標的型メール攻撃は、ExcelやPowerPointなどのファイルに悪意のあるマクロウイルスを仕込み、ユーザーがファイルを開くことでウイルス感染させる手口が知られている。Active! zoneは、添付ファイル内のマクロを除去して配送することにより、マクロウイルスによる攻撃を防御する。
「当社のマクロ除去機能をご利用いただいている自治体は多いのですが、他の無害化製品を使いたいという声もございます。そこで、OPSWAT社製の無害化製品とActive! zoneを連携するなど、自治体の選択肢を広げています」と、辻村氏はサードパーティの無害化製品に対する取り組みを述べる。無害化製品は高価という意見に対しては、OPSWATの無害化製品をメール連携用のサニタイズエンジンとして利用すると、ファイル交換用のサニタイズエンジンとの共有が可能になるためコストメリットがあるという。
受信メールの添付ファイルが暗号化されているとアンチウイルスやアンチスパムの機能が効かずサニタイズもできないため、LGWAN側に配送される前に添付ファイルが削除されることになる。そのため、原本保存用メールサーバーにログインしてLGWAN接続系ネットワークに取り込むことになるが、そのステップ数が多く業務効率が低下するという自治体職員の声がクオリティアには届いている。
この問題に対し、Active! zoneは受信メールの添付ファイルをメール本文と分離し、一旦Active! zone上に格納する。ユーザーはワンタイムURLをクリックして格納ファイルを自身で確認。ZipパスワードのかかったファイルもActive! zone上で解除、確認できる。手元の端末に添付ファイルをダウンロードする場合、「原本のまま」、「マクロ除去する」、「画像化する」、「PDF化する」といった受信ポリシーに応じた設定が可能だ。
また、原本保存用メールサーバーからLGWAN接続系にメールを取り込む際のステップ数を簡略化するための仕組みを開発中だ。具体的には、Active! zoneの添付ファイルダウンロードのアイコンをクリックすれば、ファイルを直接、ファイル交換(無害化)サーバーに格納する。「原本保存用サーバーにログインしてメールをダウンロードし、ファイル交換サーバーに格納、無害化するといった手順が不要になります。簡単な操作でファイル交換サーバーから暗号化されたファイルをLGWAN端末で取り出せるようになり、メール操作にかかわる業務を効率化できます」と辻村氏は説明する。