提供:アクセンチュア

Special Interview

レガシーシステムからの脱却を果たした三菱重工 日本有数規模のモダナイゼーション成功のカギは「創造的破壊」

2000年代後半から自力でレガシーシステムからの脱却を進める中、最後の壁にぶつかっていた三菱重工業(以下、三菱重工)の相模原製作所は、どのようにしてその壁を乗り越えたのか。プロジェクトマネージャーを務めた三菱重工 ICTソリューション本部の菅佳紀氏、アクセンチュア テクノロジーコンサルティング本部の中野恭秀氏、岡本篤氏に話を聞いた。

拠点当たりの維持コストが上がったため早期の脱却が必要だった

写真:菅 佳紀 氏

三菱重工業株式会社
ICTソリューション本部 BPI部
ソフトウェア4グループ 2チーム
上席主任

菅 佳紀

三菱重工業入社以来、社内ITの企画や開発などに携わる。旧メインフレームからオープンシステムへのモダナイゼーションプロジェクトでは、プロジェクトリーダーとして中心的な役割を果たした。

――経済産業省のレポートにおける「2025年の崖」をはじめ、企業のDX推進の重要性が指摘される中、三菱重工の相模原製作所は、2021年2月にレガシーシステムから脱却し、オープンベースへの移行に成功されました。モダナイゼーションに当たり、どのような課題感をお持ちでしたか。

 COBOLのメインフレームを長年使う中で、老朽化・ブラックボックス化が進んでいるという課題がありました。とくに問題だったのが維持コストです。当時のメインフレームは三菱重工が一括契約をして、複数拠点が使うことでスケールメリットがあったのですが、他拠点での脱却が進み、相模原拠点としても早急に手を打つ必要がありました。

中野 今回のモダナイゼーションプロジェクトで、アクセンチュアにお声がかかったのは2017年の年末でしたが、それまでは自力でのリビルド(再構築)を進めていらっしゃいましたね。

 はい。2010年頃からシステムごとにリビルドを推進してきましたが、日々の業務との並行ではできない部分や、システム連携などの問題で複数のシステムが、最後の壁としてメインフレームに残っている状態でした。これらシステムを一括移行するため、リライト技術を採用することとし別ベンダーさんの支援を仰いでいたのですが、リライトに対する知見が少なく第三者視点で評価してもらおうということになり、アクセンチュアさんにお願いしたわけです。

写真:中野 恭秀 氏

アクセンチュア株式会社
テクノロジーコンサルティング本部
インテリジェントソフトウェア
エンジニアリングサービスグループ
アソシエイト・ディレクター

中野 恭秀

メーカー系SIerや複数ベンダーで約30年にわたり、メインフレームのオープン系プラットフォームへのリホスト業務などを経験。アクセンチュア入社後は、レガシーシステムのモダナイゼーションを数多く手掛ける。

――現行ベンダーの協力がありながら、アセスメントをアクセンチュアに依頼した理由は何でしょう。

 同じベンダーさん主導でレガシーシステム脱却を進めていた別拠点があったのですが、課題解決に向けて満足する提案をいただけなかったことが大きいですね。アクセンチュアさんにはそれ以前にも何度か案件をお願いしたことがあって、コンサルティングの確かさを実感していましたし、リライト業務もされていると聞いたので、これなら的確なアドバイスがいただけるかなという判断でした。

中野 2017年末から3カ月の契約で評価をさせていただきましたが、リライトに関する懸念として、日本語環境の処理に海外のツールを使っている点がありました。多くの会社のモダナイゼーションをお手伝いする中で、日本のレガシーシステムには、日本ならではの特徴や注意点があることが分かっていたので、このままでは移行がスムーズにいかないのではないかとお伝えしました。

 今回のプロジェクトで最も重要だったのは、変換とテストです。旧メインフレームとJavaに変換した後のシステムが同じ動きをしてくれるかどうかということですね。最終的にアクセンチュアさんにお願いすることになった決め手は、使用ツールや進め方なども含め、変換とテストに関して納得のいく提案をいただいたからです。