第一生命保険株式会社 Azure Stack HCI採用事例 オンプレミスのシステム基盤はレディメイドの時代へ! ビジネスのニーズに自在かつスピーディに応える

オーダーして数週間後に製品が届く。ファッションや食品の世界ではなく、オンプレミスにおけるシステム基盤の最新トレンドだ。従来のように、システム構築に1年近くを要していてはビジネスのスピードに追随できない。「お客さま本位 (お客さま第一)」を経営理念に据え、時代に合わせて自ら変革に挑戦し続ける第一生命。事業を支えるオープン系サーバー基盤では、お客さまの情報資産を守ることと安定したITサービスの提供を実現しながら、先進のIT技術を積極的に活用し変革に取り組んできた。同社が次世代基盤として採用したのが、デル・テクノロジーズが提案したAzure Stack HCIだ。要件を伝えると、要件に合った事前検証済みの状態で納品される革新的HCIソリューションは、まさにレディメイド感覚だ。プロジェクトをリードした第一生命のキーマンに導入の経緯やポイントをお聞きし、“今後のあるべきITインフラの姿”に迫る。

創業時から脈々と受け継がれる
「最良の追求」と「変革の精神」

戦前から戦後の復興、高度成長、長期低迷、少子高齢化など、常に変化と向き合い、お客さまの「一生涯のパートナー」であり続けることに、果敢に挑戦し続けてきた第一生命。同社の原動力となっているのが、創業時から続く「最良の追求」と「変革の精神」だ。経営理念「お客さま本位(お客さま第一)」を実現するために、必要なことは真っ先に取り組み、自らの事業のかたちや手段を大胆に変えることも厭わない。最良を追求する変革の精神は、同社のIT部門にも脈々と受け継がれている。

第一生命ホールディングス株式会社
第一生命保険株式会社
ITビジネスプロセス企画部
フェロー 太田 俊規 氏

第一生命 ITビジネスプロセス企画部 フェロー 太田俊規氏は、「IT活用の取り組みでは、変わらないもの、変わるべきものをしっかりと考えることを大切にしています。お客様との信頼関係やご契約は守らなければなりません。一方で、社内ユーザーや、その先のお客様に対し最適なコストで最良のサービスを提供するために必要なことには、躊躇わずにチャレンジしています」と語る。

同社の事業を支えるオープン系サーバー基盤においても、いち早く先進技術を導入し変革に挑戦し続けている。不変的なテーマである「お客さまの情報資産を守ることと安定したITサービスの提供」を実現しつつ、いかにコストや人材などリソースの最適化を図っていくか。その歴史は、Windows Server を標準アーキテクチャーとし、メンテナンス効率の向上やノウハウの共有化の実現に取り組んだ第1世代のサーバー基盤(Windows Server 2003、2005年稼働)まで遡る。

第一生命は先進技術をいち早く活用し、ITインフラの変革に挑戦し続ける
第一生命ホールディングス株式会社
第一生命保険株式会社
ITビジネスプロセス企画部 IT運用管理課
ラインマネジャー 吉留 栄太 氏

第2世代のサーバー基盤(Windows Server 2008、2010年稼働)では、仮想化技術を採用し、サーバー台数を集約。第3世代のサーバー基盤(Windows Server 2012、2014年稼働)では、「ALL IN ONE」ラックによりプライベートクラウドを構築し設置コストを抑制。第4世代前期のサーバー基盤(Windows Server 2016、2018年稼働)では、
Windows Server 2016 に新たに追加されたSDS(Software-Defined Storage、ソフトウェア定義ストレージ)技術のS2D(Storage Space Direct、記憶域スペース ダイレクト)を利用し、ストレージ運用の内製化を目指した。しかし、共有ストレージ不要でクラスターを構成できるS2Dは一部しか適用できなかったと、同社 ITビジネスプロセス企画部 IT運用管理課 ラインマネジャー 吉留栄太氏は振り返る。

