クラウド利用は適材適所の時代 既存システムクラウド移行の最適解

クラウドファーストが当たり前となってきた。とはいえ、基幹システムやサービスの基盤を丸ごとクラウドに移行する企業は、まだまだ少ない。しかしながら、「2025年の崖」が危惧される今、従来のインフラに不安を感じるという企業が増えている。そこで、ミッションクリティカルなシステムのクラウド基盤として最適なサービスを、導入成功事例と共に紹介する。

いまひとつ進まない全社的なクラウド移行

 クラウドの利用が着実に進んでいる。総務省がまとめた「令和元年版情報通信白書」によると、部分的にクラウドを利用している企業は58.7%にのぼる。部分的な利用には、AI活用や新サービスの構築など先駆的な取り組みが多いと予想されるが、既存の基幹システムやサービス基盤としての活用にも期待がかかる。特に2018年に経済産業省が発表したレポートで言及された「2025年の崖」に対する課題感は多くの企業で共有され、既存のシステム基盤に不安を感じる企業のクラウド移行に対する期待は大きい。

 しかし、前述の調査で全社的にクラウドを利用している企業は、部分利用の約半分の33.1%に留まる。クラウドに移行できない理由として、多くの企業があげるのが、サービスレベルに満足できない、セキュリティが不安、運用管理に不満といった課題である。

 サービスレベルに関しては、システム毎に要件が異なり、例えば実験的なシステムならば仮に突然のサービス停止があったとしても大きな問題にはならないが、基幹システムで同様のことが起きてしまってはビジネスが止まってしまう。また、セキュリティのレベルを自社でコントロールできない不安やオンプレミスとクラウドが混在することで、かえって運用管理の負担が増えてしまうといった問題がある。その結果、一部の業務で使ってみたがそこから広がらない、メリットが得られずオンプレミスに戻すといったケースも少なくない。

 とはいえ、クラウド本来が持つインフラ管理からの解放、拡張性、コスト削減といったメリットは大きく、上手く活用することがビジネスの成長に寄与するはずだ。

適材適所のクラウド活用が重要

 そこで重要となるのが「バイモーダルIT」の考え方である。バイモーダルITとは、コスト削減や効率化を重視するSystem of Record(SoR)向けのITと、柔軟性や俊敏性が求められるSystem of Engagement(SoE)向けのITを使い分ける手法のこと。前者は守りのIT、後者は攻めのITとも言われ、この性質の異なるITシステムは、その基盤においても要件が異なるため、上手く使い分けることが重要だ。

クラウドサービスの適材適所で相乗効果(バイモーダル IT)

クラウドサービスの適材適所で相乗効果(バイモーダル IT)

 攻めのITはユーザー部門主導で探索的に行うことが多いため、安定性よりも先進的な機能が求められる。一方、守りのITは何より安定性や信頼性が重要。しかも、既に安定的に稼働しているシステムをクラウドに移行するため、どれだけ容易に移行できるかも重要となってくる。

 このような守りのITのクラウド基盤に最適なのがソフトバンクの「ホワイトクラウド ASPIRE(アスパイア)(以下、ASPIRE)」だ。SLAが99.999%という高い可用性を持ち、マシンスペックを自由に設定可能。VMware vSphere環境であれば、そのままクラウド環境に移行できるので、クラウドサービス各社特有の資格取得などスキルセットを新たに習得する必要がない。さらにキャリアが提供するだけに、ネットワーク設計も柔軟に対応できる。

ソフトバンクの独自クラウドサービス

ソフトバンクの独自クラウドサービス

 ASPIREはソフトバンク自身もサービス基盤として利用しており、その安定性・堅牢性は実証済みだ。

サービス基盤としてASPIREを採用し、
安定稼働や工数削減を実現

株式会社アシスト・ワン 常務取締役 中込 琢磨 氏

株式会社アシスト・ワン
常務取締役

中込 琢磨

 ここで、実際にASPIREを導入し成果を上げている企業の事例を紹介しよう。

 「ITのプロデューサー」として企業向けにWebアプリケーション、システム開発、インフラ・サーバー構築などを提供するアシスト・ワンは、サービスとして顧客に提供するシステム基盤の運用に苦労していた。まず、当時同社が提供するWebアプリケーションで利用していたVPS(バーチャル・プライベート・サーバー)は、物理サーバーの障害により度々サービスが停止していた。また、顧客のオンプレミスシステムの保守運用サービスでも、機器の故障以外に落雷による電源断やヒューマンエラーに起因するサーバー停止などが発生し、保守担当チームはその都度客先へ出向いて対応していた。

 2011年、ある顧客から300~400人の営業担当者がタブレットを使ってリアルタイムにアクセスする営業支援システムの開発を依頼された。顧客から指定された複数の国内クラウドベンダーを比較評価した中、ソフトバンクのASPIRE(当時の名称は、ホワイトクラウド VMware vCloud Datacenter Service:以下、vCDC)だけがメンテナンス時でもサービス停止をしない仕様であったため、仮想マシン(VM)を構築するインフラとしてASPIRE(vCDC)を採用した。

 ASPIREの導入によりインフラの安定性を実現、トラブルがほとんど起きないだけでなく、基盤運用も任せられるのでそこにかかる工数を大幅に削減した。アシスト・ワン 常務取締役 中込琢磨氏は、「システム停止がただちに売り上げに影響を及ぼすシビアな条件でしたので、このシステムでASPIREの安定性を実証できたのは、当社にとって大変貴重な体験でした」と語る。また、アシスト・ワン クラウドソリューション事業部 カスタマーソリューション 大野直樹氏は、「サーバー環境におけるトラブルが激減し、サーバーの検証、構築、運用などにも時間を取られなくなった分、より先進的なサービス開発に時間を使えるようになりました」と評価している。

株式会社アシスト・ワン クラウドソリューション事業部 カスタマーソリューション 大野 直樹 氏

株式会社アシスト・ワン
クラウドソリューション事業部
カスタマーソリューション

大野 直樹

 また、ASPIREは当時利用していた別のホスティングサービスとは違い、割り当てられたリソース(CPU、メモリ、ディスク)を自由に配分できるので、複数台の仮想マシン(VM)を柔軟かつ効率よく運用できるようになった。以降すべてのWebアプリケーションをASPIREで構築。同社の主力サービスである業務支援システム「Taskware」は、一貫してASPIRE上で稼働している。

 ASPIREはネットワークおよびサーバーの標準的な知識さえあれば問題なくシステム移行できる点も評価。海外クラウドサービスを利用するには、ベンダー固有の技術用語や固有コマンドを理解する必要があり、学習コストは無視できない負荷になる。既存の知識で素早くサーバー移行が可能になることも、アシスト・ワンがASPIREを使い続けるひとつの理由だ。

 基幹システムやサービスなど守りのITのインフラは、同じクラウドでも攻めのITとは異なる考え方で導入する必要がある。安定性や信頼性はもとより、技術者の扱いやすさも備えたASPIREは、守りのITのインフラとして必要な条件をすべて備えている。

 既存システムのインフラに不安があるなら、一度検討してみてはどうだろうか。

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ソフトバンク株式会社

ホワイトクラウド ASPIRE

URL ● https://www.softbank.jp/biz/cloud/iaas/aspire/