HTM株式会社 Azure Stack HCI 採用事例 顧客ニーズへの対応に向けAzure Stack HCIへ移行 「処理速度の改善」と「運用管理の負荷削減」を実現

日本でビジネスを展開する外資系企業に対し、トータルバックオフィス業務を提供しているHTM。同社では顧客の要望に対応するため、IT基盤をAzure Stack HCIへと移行している。採用の決め手になったのは、シンプルな構成で高い拡張性を確保できること。これによって処理速度を飛躍的に高めるとともに、システム開発の柔軟性向上にも成功しているのだ。また運用管理負担も大幅に低減。テレワークによる新規システム開発も容易になったという。

処理速度と俊敏性に限界を
感じていた既存IT基盤

ITを戦略的に活用することで、顧客のニーズに対応していく。これは現代社会を生き残ろうとする企業にとって、欠かせない取り組みだといえるだろう。そのために全社システム基盤を刷新したのが、HTMだ。

同社は日本でビジネスを展開する外資系企業に対し、トータルバックオフィス業務を提供する企業。顧客は200社以上に上り、その中には新たに日本へ進出した企業から、よく知られた大規模な多国籍企業まで、多様な企業が含まれている。具体的なサービス内容も、会計や給与計算、人事、経費管理、ビジネスコンサルティング、法務、発注処理、在庫管理など多岐にわたる。

HTM株式会社
ITインフラストラクチャー
チームマネージャー
クー・ミッシェル氏

「お客様によってニーズの異なるこれらのサービスを提供するためには、数千もの詳細なタスクを組み合わせたプロセス、カスタマイズ可能なシステム、そしてバイリンガルで多彩なスキルを持つ従業員が必要となります」と語るのは、HTMでITインフラストラクチャーのチームマネージャーを務めるクー・ミッシェル氏だ。

その中でもITシステムは必要な情報を整理・管理する存在であり、従業員が効率的に作業を進める上で欠かせないものだという。「例えばお客様に提供するカスタムレポートを作成するためのシステムはすべて内製しています。当社は単なるバックオフィスのアウトソーシング会社ではなく、お客様がビジネスを行う上で活用できる情報を、管理し提供する会社なのです」(ミッシェル氏)。

そのシステム基盤として、以前は13台の物理サーバーを使用していた。しかし老朽化が進んだ結果、パフォーマンスや俊敏性の限界を感じるようになったと振り返る。

「例えばデータバックアップは毎回8時間かかっており、日次でのバックアップが難しくなっていました。また、社内の効率化につながる新しいシステムを開発する場合でも、十分なスピード感で実施することが困難でした」(ミッシェル氏)

シンプルで拡張性の高い
Azure Stack HCI を採用

この問題を解決するためにHTMが導入したのが、 Azure Stack HCI である。これは、クラウドサービスであるMicrosoft Azure のメリットを、オンプレミスでも享受できるようにしたHCI製品。その物理的な構成における最大の特徴は、各ノードが内蔵するストレージをクラスター化してソフトウエア定義のストレージプールをつくり、その上で冗長化された共有ボリュームを作成する点にある。つまり、仮想化されたサーバーと共有ストレージ、それらをつなぐSANスイッチといった3層アーキテクチャではなく、ストレージを内蔵したサーバー(ノード)をネットワークで接続するだけで、共有ストレージが実現できるのだ。そのためハードウエア構成は極めてシンプルになり、スケールアウトも容易になる。

プライマリーサイトは3ノードで構成される他、データバックアップ用のノードも用意されている。2021年3月までには別のデータセンターにも サーバーを設置し、データレプリケーションによるDRを強化する計画だ
HTM株式会社
ITサポート
ボーラ・イヴァン氏

「既存サーバーの保守期間終了が迫っていた2019年1月にサーバーリプレースの検討を開始したのですが、当初はHCIを導入するつもりはありませんでした」と語るのは同社でITサポートを務める、イヴァン氏。HCIについての知識もその当時はあまりなかったという。

「このとき以前からお付き合いのあったデル・テクノロジーズの方に、サーバーの最新状況を教えてもらいました。その話の中に出てきた Azure Stack HCI が、有力な選択肢だと感じたのです」

