Enterprise IT Infrastructure 2020 〜DX時代に向けたレガシーインフラの刷新と共存〜 Review

デジタル技術を活用し、新たなサービスやビジネスモデルを創出する「デジタルトランスフォーメーション(DX)」が進展している。これに伴い企業活用を支えるITインフラにも様々な変化が起こりつつある。クラウド型のコミュニケーションツールやAI/IoTの活用によって、ネットワークトラフィックが爆発的に増加しているのはその一例だ。また、経済産業省のDXレポートにもあるように、レガシーインフラからの脱却も急務となっている。DXを継続的に展開していくためには、基幹システムにとどまらず、ネットワークまで含めたモダナイゼーションを図っていく必要があるだろう。こうした次世代に向けたインフラの在り方を探るため、日経BP総研とソフトバンクが開催したのが「Enterprise IT Infrastructure 2020~DX時代に向けたレガシーインフラの刷新と共存~」だ。本セミナーでは先進企業の事例を紹介しつつ、DXを進展させ、レガシーインフラから脱却する解決策が提示された。

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DA,ADSLの代替に最適な法人向けモバイルアクセス

2つのモバイル網をアクティブで活用する新技術

ソフトバンク株式会社 法人プロダクト&事業戦略本部 ネットワークサービス統括部 法人データサービス部 VPNサービス課 課長 宮脇 猛氏
ソフトバンク株式会社
法人プロダクト&事業戦略本部
ネットワークサービス統括部
法人データサービス部
VPNサービス課
課長
宮脇 猛

クラウドサービスの利用拡大とともに、安全にクラウドにアクセスできるネットワークが不可欠になっている。ソフトバンクの統合VPN「SmartVPN」は、クラウドとの親和性の高さが特長のVPNサービスだ。

求める通信性能に応じた多様なアクセス回線を用意しているほか、著名なパブリッククラウドについてはダイレクトアクセスメニューを用意している。

ここに新たなアクセス回線サービスが加わった。モバイル網を利用した「Twinアクセス」だ。

「回線の開設工事が不要といったメリットがあることから、モバイル網を利用したアクセス回線に対するニーズは年々高まっています。一方、どうしてもモバイル通信の品質の問題やインターネット網を経由することによるセキュリティの懸念も指摘されていました」とソフトバンクの宮脇 猛氏は話す。

Twinアクセスは、この課題を解消した。

まず、2つのモバイル網をいずれもアクティブの状態で利用することで、通信品質の問題をクリア。具体的には、企業内に設置した回線終端装置でデータを複製して、同じパケットを同時に2つの回線で送信。仮にどちらかの回線でパケットロスが起こっても、もう一方のパケットを利用できるため、安定したモバイル通信を行えるという仕組みだ。

「局内の終端装置では、先に到着したパケットを採用するため、通信品質の向上を図っています」と宮脇氏は説明する。

独自プロトコルで高品質なモバイル通信を実現 独自プロトコルで高品質なモバイル通信を実現

独自プロトコルで高品質なモバイル通信を実現

ソフトバンクとNECが共同開発した独自のPCC(Packet Copy Capsuled)プロトコルでパケットを複製。モバイル2回線で送ることにより、網内のパケットロスやゆらぎの影響を抑え、高品質なモバイル通信を実現している

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もう1つのインターネット網のセキュリティに関する懸念については、モバイル網とSmartVPNを直結し、インターネット網を経由しない経路を採用することで、閉域性を確保。同時にデータ暗号化でリスクを回避するなど、モバイル通信をビジネスで安全に利用できるような工夫を施している。

また、モバイル通信の無線区間の電波状況やトラフィックなどの情報をパソコンから把握できる「SmartVPN Web」も用意。通信にトラブルが発生した場合の、迅速な切り分けや原因究明などをサポートする。


顧客が抱える多様な課題を解消

Twinアクセスの高速性や安定性は高く評価され、既に多くの企業で利用されている。

例えば、総合保険代理店事業者である、ほけんのぜんぶは、事業拡大に伴い、次々に開設する新拠点の回線ニーズに対応するためにTwinアクセスを利用している。

「手軽に業務に耐えうるネットワークを構築できることから、レンタルオフィスを利用している拠点でも共有インターネット環境を利用することなく、固定専用回線と同等のセキュリティポリシーを確保可能。急な拠点拡大にも安心かつスピーディーに対応することができています」と宮脇氏は説明する。

また、ある技術サービス業の企業は、光回線の敷設が困難な工場や臨時拠点との通信にモバイル通信を利用していたが、1回線だけのシングル構成だったことから大容量データのアップロードなどには多大な時間がかかっていた。それをTwinアクセスに変更したところ、アップロード時間が従来の約1/10に短縮され、光回線の敷設が困難な拠点でも快適な通信環境を実現している。

ほかにも、ホテルの宿泊管理システムの通信手段として主回線に光回線、バックアップ回線にADSLを利用していたある企業は、ADSLのサービス終了を見据えてTwinアクセスを採用。トライアルによって、同時に比較したシングル構成のモバイル通信よりも品質がはるかに高いことを評価された。

