計画)を見直すことが必要です。

例えば、ものづくりではAIやIoTを活用した完全自動化工場や、リモートからの保守・点検などの一連の業務を自動化する「ハイパーオートメーション」がポイントとなります。また販売の観点では、現実と仮想をミックスさせたMR(Mixed Reality、複合現実)を実現する「Microsoft HoloLens」などを利用し、店舗に行かなくても製品を体験できるといった新たな価値の提供も大切です。さらに全産業で新しい働き方を実現するためには、複数のテクノロジーやツールを組み合わせ、自動化の範囲を拡大していくことも重要な要素となります。

高橋 新型コロナウイルスが企業変革のスピードを一気に加速させたといった側面もあると思います。日本マイクロソフトが提供するチームコラボレーションのハブである「Microsoft Teams」のダウンロード数は、2019年11月に2000万、2020年3月に4400万、2020年4月には7500万になりました。ご導入いただいたお客様からも、セキュアな環境のもとWeb会議やチャットなどにより自宅に居ながらコミュニケーションができる利便性を体験すると、もう元の仕事のやり方には戻れないといったお話もよくお聞きします。今後、現場の働き方改革をどう実現していくかが重要な課題であることは、私も同じ認識です。議論のテーマを広げ、ニューノーマル時代における新しい社会やビジネスのあり方についてどのように捉えていますか?

関戸 今回、マスクや医療機器の不足などグローバルサプライチェーンの脆弱性が顕在化しました。高齢化社会で労働人口が減少する日本において国内生産を強化するためには、現場業務の自動化が欠かせません。またパンデミックや自然災害などの不測の事態に対処可能なレジリエンス(回復力)のある仕組みの構築では、すばやく変化に対応するためにエンタープライズITとOT(Operational Technology、制御・運用技術)の融合が重要です。さらに、首都圏にビジネスが集中する社会モデルから分散型の社会を構築していくことが必要となるでしょう。

働き方改革もサプライチェーン改革も、真に課題を解決するためには自社だけでなく、取引先や顧客、関連会社などエコシステム全体で協調しながら進めていくことが求められます。アクセンチュアでは、コロナ禍においてお客様のご理解・ご協力のもと、リモートから大規模システムの導入支援を行いました。リモートによる導入支援に関して、当初はお客様に受け入れられるか、不安もありました。しかし今では「これからも続けてほしい」とのお声を頂いています。コロナ禍で業務を行う中で、お客様においても経営や社員の意識が確実に変わってきていると実感しています。

レガシーシステムの最適化から戦略的IT活用までエンドツーエンドで支援

関戸 従来からDXに取り組まれていた日本企業のお客様は、コロナ禍における在宅勤務のニーズに対し迅速かつスムーズに対応することができました。しかし、日本企業にはまだレガシーシステムが残っており、DX実現の足かせとなっているケースも多くあります。新型コロナウイルス感染症の終息は見えず、第2波や新たなウイルス感染のリスクに加え、集中豪雨など自然災害も頻発する中、ビジネスの継続性は企業存続に直結する最優先課題です。コロナ禍で経営環境が悪化し景気の先行きが不安な中、多くの企業ではITへの投資に余裕がないのが現状ではありますが、ビジネス競争が激しくなり勝ち負けが今まで以上にはっきりしてくるニューノーマル時代だからこそ、企業はこれまで以上に覚悟を持って積極的なデジタル投資をすべきと思います。

AMBGでは、アクセンチュアの豊富な業界知識や専門スキルとマイクロソフトのテクノロジー力を駆使し、レガシーシステムを最適化してコストを抑制することで投資余力を創出し、DX戦略の立案からテクノロジーの導入・運用にいたるまで、お客様の変革をエンドツーエンド(end-to-end)で支援していきます。また、ニューノーマル時代に応える新たなビジネスモデルの創造も重要なテーマです。特に日本が強みとしているものづくりの分野においては、変化に強いサプライチェーンモデルを日本から世界に展開できるチャンスがあると思っています。

高橋 これまで日本企業におけるIT投資は、「守りのIT」の観点からコスト重視が中心でした。ニューノーマル時代において危機をチャンスに変えるためには、関戸さんからお話があったように、戦略的シナリオを描き、「攻めのIT」への投資により企業変革を力強く推進していかなければなりません。変革に取り組む企業に対するエンドツーエンドの支援は、他社では真似のできない、日本マイクロソフトとアクセンチュア両社のシナジー効果があってこそ提供できることです。日本企業がニューノーマル時代の新たなビジネスのあり方を模索し実現に向けて踏み出し始めています。この一歩が、その企業の輝かしい未来への大きな一歩となるように、ひいては日本全体が再び活力を取り戻せるよう、両社で一体となって支えていきます。また、日本発のソリューション開発にもぜひ共同で取り組んでいきたいと思います。

アクセンチュアと日本マイクロソフトが協働し日本企業のDXを支援はこちら

CONTENTS

「ニューノーマルの時代における“企業のあるべき姿”とは?」〜DXによる変革を加速させ、ニューノーマルに挑む〜アフラックCase Study 「コロナ禍に短期間で事業継続を実現できた要因とは?」〜DXがパンデミックへの対処の仕方を変えた〜アステラス製薬Case Study