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AMD EPYC™ 導入事例:NTTデータ・フィナンシャルコア

サーバー向け高性能プロセッサーの新基準

高まるキャッシュレス需要に
決済システムの低コスト化で応える

新たな決済システム開発に必要な
相反する3つの要件

 新たな決済システムの開発に当たっては、大きく3つの要件が課せられたとNTTデータ・フィナンシャルコアの吉澤稔氏は説明する。「まず、24時間止まらない高い可用性が求められました。また最大の目的であるトランザクション性能を、従来システムの数倍にまで高める必要がありました。さらに、加盟店が決済サービスを安価に利用できるように、システムの構築コストおよび運用コストをできるだけ抑えることが求められました」。

 可用性はサーバーの冗長化やデータセンターの分散化などで対応できる。それよりも大きな課題は、性能を高めつつコストを抑えるという相反する要件をいかに満たすかだった。数年に及ぶ検討や実機検証を経て、その信頼性を見込んで選択したのが、第2世代AMD EPYC™ プロセッサー(コードネーム「Rome」)を搭載したシングルソケットのサーバーだった。

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第2世代AMD EPYC™ プロセッサー

 「採用の理由は大きく2つです。ハイパーバイザー上で小規模なVMやコンテナを多数扱う当社のインフラアーキテクチャーと、EPYC™のマルチダイアーキテクチャーの相性がとてもマッチしており、シングルソケット構成にしても従来のデュアルソケット構成と同等の集約率が得られる見込みがありました。そしてその結果、サーバー構成がシンプルになり、かつソケット数に応じて設定されているサーバー向けソフトウエアのライセンス料を大幅に抑えられると考えたからです」(吉澤氏)

AMD EPYC™のロードマップ

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「Rome」は、AMDのEPYC™ プロセッサーとして第2世代に当たる。14nmプロセスのI/Oダイの周囲に7nmプロセスのCPUダイを複数配置するチップレット・アーキテクチャーを採用し、DDR4やPCIeなどのI/O系と、L2キャッシュおよびL3キャッシュを含むCPU系でそれぞれ最適化を図ることで高性能化を実現。製品は8コアから64コアまでラインアップされている。なお2021年3月にはZen 3アーキテクチャーに基づく第3世代AMD EPYC™ プロセッサー(コードネーム「Milan」)が発表された。CPUコアの動作周波数が最大200MHz高められていている。

従来比7倍の
トランザクション量にも対応

 電子マネー決済システムは、店舗とのインターフェースとなるWebサーバー、決済処理などを行うアプリケーション(AP)サーバー、および決済情報を格納するデータベース(DB)サーバーの3-tier(3層)で構成される。

小売店舗向け電子マネー決済システムの構成概要

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 このうち、WebサーバーとAPサーバーは、32コアの第2世代AMD EPYC™ プロセッサーを搭載したシングルソケットサーバーを複数台並べて、ハイパーバイザーを使って構築した仮想マシン上に実装している。「ハイパーバイザーのライセンス料はプロセッサー数に応じます。そのためシングルソケットプロセッサーなら、他社のデュアルソケットプロセッサーに比べて、単純に半額に抑えることができました」と吉澤氏は説明する。

 性能面では2020年のトランザクション量のおよそ3.5倍を処理できるように設計された。将来トランザクション量が増加したときは、物理サーバーを増設して全体の仮想マシン数を増やして対応する計画だ。

 一方のDBサーバーには、8コアの第2世代AMD EPYC™ プロセッサーを搭載したシングルソケットサーバーを採用。性能の主なボトルネックはI/Oにあるため、コア数は最小の8にしてデータベースのライセンス料を抑えようという構えだ。

 DBサーバー部分は2020年のトランザクション量に対しておよそ7倍の性能余裕を持たせてあり、WebサーバーおよびAPサーバーのスケーラビリティーと合わせて、今後数年にわたって見込まれる電子マネーの利用増加や加盟店数の増加にも対応できる処理性能を実現しようとしている。

 「まず、AMD EPYC™ プロセッサーを、システムを構成する上での信頼できる有力な選択肢として並べることで、おのずとメリットが具体化して見えてくるはずです。とくにシングルソケットによって、システムライフ全体のTCO(総所有コスト)の削減が実現できることは、当社にとってのメリットだけではなく、お客様やひいてはキャッシュレス社会への貢献に繋がると考えています。当社ではこのようなハードウエア・インフラ設計も含めたソリューション事業を積極的に拡大しようと計画しており、より良い物を低コストで皆さまへご提供していくために、AMD EPYC™ プロセッサーは今後も非常に有力な選択肢になっていくと考えています」と吉澤氏は述べている。

 電子マネーは今や生活インフラの一部を構成している。AMDは、高性能なサーバー向けプロセッサーの提供を通じて、IT化社会の一翼を担っていく。

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