「こうしたお客様の声に対応するため、将来的には5GをTwinアクセスに利用するなど、さらなる機能強化を図り、利便性と信頼性の高いモバイル通信を提供していきます」と宮脇氏は結んだ。


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有線回線の敷設が困難な拠点で活躍 住民サービスの向上に貢献

より簡単に安全なネットワークを使いたい

SBテクノロジー株式会社 公共事業部 公共技術部 プリンシパルセキュリティ コンサルタント 小林 青己氏
SBテクノロジー株式会社
公共事業部 公共技術部
プリンシパルセキュリティ
コンサルタント
小林 青己

SBテクノロジーは、多くの自治体のIT活用を支援してきた実績を持つ。例えば、通信の監視機能を強化するために、都道府県ごとにインターネット接続口を集約する「自治体情報セキュリティクラウド」では、4つの県を担当し、121の団体が利用する情報セキュリティクラウドを構築した。

こうした経験を通じて、同社は自治体が直面する様々な課題と向き合ってきた。

「現在、多くの自治体が直面しているのがネットワークの使いづらさです。自治体情報システム強靱性向上モデルによるインターネット接続系とLGWAN接続系、住民情報系の分離や、自治体情報セキュリティクラウドによってセキュリティレベルは向上していますが、もっと簡単に安全なネットワークを利用したいという声が多く寄せられます」と同社の小林 青己氏は述べる。

また、近年頻発する台風や集中豪雨などの災害発生時に、自治体の業務継続や住民への情報発信を継続するためのネットワーク環境の整備も求められているという。


設置して電源を入れるだけ。導入のしやすさも評価

そこで、同社が提案するのがソフトバンクの統合VPN「SmartVPN」および、モバイル網を利用しつつ、高性能かつ安定的な通信を実現できるアクセス回線サービス「Twinアクセス」である。

VPNはインターネットを経由しないセキュアな通信が可能なものの、有線のアクセス回線を敷設する場合、回線工事に時間がかかる。自治体には出先機関など小規模拠点も多く、すべてに有線のアクセス回線を敷設するとなると負担も大きい。

「それに対して、Twinアクセスであれば回線工事が不要なため、スピーディに導入が可能。ロケーションフリーでどこでも導入でき、終端装置のポートにパソコンを直接接続すれば、端末台数の少ない拠点はLAN構築も不要です」と小林氏は説明する。

自治体の小規模拠点にも適したTwinアクセス 自治体の小規模拠点にも適したTwinアクセス

自治体の小規模拠点にも適したTwinアクセス

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ある自治体では、保育園のネットワークにSmartVPNとTwinアクセスを採用。従来は電話やFAXを用いて本庁の担当者とやり取りしていたが、セキュアなネットワーク環境でのIT活用が可能となり、職員の業務効率が大幅にアップしているという。「現地に足を運ばずとも、保育園に設定済みの終端装置を配送し、現地の職員に電源を入れてもらうだけですぐに利用を開始できたと、自治体のIT担当者からは導入のしやすさについても高い評価をいただいています」(小林氏)。

また、ほかのある自治体では、確定申告などの時期に臨時窓口を設置していたが、従来は臨時窓口を設置するたびに有線回線を敷設しており、非常に手間がかかっていた。それをTwinアクセスに変更。臨時窓口を利用する人が増えた際には、Twinアクセスを増設して対応するなど、住民サービスの向上に役立てている。

学校のICT教育の通信手段としてTwinアクセスを利用した自治体もある。特別支援学級の生徒や児童の中には学校への登校が難しい児童もいる。そこで、病院の院内学級にTwinアクセスを設置。「2つのSIMによる安定した通信品質により、ICTを活用した授業や遠隔授業などを実現しています」と小林氏は紹介する。

現在、多くの企業と同様に、自治体でも働き方改革が重要なテーマになっているが、Twinアクセスは、そのためのリモートワークのインフラとしても期待が高まっている。Twinアクセスは、自治体が住民満足度の高い行政サービスを効率的に提供するための重要な切り札となりそうだ。


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テレワークの実現、IoTへの応用で注目 安全性を重視したリモートアクセスサービス

テレワークの実現に欠かせない安全なネットワーク

ソフトバンク株式会社 法人プロダクト&事業戦略本部 ソリューションサービス統括部 ソリューションサービス第1部 サービス企画3課 上村 勇貴氏
ソフトバンク株式会社
法人プロダクト&事業戦略本部
ソリューションサービス統括部
ソリューションサービス第1部
サービス企画3課
上村 勇貴

働き方改革の一環として、在宅勤務やサテライトオフィス、モバイルワークといったテレワークの導入に取り組む企業も多い。「テレワークを成功させるには、デバイス、セキュリティ、ネットワークの3つが重要になります」とソフトバンクの上村 勇貴氏は強調する。

