株式会社ECC リモートデスクトップ基盤・刷新事例 老朽化したリモートデスクトップ基盤を刷新営業担当者の三密回避や在宅勤務の拡大に貢献

英会話を中心とした総合教育・生涯学習機関として知られるECCは、サーバーと端末の老朽化を契機に、リモートデスクトップ基盤の刷新を決断。PowerEdgeサーバー、PowerVault ME4ストレージ、VMware vSphere、Latitude PCなど、デル・テクノロジーズのソリューションによる新システムへ移行した。基盤性能と400台ものクライアントの自由度を高めることで、コロナ禍における三密回避や在宅勤務の拡大にも貢献している。

約400人の営業社員が利用する
リモートデスクトップ環境が老朽化

ECC外語学院、ECCジュニアなどの語学教育で知られるECC。同社は1962年の創設以来、半世紀以上にわたって英会話教育を軸に多様な教育のあり方を探究し、幅広い年代層を対象とした総合教育・生涯教育機関として発展を続けてきた。

近年はビジネスのグローバル化に対応し、ビジネスパーソン向けの語学研修やオンラインレッスンを拡充。英語学習の低年齢化に対応したジュニアレッスン、Webを通じた英数個別指導塾、オンライン留学、老後の楽しみをサポートするシニアクラスなど、時代のニーズに合わせた「全世代グローバル化」への対応を進めている。

「ECCグループは『語学教育をもって世界平和に貢献する』という基本理念を掲げ、語学教育にとどまらない様々な学習機会の提供に努めてきました。言葉を身につけ、教養を備え、様々な学びを通じて世界と『わかりあえる』人を育てることがECCの使命です」と、ECCの情報システム部 マネジャー 田島 三貴子氏は話す。

株式会社ECC
サポート本部 情報システム部 マネジャー
田島 三貴子氏

ECCのジュニア事業部と法人渉外事業部では、本部および全国の拠点に在籍する約400人の営業系社員が、リモートデスクトップ環境を利用して日々の業務を行っている。

「営業は、フランチャイズ先の先生や生徒の個人情報も取り扱うため、端末セキュリティの強化を図るために10年以上前からリモートデスクトップを導入しています。最初は物理的なリモートデスクトップサービスのサーバーを増設しながら運用していましたが、2014年からVMware vSphereによる仮想化環境へ移行し、アクセス方式をWindows Server リモートデスクトップサービス(RDS)に切り替えました」(田島氏)

仮想化基盤を活用したリモートデスクトップサービスは、大きくRDS(Remote Desktop Services)とVDI(Virtual Desktop Infrastructure)の2つの方式に分けられる。RDSはサーバー上で動作する仮想マシン(VM)をユーザーが共有する方式。一方のVDIはユーザーごとに個別のVMを構築する方式だ。

RDSは、Microsoftが提供するリモートアクセスの1つ。独自の画面転送プロトコルを使用することで、Windows Serverに対してリモートアクセスするセッションベースの仮想デスクトップを提供。仮想デスクトップの個別カスタマイズはできないが、ユーザーごとにVMを構築するVDIに比べ、既存環境からの移行性が高く、コストパフォーマンスに優れている点が特長だ。

在宅勤務やWeb会議への対応を見据え、
RDS環境を刷新

2014年のサーバー更改の際、当初から活用していたゼロクライアントはRDSへの変更後もそのまま流用された。しかし、それから5年以上が経過し、RDSサーバーやバックアップサーバーも含め、OSのサポート終了時期が迫っており、また、ハードウエアの老朽化が進んだことから、「2020年に入り、改めてサーバーとクライアントも含めた基盤全体の更改を検討することになりました」と同社の情報システム部にてリーダーを務める三原 直哉氏は語る。

株式会社ECC
サポート本部 情報システム部 リーダー
三原 直哉氏

情報システム部では、端末の運用や操作性を変えることでユーザーに負担をかけないことを念頭に、安定稼働していたRDSとVMwareの構成はそのまま継続。全国の営業拠点やユーザー数が増えてきたことから、今後の拡張を見越し、サーバー/クライアントの可用性とパフォーマンスを向上させる方針を決めた。

