オンプレとクラウドの「いいところ取り」 ハイブリッド構成で自治体の懸念を解消

自治体ではクラウド活用への関心が高まる一方、安全性などの懸念から導入に踏み切れないという声も聞かれる。こうした状況のなか、ヴイエムウェアでは自治体の協力のもと、VMwareソリューションによる仮想化基盤で構築・運用しているオンプレミスの業務アプリケーションを、パブリッククラウドに移行した際の動作や性能を検証する実証実験を実施。オンプレミスとクラウドの「いいところ取り」が可能なハイブリッドクラウドを提案する。

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政府では情報システムを整備する際に、クラウドサービスの利用を第一候補とする「クラウド・バイ・デフォルト」の基本方針が示され、自治体でも庁内システムのクラウド利用の適否を検討する時期にきている。しかし、クラウド利用はなかなか進まないのが実情だ。その理由について、ヴイエムウェアで自治体担当のSEを務める加藤英将氏は「パブリッククラウドに対する漠然とした懸念があるようです」と指摘する。

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ヴイエムウェア株式会社 ゼネラルビジネスSE本部 公共第三SE部 部長 加藤 英将

ヴイエムウェア株式会社 ゼネラルビジネスSE本部 公共第三SE部 部長 加藤 英将氏

例えば、(1)通信経路は安全なのか、(2)自分たちでは手の届かないクラウド上に重要データを置いても大丈夫なのか、(3)知らないところで情報資産がインターネットにつながっているのではなのか。これは、庁内のオンプレミス環境からクラウドに接続する際に聞かれる3つの主な懸念だという。

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1つの仮想化基盤として運用できる
「VMware Cloud on AWS」

こうした自治体の懸念を解消するには何が必要か。ヴイエムウェアでは、東京都港区の協力のもと、庁内のオンプレミス環境で構築・運用する業務アプリケーションをクラウドに移行する際の、動作や性能を検証する実証実験を実施している。同検証にはヴイエムウェア、港区のほか、アマゾン ウェブ サービス(AWS)、専用線を担当するColtテクノロジーサービスなどが参加した。

協力した港区では、庁内のLGWAN接続系セグメントにおいて、オンプレミスで業務アプリケーションを構築・運用している。その業務アプリケーションで利用しているサーバー仮想化のVMware vSphere、ネットワーク仮想化のVMware NSX、ストレージ仮想化のVMware vSANで構築された仮想化基盤をAWSのクラウド上のVMware Cloudに移行するというものだ。この検証では、すでにサービスを提供している「VMware Cloud on AWS」(VMC on AWS)を活用。

オンプレミスとクラウドではアーキテクチャが違うため、サーバーの移行は困難。VMCは互換性があるため、システムによってオンプレミスに置いたりクラウドに置いたり、またがったりと、柔軟な構成が可能。

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VMC on AWSの特長を「オンプレミスとクラウドを1つの仮想化基盤として運用でき、『双方のいいところ取りができる』ハイブリッドクラウド環境を実現します」とヴイエムウェアで自治体の営業を担当する邊川賢一氏は話す。

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ヴイエムウェア株式会社 ゼネラルビジネス営業本部 公共第二営業部長 (兼)公共第三営業部長 邊川 賢一

ヴイエムウェア株式会社 ゼネラルビジネス営業本部 公共第二営業部長(兼)公共第三営業部長 邊川 賢一氏

実証実験ではVMwareソリューションによる仮想化基盤で動作しているオンプレミスの業務アプリケーションをそのままクラウドの仮想環境に全面移行する際の動作を検証。さらに、データベースは庁内のオンプレミス環境に置き、アプリケーションサーバーをクラウドに置くハイブリッド構成での動作や性能について検証を行った。

庁内のオンプレミス環境とクラウドの接続はL2ネットワーク延伸により、アドレス体系の違いを吸収。「仮想マシンのIPアドレスを変更することなく、仮想マシンの切り替えが可能で、電源をONにすればすぐにシステムを利用できます。そして、L2の専用線やVPNで庁内とクラウドを接続することにより、通信経路に対する懸念を解消できます」と加藤氏は説明する。

また、L2延伸によって庁内とクラウドは同一のネットワークセグメントとして扱え、単一の仮想化基盤(ハイブリッド構成)で稼働できる。このため、自治体のIT担当者はオンプレミスの仮想環境で使い慣れたvCenterを用い、庁内のオンプレミスとハイブリッドの一元管理が行える利点がある。

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AWSマネージドサービスも利用可能
災害時や緊急時も迅速に対応できる利点

自治体ではクラウドサービスのなかでも、とりわけパブリッククラウドの利用に対してハードルが高いという。パブリッククラウドでは、サーバーやストレージなどのリソースを共有するサービスもあり、セキュリティが心配という声もよく聞かれる。しかし、VMC on AWSはAWSのクラウドを利用するが、自治体ごとの専用環境を用意し、他のユーザーと混在しない。検証ではアプリケーション処理はクラウド上の専用環境を利用する一方、データベースは庁内のオンプレミス環境をそのまま利用する構成についてもテストしている。

加藤氏は「重要なデータは庁外に出さなくてもクラウド利用が可能です。ハイブリッド構成により、手の届かないところに重要データを置いても大丈夫なのかといった懸念を解消します」と強調する。今回の実証実験で利用したAWS内の専用環境はインターネットから隔離されているので、「知らないところでサーバーとインターネットがつながっているのではないか」という懸念も解消可能だ。

VMC on AWSはパブリッククラウド利用時の懸念を解消することに加え、さまざまなメリットを提供する。AWSが提供するストレージやVDIなどのマネージドサービスの利用も可能だ。また、クラウド本来の優位性であるリソースの拡張・縮小が可能なため、災害時や緊急時の迅速な対応が行える利点もある。動作、性能の評価について、加藤氏は「ハイブリッド構成でも、ほとんど遅延なく大容量データベースアクセスが行え、良好な検証結果が得られました」と説明する。

そして、情報資産の重要度に応じて、(1)データを庁内に残したハイブリッド構成、(2)セキュリティポリシーに応じた多様な構成、(3)標準的なクラウド構成といったようにクラウド利用とセキュリティを両立させながら、自治体のニーズに応じた提案・導入が可能になるという。最後に邊川氏は「クラウド利用の検証を含め、全国の自治体の皆様からのご相談に寄り添い、ワークショップなど細かいところから一緒に検討しサポートします」と力強くメッセージを送った。

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■問い合わせ先 ヴイエムウェア株式会社 〒105-0013 東京都港区浜松町1-30-5 浜松町スクエア13F www.vmware.com/jp

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