具体的に、デバイスはスマホやタブレット、LTE対応パソコンなど、働き方に合わせたデバイス選定がポイントになる。また、セキュリティは、ウイルスや危険なWi-Fiからデバイスを保護するための対策、企業ポリシーに応じたインターネットアクセス、モバイルデバイス管理ツールなどを活用して情報漏洩リスクを軽減することが肝要だ。

そして、ネットワークにおいては、自宅や外出先からいかに安全な通信を実現するかが重要となる。

それに対して、ソフトバンクはテレワーク支援ソリューションを提供。ソリューションの核となる統合VPN「SmartVPN」は、ユーザーのモバイルと企業システムや各種クラウドサービスを、共有型のインターネットVPNアクセス、専有型のセキュアリモートアクセス、そして、閉域網のモバイルネットワークを利用するセキュアモバイルアクセスというゲートウェイサービスで接続する。このうち、企業のリモートアクセス手段として利用が広がっているのがセキュアモバイルアクセスである。

「セキュアモバイルアクセスは、インターネットを経由せずにモバイルネットワークからSmartVPNに直接接続。社外から企業システムへセキュアにリモートアクセスできるモバイルネットワーク環境を実現します。数万規模の多セッションにも対応できる上、ゲートウェイが東京と大阪の2カ所にあるため、エリア冗長構成にして、リモートアクセスの信頼性を高めることも可能です」と上村氏は言う。

さらに、IT担当者向けにプロビジョニングやモニタリング機能を提供するカスタマーポータル「SmartVPN Web」も備えており、容易に運用管理も行なえる。

企業ニーズに合わせ多様な構成が可能なセキュアモバイルアクセス 企業ニーズに合わせ多様な構成が可能なセキュアモバイルアクセス

企業ニーズに合わせ多様な構成が可能なセキュアモバイルアクセス

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IoT活用を働き方改革につなげた事例も

こうしたセキュアモバイルアクセスの特長を生かし、インターネット統制、IoTに活用するケースも増えている。

インターネット統制は、企業ポリシーに応じたセキュリティ対策を施し、セキュアなインターネットアクセスを実現するためのもの。セキュアモバイルアクセスに次世代ファイアウォールなど、ソフトバンクのセキュリティサービスを組み合わせてユーザーに利用させることで、常に安全なモバイル通信を実現できる。

一方、IoT用途では、セキュアモバイルアクセスが任意のパケットでデバイスの呼び起こしが可能なIP着信機能を利用する。具体的には、IP着信を用いて自動販売機などの売り上げ・在庫データ、監視カメラの映像、画像データを企業システム側に送信させたりするわけだ。ガス会社がガスメーターの自動検針に役立て、従業員の働き方改革につなげている例もある。

セキュアモバイルアクセスは、製造や運輸、小売、建設、医療、金融、不動産、官公庁など様々な業種で多くの導入実績がある。

「安全なテレワーク環境の実現だけでなく、IoT活用によって業務の効率化を図ることでも働き方改革に貢献できます」と上村氏はセキュアモバイルアクセス、およびテレワーク支援ソリューションのメリットを強調する。働き方改革に欠かせないネットワークに強みを持つソフトバンクの提案だけに、検討する価値はありそうだ。


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デジタル変革を支える新しい企業ネットワークの作り方

デジタルトランスフォーメーション(DX)に取り組む企業が増えている。「DXではビジネスに必要なデータの整備に加え、企業のインフラとなるコンピューターシステムやネットワークの見直しも必要です」と日経BPの河井 保博は強調する。

例えば、クラウドの活用が進み、データは社内ではなく、クラウド上に置かれるようになった。クラウドへのネットワークに障害が起これば、ビジネスは止まることになる。「アクセス回線を2重化して可用性を高める必要があります。ただし、むやみにコストをかけるわけにもいきません。信頼性を高めながら、いかにコストを抑えられるかも重要になるでしょう」と河井は指摘する。

通信サービスの変化も、企業ネットワークの見直しを迫る。一例が、これまで企業のアクセス回線の一端を担ってきたADSL。間もなくサービスを終了することから、代替回線の検討を進める必要がある。

また、IoT活用に代表されるように、ネットワークに接続するデバイスは多様化し、中には移動するモノや設備の場合もある。拠点という面では、そもそもネットショッピングの普及でリアルな店舗を持たない小売業も増えている上、移動店舗、無人店舗といった新しい形態の店舗も登場している。ネットワークも、こうした変化に対応できるものが求められるようになる。

「そんな中で、今後は、モバイルのニーズがさらに高まっていくと見ています。スマートフォンのように移動しながら通信する場面はもちろんですが、有線の代わりに使う場面が増えていくでしょう。有線に比べると、モバイルは契約から開通まで時間がかからない、工事が困難な場所でも対応できる、運用コストが安いといった特徴があります。もちろん、DXを支えるインフラとしては、信頼性、通信品質、セキュリティといった視点も欠かせません。いろいろな通信サービスを組み合わせて、そうした要件を満たすネットワークを構築することが大切です」と河井は言う。

DXの実現に向けて、企業は自社のネットワーク戦略を点検してみる必要がありそうだ。

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