全体応募総数387作品は予想どおりでした。昨今の木造建築および木質空間への指向を受けて、個人の建物から大型建築まで様々な用途へ広がりをみせている状況から、むしろ当然の結果ともいえます。審査の中で、特に一般建築部門は切り口が多岐にわたり、絞り込むのに難航しました。店舗の内装にも良いものがありましたが受賞には至らず、今後増えていくと思われる増改築とともに部門を独立させるなど、応募作の動向を見据えながら、この賞を継続させるに当たっての課題も見えてきたといえるでしょう。
コンテストの主旨は、生きている木を活かしながら利用するためのパートナーとして塗料の認識を広め、かつ建築家のこだわりや木の魅力的な用い方を、メディアを通して広く知ってもらい、また材料メーカーと建築家たちが互いに触発し合いながら良い関係を築くことでエンドユーザーの支持を得る建築を育てることにあります。
今回の受賞作発表により、今後このコンテストが魅力的な建築の発表の場として、また新人発掘の機会としても位置付けられるよう願っています。
審査委員長 平倉直子