バックアップ問題を解決したデル・テクノロジーズの
Azure Stack HCI構成を採用

第4世代前期のサーバー基盤でS2Dが一部適用にとどまった理由について吉留氏は言及する。「大量データを扱うシステムの夜間バックアップが共有ストレージの構成よりも時間がかかり、決められた時間内に終わらないケースがありました。パフォーマンスの最適化を図るために、マイクロソフトとハードウェアメーカーに調整を依頼し、様々なパターンを検証し苦労して完成に漕ぎ着けました。しかし、バックアップ問題の解決には至りませんでした」

同社は、S2Dの全面適用に向けて、当時別の案件で同社を訪れていたデル・テクノロジーズに相談した。デル・テクノロジーズからは、ハードウェアベンダーがS2Dの最適な動作を保証した検証済みソリューションである Azure Stack HCI の提案があったという。「ベンダーが事前検証を行い、最適化された状態で納品されるという点に、まず関心を持ちました。第4世代前期のサーバー基盤ではチューニングやテストなど最適化の実現に非常に苦労したからです。また、グローバルにおけるマイクロソフトとの強固なアライアンスのもと、デル・テクノロジーズが Azure Stack HCI で世界トップシェアの豊富な導入実績を有しており、圧倒的なラインナップ数を誇っていることも評価しました」(太田氏)

懸案だったバックアップ問題についてもデル・テクノロジーズから解決策が示されたという。HCIは複数サーバーのディスクを1つの大きなディスクに見せる仕組みだ。そのため、同じ筐体内の別領域にバックアップすると、ハードウェアの仕様で書き込みに時間がかかり、IOPSの低下を招く構造的要因を内包している。デル・テクノロジーズの提案は、筐体内のバックアップではなくデル・テクノロジーズのバックアップ専用ストレージDell EMC PowerProtect DD6900を利用することで、大量データのバックアップ問題を解決するというものだ。また、PowerProtect DDは独自のアルゴリズム(特許技術)により圧倒的な重複排除率を誇っており、これまで以上の世代バックアップが可能となる。

書き込み性能に優れ、高い重複排除率を誇るバックアップ専用ストレージを活用することで
バックアップのパフォーマンス問題を払拭

Azure Stack HCI の導入ではサポート面も重視したと吉留氏は付け加える。「システム障害発生時に、ハードウェアかソフトウェアか、原因の切り分けを行うのは大変です。デル・テクノロジーズは、OSを自社から購入しなくてもAzure Stack HCI に関してハードウェアとOSのワンストップサポートを提供しています。窓口の一本化は、障害発生時の迅速な対応を可能にします。またAzure Stack HCI では、ディスクのファームウェアバージョンが不統一の場合マイクロソフトのサポート対象外となります。デル・テクノロジーズは、Azure Stack HCI において動作保証をされたファームウェアバージョンのディスクを準備しており、ディスク故障時も安心です」

ハードウェアもOSもデル・テクノロジーズによるワンストップサポートで大きな安心を提供

同社は、導入実績、ラインナップ、サポートなど総合的な観点からデル・テクノロジーズの採用を決断した。「当社の“困り事”を解決する姿勢や提案力を高く評価しました。サーバーは当社の基幹業務を担うことから、信頼できるパートナーと一緒に取り組んでいきたいという当社の思いに、デル・テクノロジーズなら応えてくれると確信できた点が大きなポイントとなりました」

オンプレミスのシステム基盤は
レディメイドの時代へ

同社は構築の前に、デル・テクノロジーズのカスタマーソリューションセンターで擬似データを使ってAzure Stack HCI のバックアップ性能検証を実施した。「性能検証で4万8000 IOPS/サーバーを達成し、第4世代前期のサーバー基盤よりもパフォーマンスの向上が図れることがわかりました。また、デル・テクノロジーズの提案によりバックアップ問題が解決できることも確認しました」と太田氏は話す。

