三好 Talendでは、どのような課題に向けたITソリューションを提供しているのでしょうか。
吉田 Talendは、2006年に設立され、業界初のOSS(Open Source Software)ベースのETL(Extract<抽出>、Transform<変換>、Load<書き出し>)ツールを提供している会社です。現在は、企業で扱うデータのマネジメントやガバナンスのソリューションだけでなく、自社運営する「Talend Cloud」と呼ぶクラウドサービスも提供しています。Talendのソリューションを採用している企業は、自動車業界から放送業界と幅広く、国内外を問わず多くの企業に使っていただいております。
三好 コロナ禍を契機に、製造業でもDXを推し進める機運が高まっています。DXに向けた情報基盤を導入・整備する際、データマネジメントに留意する必要があるという声を聞きますが、なぜデータマネジメントが重要になるのでしょうか。
吉田 データマネジメントとは、文字通りデータを管理することです。企業の中には様々な業務プロセスがあり、そのプロセスを支える仕組みとして従来のオンプレミスやクラウドに構築した情報基盤が使われてきました。近年では、BI(Business Intelligence)などの業務プロセスの支援ツールを利用する企業が増えています。しかし今は、これらツールの管理が複雑になり、可視化や扱うデータの意味の明確化が求められるようになりました。こうした要求に応えるべく行うのがデータマネジメントです。
三好 情報システムは、年々複雑さを増しています。本格的にDXを実践すれば、扱うデータが多様化し、その量も増大することでしょう。ますますデータマネジメントが難しくなるとともに、その重要性が増していきそうです。
吉田 そのとおりです。実際、私たちのデータマネジメント向けソリューションに対する問い合わせは確実に増えています(図1)。とくにコロナ禍で、お客様の業務がリモートで行われるようになり、データマネジメントのあり方に関心を寄せる企業が多くなっています。