回を重ねるごとに木材の可能性に挑戦する意欲的な作品が増えています。構造、環境、内外の空間構成、景観、機能性を損なわずに新しいデザインへと結び、コンテストの意義と醍醐味を感じる事ができました。「そこに流れる空気の質」「空間より触発されるアクティビティ」など、限られたプレゼンテーションの中で、眼に見えないコトも汲み取るべく議論しました。残念なことは、街の活性化に繋がる商業建築や集合住宅、都市型住宅等木造として難しい条件を堅実にまとめた作品が受賞から漏れた事です。
一企業の枠を大きく超え、若い設計者へのエールと木質建築空間がその可能性を広げることを目的に立ち上げたこのコンテスト、限りある賞の中で幸運に恵まれた受賞作が、次の機会に繋がるよう願っております。
審査委員長 平倉直子