性能検証後、同社は構築ステップに入った。構築期間が Windows Server 2019 の新機能の検討も含め、わずか二ケ月で終了したことに吉留氏は驚きを隠さない。「短期間構築とともに当社に負荷がほとんどかからなかったことも、新しい体験でした。当社の主な作業は性能検証のためにデータを用意し、検証に立ち合うことでした。Azure Stack HCI 上で動くアプリケーションの構成・展開、運用の標準化など本来業務に集中できた点も大きなメリットです」

これまでのシステム構築の概念とは全く異なっていたと太田氏は話す。「当社からデル・テクノロジーズに性能要件などを伝えてオーダーすると、数週間後には最適化された事前検証済みの Azure Stack HCI が納品されました。当社で調査やテスト、設計、チューニングなどの作業を一切することなく、動かしてみると本当に求めていたパフォーマンスが出たので驚きました。オンプレミスのシステム基盤はレディメイドの時代へ、システムの構築方法としては“理想の姿”だと思います」

今後、保守サポート終了に合わせて
標準化されたクラスターを追加

Azure Stack HCI を導入する第4世代後期のサーバー基盤群は、デル・テクノロジーズと、第一生命の有力パートナーである日立システムズが共同で構築しており、2021年3月の本稼働を目指し順調に作業が進行中だ。また、Azure Stack HCI の導入時期には、Azure を利用したクラウド基盤「ホームクラウド」の構築も行われた。2020年6月に本稼働したホームクラウドには3つの役割があるという。1つ目は、外部サービスと安全・簡単に接続するための機能と他クラウドとの中継機能。2つ目は、データサイエンティストによる大量データ分析などクラウドのパワーを活かした処理の実行。3つ目は、Azure Stack HCI とのシームレスな連携による“適材適所”の実現。同社におけるシステム基盤のあり方を大きく変革する“適材適所”について太田氏は説明する。

「オンプレミスか、クラウドか、システムを動かす場所の観点ではなく、システムの機能要件や性能、運用時間、周辺システムとの連携、コスト、最新技術の活用など、業務やシステムの特性に合わせてまさに“適材適所”で利用していきます」

“適材適所”を実現するためには、オンプレミスにもクラウドと同等の提供スピードが求められる。その“カギ”となるのがレディメイドだ。同社における Azure Stack HCI は、Dell EMC PowerEdgeサーバーをベースにした「AX-740XD」9台で1セットのクラスターが標準モデルとなる。デル・テクノロジーズは自社ブランドのスィッチDell EMC PowerSwitchも含めて事前検証しており、1台単位(最大16台)での拡張が可能だ。同社は、現行システムの保守サポート終了のタイミングで標準化された Azure Stack HCI のクラスターに入れ替え、最終的にすべて Azure Stack HCI による基盤に刷新する。また、標準化が基本ではあるが、ニーズに応じて異なる性能を持つモデルを選択できる点もデル・テクノロジーズの強みだ。インテルの新型メモリー Optane などの最新ハードウェア技術を採用したサーバーで構成されるクラスターを追加することで、高いパフォーマンスを必要とする業務ニーズにも迅速かつ柔軟に対応できる。

今後の展望について太田氏はこう話す。「当社におけるオープン系サーバー基盤の変革において、標準化は重要なテーマでした。新しいハードウェアを組み合わせたことによる性能低下や障害発生などのリスクを最小化するためです。第4世代後期のサーバー基盤は、構成的には前期と余り変わっていないのですが、『Azure Stack HCI によるレディメイドでシステム基盤の標準化を実現した』という大きな変革がありました。業務部門からの要請に対し、障害などを恐れることなく(ラインナップを)自由に組み合わせてスピーディに対応できることで、ビジネスへの貢献度は一層高まります。今後も、デル・テクノロジーズにはオンプレミスにおけるシステム基盤の安定稼働やスムーズな拡張の支援はもとより、現在から将来に向けて当社の課題を解決していくために、最新情報の提供や先進技術を活用した提案を期待しています」

DX時代が進展する中、ITインフラの「最良」を目指す第一生命の「変革への挑戦」は続く。

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デル・テクノロジーズ株式会社

https://www.delltechnologies.com/ja-jp/cloud/solutions/microsoft-azure-stack.htm