ソリューション講演
テレワークが普及し、会議をはじめとするバーチャルなコミュニケーションの機会が急増している。このような環境において、ストレスの大きな原因になっているのが「音声」だ。在宅ワークや会議室のマイクなど音声に関わる機器を見直し、音声をクリアにするだけで、コミュニケーションは円滑になり、業務の生産性が向上する。約15年にわたり、世界的な音響機器メーカーで数々の会議室の音響作りに携わってきたシュア・ジャパンの大友氏が、バーチャルコミュニケーションの効率を上げる音声の在り方について語った。
シュア・ジャパン
インテグレーテッド・システムズ
ディレクター
大友 裕己 氏
シュア・ジャパンは、米イリノイ州ナイルズに本社を置く音響機器メーカー、シュアの日本法人だ。1925年の設立から95周年を迎える老舗であり、世界に120カ所以上の拠点を持つ。同社のマイクや音響機器は世界トップレベルの水準にあり、エルヴィス・プレスリーやビートルズのコンサート、キング牧師の歴史的なスピーチなど、数々の貴重な瞬間に立ち会ってきた。
しかし、「当社では、オリンピックやグラミー賞の華々しいステージも、企業内の会議における発言も、同じように大切な瞬間と考えています」と大友氏は言う。
昨年、米国に拠点を持つグローバル企業を含む音響映像機器のバイヤー(導入担当者)200人およびユーザー(利用者)201人に対して実施した同社の調査によれば、全ミーティングの7割がすでにバーチャル化しており、回答者の90%が「バーチャル会議が組織の成功に不可欠だ」と述べている。
コロナ禍以降、この傾向は世界中で加速した。日本でも、テレワークや在宅勤務が一般化し、オンライン会議が当たり前のように浸透しつつある。
問題は、調査に参加したユーザーの96%が「自身が参加したバーチャル会議に不満を感じた経験がある」と述べている点だ。その不満内容のトップ5は、「バックグラウンドノイズ」「接続の複雑さ」「エコー(山びこのように自分の声が返ってくる現象)」「音の途切れ」「よく聞こえない」だった。トップ5中の4つまでが、「音」に関する不満である。
「音声がうまく聞き取れないことの悪影響は、私たちの想像よりはるかに大きく、業務の生産性を下げる要因になっています」と大友氏は指摘する。
ここで、大友氏はオンライン会議の音響に関するいくつかのデモを動画で披露した。前半は在宅環境を想定したデモ、後半は主にオフィス環境を想定したデモだ。
在宅勤務のオンライン会議では、PC内蔵のマイクが使われることが多い。このマイクを外付けのマイクに切り替えるだけでも、音声はかなりクリアになる。キーボードを叩く音や紙の資料をめくるノイズも拾いにくくなり、聞き取りやすさが改善する。
一方、オフィス環境を想定したデモでは、まず一般的によく使われる卓上マイク(バウンダリーマイク)で音を聞いてみた。集音範囲が広く、反射を利用して集音する仕組みのため、音声と一緒に空調やプロジェクターのノイズも拾いやすく、音声の明瞭性が損なわれる場合がある。
そこで、近年最新のテクノロジーとして注目される天井設置型のシーリングアレイマイクを使用して音声を聞いてみた。
音声が格段にクリアになり、ノイズもほとんどない。マイクを天井に設置することで、テーブル上のスペースが広くなり、会話や会議に集中できる。また、ハンドマイクを他の参加者と共有して使うことがないため、コロナ対策としても有効だ。
自宅や会議室では、様々なノイズが発生している。音声の信号処理を適切に行わないと、話し手の音声の背後に、そうしたノイズが合算された「ザーッ」という音がどうしても入る。同社のノイズリダクション機能をオンにすると、このノイズが消えた。
また、オンライン会議のように、お互いがそれぞれの会議拠点でマイクとスピーカーを利用すると、発言が相手先のスピーカーで再生され、その音が再び相手先のマイクに拾われ戻ってきてしまうエコーという現象が起きる。同社のエコーキャンセル機能を利用して、エコーが見事に収まる様子が披露された。
「ノイズを消去する様々な技術があります。音声を聞き取りやすくすれば、無用なストレスが減ってコミュニケーションの効率が上がります。活発なコミュニケーションにより、“結果を出せる会議”が生まれます」と大友氏は説明した。
理想的な会議空間を作るには、どのようなアプローチが必要になるのだろうか。デモに続き、大友氏はその設計と選定のプロセスについて解説した。
会議室の設計プロジェクトは、ニーズ評価に始まる7つのステップからなる。
プロジェクトは、会議室のサイズや使用環境、利用方法などを総合的にアセスメントする「ニーズ評価」からスタートする。正しいニーズ評価をもとに、設計、入札 / 契約、構築、設置へ移る。6番目の検収では、引き渡した会議室をすぐに使えるように、顧客へのトレーニングも実施する。
プロバイダーを選定する際は、1番と7番の品質が重要だと大友氏は言う。「会議室を日々使用していくと、何かが動作しなくなるという事態がどうしても起こります。そんなとき、誰にコンタクトし、どう解決するか、クリアにしておく必要があります」(大友氏)
大友氏は約15年にわたって多数の会議室を構築し、会議の立ち会いを経験してきた。その経験を踏まえ、会議音声の改善には3つのメリットがあると述べる。またこの3つのポイントは、前出の調査結果においても会議音声改善の成果として最も期待されていた点だ。
1つ目は「生産性の向上」だ。音声が聞こえやすくなると意思の疎通が良くなり、コミュニケーションが活発化する。社員のコラボレーションが進めば、新たなアイデアや解決策が生まれやすくなる。
2つ目は「会議時間の短縮」だ。テレワークになって会議が増え、会議時間が長くなったという声をよく聞く。この問題は、音声をクリアにすることで解決する場合も多い。同じ内容を何度も聞き直したり、誤解による無駄な議論がなくなり、会議時間が短縮できる。
3つ目は「従業員エンゲージメントの向上」だ。音をクリアにすることで社員同士の意思疎通がしやすくなり、エンゲージメントが向上しやすくなる。
東京・神谷町に、同社のショールームがある。「予約制の無料コンサルティングも実施しています。ぜひご利用ください」と語りかけ、大友氏は講演を締めくくった。
基調講演
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