その理由は大きく2つあった。1つはスケーラブルな仮想環境を、高価なSANスイッチを導入せずに実現できること。もう1つは、HTMではそれまで Windows Server だけを使っており、 Azure Stack HCI なら既存システムの移行先として、親和性が高いと判断したことだ。慎重に検討を進めた結果、2019年8月に、「Dell EMC Solutions for Azure Stack HCI」を導入することを決断した。

「ほかのベンダーとも話をしていましたが、デル・テクノロジーズの提案は非常に分かりやすく、システム構成もシンプルで拡張性に富んでいました。またこれまでのお付き合いの中で、デル・テクノロジーズならコミュニケーションが行いやすく、充実したサポートが得られることも分かっていました。そのため事業にとって重要な基盤を整備するのであれば、デル・テクノロジーズにお願いしたいと考えたのです」(イヴァン氏)

大幅に短縮した処理時間、
開発の柔軟性も向上

発注から2週間程度でサーバーが納品され、2019年9月には環境構築の作業に着手。デル・テクノロジーズがサーバーの設置と設定を行った上で、既存サーバーからの移行がスタートする。「この間のスピード感は、期待したとおり素晴らしいものでした」とイヴァン氏は振り返る。その後は、保守期間が切れたサーバーから順次、じっくりと時間をかけて移行が進められていった。2020年12月にはすべて3ノード構成の Azure Stack HCI へと集約されている。

「これによってパフォーマンスは格段に向上しました。例えばデータバックアップに要する時間は8時間から20~30分へと、実に20倍のスピードが実現されています。以前から毎日行っていましたが、バックアップの回数を増やすことが出来ました。またサーバー起動時間も3分から15秒へと短縮されています」とミッシェル氏は満足感を示す。

HTMのオフィス内に設置された Azure Stack HCI
わずか3ノードに、合計10台分のサーバーが集約。バックアップ用サーバーを含めても、設置スペースはかなりコンパクトだ

ユーザーからの評価も高い。レポート作成のリクエストが来た場合でも、スムーズに対応できるようになったからだ。このように Azure Stack HCI への移行は、HTMのビジネスにも飛躍的なスピード感をもたらすことになった。しかしそれ以上に重要なのは、柔軟性が高まった点にあるとミッシェル氏は指摘する。

「新しいサービスを提供するためにシステム開発を行う場合、以前はサーバー調達にかなりの時間がかかっていました。しかし今では30分もあれば、新しい仮想マシンを立ち上げられます。来週から新しいサービスを提供したいという要望にも、問題なく対応できる柔軟性を獲得できたのです」

その一方で、既に不要になったサービスのためのシステムを、撤収することも容易になった。不要な仮想マシンを落とし、そのリソースを解放するだけでいいからだ。

iDRACで運用負担も軽減、
今後はDRの改善も

HTMでは Azure Stack HCI への移行を機に、デル・テクノロジーズが提供するサーバーのリモート管理ツールの「iDRAC(integrated Dell Remote Access Controller): アイドラック」の利用も開始。これは運用管理負担の軽減に大きな貢献を果たしている。iDRACを使うことで、サーバーがある場所まで足を運ぶことなく、在宅でも運用管理が行えるからだ。現在のHTMでは出社とテレワークが半々となっているが、開発用の仮想マシン立ち上げやリソース割当などを、自宅でも問題なく実施できるという。

「ハードウエア障害が発生した場合でも、iDRACがあれば簡単に対応できます。iDRACから私のところにメールが届くので、そこからログを取ってデル・テクノロジーズのサポートに連絡するだけで、4時間以内に交換してもらえるからです。また Azure Stack HCI は冗長化されているため、ハード障害が発生してもシステムが停止することはありません。サービスを継続したまま修理が行えます」(イヴァン氏)

同社では今後はDR構成にも利用することで、BCPのさらなる強化を図る予定だ。具体的にはプライマリーの Azure Stack HCI はオフィス内に設置したまま、2021年3月までには離れた場所にあるデータセンターにサーバーを設置し、データのレプリケーションを行う計画だという。これによってオフィスが被災した場合でも、仮想マシンをバックアップサイトで動かすことで、業務を継続できるようになる。

「今回の移行によって、スムーズに開発やカスタムが行えるインフラが整いました。今後もどんどん新しいシステムを開発し、パートナーとしてお客様のビジネスに貢献し続けたいと考えています」とミッシェル氏は最後に語った。

お問い合わせ

デル・テクノロジーズ株式会社

https://www.delltechnologies.com/ja-jp/cloud/solutions/microsoft-azure-stack.htm

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