世界最大の専業ICファウンドリーTSMC、日本にデザインセンターを開設

世界最大の専業ICファウンドリーTSMCが、日本にデザインセンターを開設する。2019年11月には、東京大学とアライアンスを締結。今、TSMCはなぜ日本に関心を向けているのか。同社に20年以上勤務し、設計技術とエコシステム開発に携わってきた技術部門のVice PresidentであるDr. Houに、その背景と求めるエンジニアの役割をうかがった。

TSMCについて、改めて教えてください。

Dr. Cliff Hou Vice President, Research & Development / Technology Development

Dr. Cliff Hou
Vice President,
Research & Development /
Technology Development

当社は世界最大の専業ICファウンドリーです。これは、半導体業界のイノベーターがデザインした製品をリアルな製品として具現化し、また、相当な量の生産を担えるということを意味します。ロジックICにおいて、当社は世界最大の製造能力を備えていますので、みなさまが日頃お使いの電子機器内には、とても高い割合で当社が生産したチップが搭載されていることでしょう。

当社は最先端のテクノロジーカンパニーでもあります。7nmプロセスの量産化とEUVリソグラフィー技術を用いた商用生産に最初に成功したファウンドリーです。2020年には5nmプロセス技術を他社に先駆けて提供する計画です。当社のメンバーになったあかつきには、各分野のリーダーと共に、 最先端の半導体技術を研究し、最先端のデザインで弊社の主要な顧客をサポートしていただきます。

そして、当社はグローバル企業です。世界中の顧客にサービスを提供するだけでなく、上級管理職から新入社員まで、世界中から人材を求めています。台湾、米国、中国に製造ファブを有し、顧客サポートのためのオフィスを北米、日本、韓国、ヨーロッパ、中国に設置しています。

最も重要なことですが、当社は強固な価値観を持った会社です。中核となるコアバリュー(基本的価値観)が、誠実、コミットメント、イノベーション、顧客からの信頼であることを、社員の誰もが認識しています。これらのコアバリューを通じ、いかなる不正行為も許容しない誠実な会社であることを実感していただけるはずです。顧客、サプライヤー、社員、株主、社会からの信頼を得ることに対し深くコミットしています。

また、あらゆる分野における、革新とポジティブな変化をもたらす従業員の努力は必ず認識され、報われるものと確信しています。当社は、顧客の長期的な成功の一端を担うために、我々を信頼して下さる顧客と、緊密で永続的な関係を築くことに尽力しています。

なぜ、デザインエンジニアを求めているのでしょうか。

当社には、顧客と当社の製造技術を結ぶデザインテクノロジープラットフォーム(DTP)という組織があり、求めているデザインエンジニアはこの組織に属することになります。できるだけ容易に、またできるだけ当社の先端技術を活用できるようにすることがDTPの役割です。そのために、EDAツールの設計フロー、シリコン動作検証済みのライブラリー、顧客の設計をサポートするためのIPブロック、シミュレーション・検証キット、プロセスデザインキット(PDK)、テクノロジーファイルを提供しています。DTPのデザインチームは、当社の最先端プロセステクノロジーを使用し、世にないものをデザインする組織であると言えるかもしれません。

当社におけるDTPは、世界中に拠点を有する最も多様性に富んだ組織の1つでもあります。

台湾本社に加え、米国のサンノゼ、オースティン、サンディエゴ、カナダのオタワ、中国の南京と上海にデザインセンターがあります。世界中の顧客をサポートするために、世界中から優秀な人材を受け入れています。日本のデザインセンターでは、世界中の顧客をサポートするために、メモリーデザインとAPR/Physicalデザインのエンジニアおよびマネージャーを募集しています。

2019年11月、東京大学とアライアンス
5G、モバイル、AIが新しいチップ開発を後押し

日本にデザインセンターを開設した背景を教えてください。

日本企業は何十年にもわたり、エレクトロニクス業界を牽引してきました。優れた人材と革新的なアイデアを備え、グローバルな半導体サプライチェーンにおいて重要な地位を確立してきたのです。このような日本において、当社が20年以上にわたり業界に貢献できたことを誇りに思っています。

日本のパートナーとは緊密に連携するだけでなく、グローバルマーケットをサポートする

ために協業を拡大させています。日本の多様で繁栄する半導体エコシステムをサポートすると共に、これらのリソースを活用し世界中の顧客の利益につなげられればと考えています。2019年11月には、東京大学とアライアンスを締結しました。東京大学にあるシステムデザイン研究センター (d.lab)に当社のリソースを提供し、半導体システムに関する研究を共同で推進していきます。今回開設する日本のデザインセンターは、世界中のデザインセンターネットワークにおいて、非常に重要な役割を担うものと期待しています。

長期的なキャリアはいかがでしょうか。

将来に向けたさらなる発展のためには、強力なDTPチームが不可欠です。DTPチームの一員として、半導体とコンピューティングの未来を形作るための役割を果たしていただきたいと考えています。10~20年前であれば、比較的少数の企業のみが弊社の先端技術を求めていました。今日、身近にあるデバイスが、5GネットワークによってつながるモバイルコンピューティングとAIの隆興に伴い、コンピューティングパワーへの需要がかつてないほど高まっています。多国籍インターネット企業から小さなスタートアップ企業まで、世界中のイノベーターが設計する独自のチップを用い、AIが大量のデータを迅速に処理しすぐに正しい判断を下せるようになります。DTPチームの一員として、当社のプロセステクノロジーを活用し、こうした企業のチップデザインをサポートしていただきます。

高性能コンピューティング、モバイルコンピューティング、 IoT、および車載用半導体は、来たるべき時代の成長要素とみています。当社に加わり、共に新しい時代を作り出していきませんか。

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