特別トップインタビュー
激動をチャンスに変える2021年
Vicor

最適な電源システムの構築を支える
モジュール型ソリューション

先進的な電力供給ネットワークで
産業機器、クルマ、HPCなど
あらゆる業界の未来を拓く

Vicor
日本法人 代表取締役社長
米国本社 バイスプレジデント

堂園 雄羽

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大電流化、高効率化、小型化、低コスト化―――自動車やHPC、産業機器などの電源に対する要求レベルは高まる一方だ。こうした要求には、従来技術の延長では対処できない。新しい技術の採用が不可欠であり、それを実践する電源メーカーがVicorだ。同社日本法人代表取締役社長の堂園雄羽氏に2020年の事業状況と今後の展望などを聞いた。

2020年の事業状況を振り返ってください。

堂園 2019年のVicor全体の売上高は約3億米ドル、5年間で3倍にのばす目標を掲げています。日本法人としても、この計画の達成に向けて活動しており、2020年は、おかげさまで順調に推進しています。

どのような分野で、ビジネスを牽引してきたのでしょうか。

堂園 設立当初から当社のビジネスを牽引してきたのは、米国の産業機器、防衛、航空宇宙の分野であり、今後も継続的な成長の持続を見込んでいます。

 そして新たに、AI、データセンター、ハイ・パフォーマンス・コンピューティング(HPC)、通信機器などの市場の需要が増加しています。心臓部であるSoCやGPUなどの高性能化が急速に進んでおり、電源コンポーネントには低電圧大電流の電力供給への対応が求められています。この要求に応えられるのは当社の強みだと自負しています。既に、SoCやGPUを手掛ける多くの半導体メーカーと協業関係を構築しており、取り組みの成果は2021~2022年にかけて顕著に表れると見込んでいます。

 これらの需要増加に対応するため、米国の本社工場が増床され、2021年半ば目途に生産能力が拡充する予定です。さらに2022年以降に、第二工場も稼働を予定し、より安定した供給の確保を図ります。

貴社の強みは何ですか。

堂園 当社の強みは、高電力密度、高いレベルの性能、スケーラビリティー、フレキシビリティーを実現した電源モジュールを組み合わせて、お客様にとって最適な電力供給ネットワーク(PDN)を構築できることです。また、モジュール型ソリューションは、カスタマイズが容易であるため、柔軟な対応ができます。

その他に技術の特長はありますか。

堂園 技術の特長としては、革新的な配電アーキテクチャー、電力変換技術、制御システム、パッケージ技術という4つの中核技術を持っていることです。例えば高度なアーキテクチャーの一つに、FPA(Factorized Power Architecture)技術があります。この技術は、SoCやGPUから少し離れた場所でレギュレーション(電圧の安定化)をし、SoCやGPUの近くで必要とする低い電圧に変換します。このFPA技術により、既存の電源技術よりも高い変換効率と小型化を可能にします。

自動車の電動/電子化に向けた
車載向けソリューション

オートモーティブ分野に対する取り組みをお聞かせください。

堂園 2018年に「オートモーティブ事業部」が設立されてから3年が経過し、おかげさまで2023年量産に向けた製品開発が進んでいます。世界有数の自動車市場を持つ日本でも取り組みを強化しており、自動車メーカーや電装機器メーカーとパートナーシップ契約を締結し、協議や技術開発をスタートさせています。

自動車と一口に言っても、電源が使われる用途は多種多様です。ターゲットとする用途は何でしょうか。

堂園 EVチャージャーからの充電、高電圧バッテリーから48Vへの電力変換、48Vから様々な負荷に必要な電圧供給の3つの用途をターゲットとしています。

 電気自動車の充電ステーションは400V系と800V系があり、両方の充電ステーションに対応するには、これらの電圧間を容易に高効率で変換することが求められます。

 高電圧バッテリーから48Vバスへの変換においては、Vicorの双方向電力変換と応答性の高いモジュールにより、中間の48Vバッテリーをなくして、省スペース・軽量化ができます。

 近年、電動化・電子化が進んで電力需要が増大していることにより、48V給電負荷が増加しています。当社のモジュールを用いることにより、小型、軽量で高効率な車載給電ネットワークを構築できます。

自動車市場は多くの電源メーカーが注目しています。どのように差別化する考えですか。

堂園 車載事業だけに限りませんが、Vicorの電源アーキテクチャーを使えば、電源モジュールの小型化、他社と比べて10倍以上の高い電力密度を実現できます。当社のモジュールは並列接続が容易であるため、柔軟に電力容量の拡張ができるスケーラビリティーの高い給電ネットワークが実現できることも強みです。

日本市場では、どのようなビジネス拡大の戦略を立てていますか。

堂園 まずは、今後も高性能化が進むインダストリアル(産業機器)、ロボティクスやFA機器、半導体製造・検査装置などの市場でのプレゼンス強化に努めます。市場のニーズを捉まえ、お客様が抱える電源の課題を解決していくパートナーとしての価値を高めていきます。中期的には、日本市場でのポテンシャルが大きいHPC、自動車市場でのビジネス拡充を図ります。

電源ビジネスを展開する上で心掛けていることは何でしょうか。

堂園 Vicorのモジュール型電源を用いた電力供給ネットワークは、従来の電源ソリューションの限界を取り払うことが可能です。電源アーキテクチャーの概念を作り替えて、新しいマーケットトレンドを創出する。そういった志を持って、お客様の成長の一助を担う存在でいたいと考えます。

最後に一言、メッセージを。

堂園 当社の新しい製品やソリューションの強みを生かして、お客様と一緒に新しいイノベーションを共創していきたいと考えます。Vicorの製品・技術を使った電力供給ネットワークにより、お客様のニーズに対応する最適なソリューションを開発できます。お客様の要求を伺いながら、最適なソリューションを提案し、共に、実用化に取り組んでいくことが、イノベーションにつながると考えます。電力供給ネットワークを包括的にサポートする電源モジュールメーカーとして、お客様とさらなる進化を目指します。

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「高性能」、「スケーラビリティー」、「フレキシビリティー」、「扱いやすいモジュール」の
4つの特長で幅広いマーケットに応えるVicorの電力供給ネットワーク(PDN)

お問い合わせ

Vicor株式会社
〒141-0031 東京都品川区西五反田8-9-5 FORECAST五反田WEST 6F
TEL:03-5487-3016
URL:http://www.vicorpower.com/ja-jp/