特別トップインタビュー
激動をチャンスに変える2021年
NXPジャパン

世界基準のユニークな半導体技術を提供

新時代を拓くソリューションで
世界に通じる価値を
提供し続ける

NXPジャパン 代表取締役社長
NXP Semiconductors 副社長

和島 正幸

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組み込み制御やセキュリティー、ワイヤレス通信など、次世代ビークルの実現や産業機器のスマート化に欠かせない領域の半導体で世界をリードしてきたNXP Semiconductors社。同社の技術・製品には、近未来における機器の進化に欠かせない機能・性能を備えたものが極めて多い。2020年10月に就任したNXPジャパン代表取締役社長の和島正幸氏に、日本市場での同社の役割と2021年以降の注力分野について聞いた。

改めてNXPについてご紹介ください。

和島 NXPは、Philipsの半導体部門を源流とし、Motorolaの半導体部門より独立したFreescale Semiconductorと2015年12月に経営統合し現在の形となりました。両社共に60年以上の歴史ある会社で、日本市場には1968年から参入しています。現在は4つの応用市場、日本ではとくに重要な「オートモーティブ」、5G基地局向けなどを含む「通信インフラストラクチャー」、産業機器や組み込み機器のIoT化などに関連した「インダストリアル&IoT」、米中で大市場となっている「モバイル」に向けて、さまざまな半導体ソリューションを提供しています。

応用市場でのNXPの強みをお聞かせください。

和島 NXPのポートフォリオは、非常にユニークです。組み込みマイコンに加え、セキュリティー関連、ワイヤレス通信関連で、極めて競争力の高い製品を保有しています。これらはいずれも、先に挙げた4つの応用市場の進化・発展に欠かせない要素技術だと言えます。

日本発の技術革新を支える

日本市場の顧客に向けて、どのような価値を届けているのでしょうか。

和島 世界での日本企業の競争力を高めていくために必要な技術を提供することこそが、私たちの存在価値だと考えています。

 世界の半導体需要の半分以上は中国、アジア太平洋地域に集中しています。その中で、日本が占める割合は10~15%ですが、日本は世界市場に新たなインパクトをもたらす技術がいち早く生まれ、導入される重要な市場です。従って、NXPのような半導体メーカーが、新たな技術を投入し磨く環境として、代わるところがない価値を持つ場所です。

 とくにこれから拡大していくと考えられるIoT関連の応用市場では、エッジ端末だけでなく、情報システムに仕上げる企業やサービスを提供する企業など、IoTのエコシステムを構成する企業が多数います。新市場を創出し、共に成長していくため、日本はとても重要です。NXPは、世界市場の攻略に向けて不可欠な技術を数多く保有している日本企業が、幅広くビジネスを展開するためのお手伝いができると確信しています。

2020年は特異な年でした。ビジネスの状況はいかがでしょうか。

和島 2020年第2四半期に入った頃に世界各地でロックダウンが始まり、私たちのビジネスにも大きな影響が出ました。ただし、ネガティブな面とポジティブな面の両方があったと理解しています。

 ネガティブな面は、第2四半期に大幅に落ち込んだオートモーティブの分野です。しかし、第3四半期には中国市場の回復にけん引されて急回復し、世界的には年初のレベルにまで戻しています。需要は堅調で、第4四半期から2021年にかけて非常に強い引き合いがあります。インダストリアルの分野もおおよそ同じような傾向にあります。

 一方、ポジティブな面は、通信インフラストラクチャーの分野やポータブル機器向けの市場です。コロナ禍によって、世界中がリモートワーク中心の生活スタイルへと移行したことによって通信需要が伸び、世界各国で5Gの導入が進みました。日本でも同様に5G関連のインフラストラクチャー向け製品が2020年の前半にとても大きな引き合いをいただきました。この領域でのビジネスは堅調に伸びており、これからも期待しています。

With/Afterコロナを見据えた変革を支援

2021年以降を見据えて、どのような製品に注力していくのでしょうか。

和島 NXPジャパンでは、オートモーティブとインダストリアル&IoTがとくに重要な応用分野であり、2020年はコロナ禍による急激な環境変化に少し翻弄されました。2021年以降を考えると自動車分野では、CASEに沿ったクルマの革新自体が、これによって大きく軌道修正されるとは考えていません。ただし、仕事や生活のスタイルが変わり、モビリティーのパーソナル化の動きは加速することでしょう。この分野には、NXPのセキュリティー技術などが生かせると期待しています。

 これらを見据えて自動車関連では、プロセッサーやマイコンだけではなく、ミリ波レーダーとバッテリー・マネージメント・システム(BMS)に関連した製品を伸ばしたいと考えています。NXPのBMS向け製品は、ドイツのVolkswagenの電気自動車(EV)のプラットフォーム「MEB」に採用されています。さらに自動車関連に限らず、UWB(Ultra-Wideband)関連製品も強い引き合いをいただいています。UWB技術は高精度の測距/測位が可能なため、クルマや家、オフィスへのセキュアなハンズフリー・アクセスや、屋内でのナビゲーション、アイテム・トラッキングなど、さまざまな応用が広がる技術です。NXPは、これら技術の開発に長期間にわたって投資を継続し、市場での実績も豊富です。顧客企業が求め、こだわる性能や品質を実現した製品を提供していきます。

成長の余地が大きい製品を数多く持っていますね。

和島 注力すべき分野を強化するための取り組みは継続的に進めています。例えば、2019年には米Marvellのワイヤレス事業を買収して、BluetoothやWi-Fi関連の製品を強化しました。また、5G向けの高効率なRFデバイスを実現するため、米国アリゾナ州チャンドラーに150mmウエハー対応のGaNデバイス生産ラインを新設しました。また、実績あるセキュリティー技術や、エッジコンピューティングにおけるAIソリューションを幅広く提供し、さまざまなコネクテッド・デバイスのスマート化に貢献していきます。

2021年には、どのような舵取りをしていきますか。

和島 2021年の市場環境を見通すことは極めて難しく、どのような状況になっても追随していく体力と機動力を持つことこそが重要になると考えています。コロナ禍を経験して、想定外のことが現実に起こり、ビジネスの振れ幅が非常に大きくなり得ることを痛感しました。仕事や生活スタイルの変化を慎重に考慮しながら、長期的な展望を見据えて、ブレずに着々と準備していく姿勢が求められます。

読者の方々にメッセージを。

和島 自動車や産業機器などの分野では、世界中の人々が、日本企業が生み出してきた製品の優秀さを熟知しています。過去から現在に至るまで、日本企業のグローバルでの競争力は高くあり続けてきました。ただし、自動車の大変革や産業機器のスマート化などによって、世界市場での競争条件は確実に変化しています。

 NXPは、非常にユニークな技術、それも世界が求める次世代のシステムに必須な技術を持つ企業です。世界市場の中で、日本企業が明日も強くあり続けるためのお手伝いができればと願っています。私たちは、世界市場で存在感を高めるためのさまざまな課題の解決に向け、お客様と共に取り組んでいきます。

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NXPはあらゆるスマート・デバイス構築に必要とされる要素技術を提供

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