「この機会にRDSからVDIへ移行することも検討しました。しかし全国の営業拠点で行っている業務はほぼ一律で、アプリケーションも同じであるため、既存環境を踏襲することにしました。一方、シンクライアントは10年以上も前のモデルでしたので、そもそもCDやDVDなどの媒体をローカルで読み込むことができません。VOD(Video On Demand)教材やホームティーチャー用の教育コンテンツなど、動画/マルチメディア系の再生は別途、タブレットやポータブルプレイヤーを使わなければならず、営業現場に負担をかけていたのです。また、インフラ更改の検討を開始したタイミングで新型コロナウイルス感染症が拡大し始め、在宅勤務やWeb会議への対応が急がれる状況になってきました。そこで経営層の判断もあり、クライアントについてはカメラやマイク機能を備え、可搬性の高いノートPCに切り替えることにしました」(三原氏)

新たなリモートデスクトップ基盤を
デル・テクノロジーズの技術で集約

次世代インフラの選定に際しては、性能、信頼性、拡張性、サポートなど、あらゆる要素において高いレベルの要求が課せられた。様々なベンダーの提案内容を検討した結果、新たなビジネスパートナーに選ばれたのがデル・テクノロジーズだ。採用の決め手を三原氏は次のように語る。

「デル・テクノロジーズは、サーバーだけでなくクライアントPC、VMware、バックアップやセキュリティ関連のソリューションも含め、幅広いITリソースを自社で持っており、ワンストップでサポートしていただける点が魅力的でした。以前のシステムはベンダーがバラバラで、何か障害が起こった際も仮想化基盤に問題があるのか、ハードウエアの問題なのかの切り分けが難しく、それぞれに問い合わせをしないと解決しないケースがありました。これが我々にとって非常に大きな負担になっていたのです」

デル・テクノロジーズは顧客サポートに力を注いでおり、国内のカスタマーセンターから24時間/365日のサポートを提供。様々な技術分野に精通したエキスパートを同じロケーションに置いてワンストップサービスが行えるようにしている。こうした安心感の高さも評価され、今回の採用につながった。

また、Power EdgeサーバーやPowerVault ME4ストレージなど、デル・テクノロジーズの製品に対する品質面での期待も高かった。

「当社のシステム開発を委託しているSIerが、検証用サーバーと本番用サーバーにデル・テクノロジーズの製品を採用しているのですが、とにかくトラブルが起こらないと聞いており、もともと興味がありました。以前のシステムでは一度ストレージが故障したことがあり、その日は営業拠点の全ユーザーの業務がストップする事態になってしまいました。バックアップデータからのリストアにも時間がかかり、次回はやはり信頼できるベンダーの製品を導入しようと考えていました」(三原氏)

クライアントの自由度が向上。
コロナ禍での在宅勤務にも貢献

2020年9月、ECCのデータセンター内にRDSホスト用サーバーのPowerEdge R740が3台、バックアップ用サーバーのPowerEdge R640が1台導入された。共有ストレージはPowerVault ME4024を選択。PowerEdgeとの連携によるデータアクセスとバックアップ/リストアの高速化を図るため、オールフラッシュ環境が採用された。

この基盤に、薄型のビジネス向けノートPC 「Latitude 3510」が400台つながり、400セッションのRDS接続をVMware vSphere環境上で構成する形となっている(図)。

ECCが刷新した新しいRDS基盤
Windows Server リモートデスクトップサービス(RDS)はホスト用サーバーにインストールされたWindowsのデスクトップ環境やアプリケーションを、ネットワーク経由で利用できる仕組みだ。ECCはデル・テクノロジーズのITインフラとVMware vSphereを活用し、400ユーザーの新環境を構築した

2020年末、フランチャイズ先の各種教室が休みに入るタイミングで既存環境から新環境へのデータ移行が行われ、2021年1月より新システムが本格稼働を開始した。

400人ものユーザーが使う端末が、従来のゼロクライアントからノートPCへ移行することで、ECCはデル・テクノロジーズと共に入念なセキュリティ対策を施した。Latitudeに対し、業務データの痕跡が一切残らないシンクライアント化の使用環境を構築することで、業務端末としての効率性とセキュリティを高いレベルで実現。在宅勤務などでWeb会議やオンラインミーティングに参加する際は、通常業務でリモートアクセスする際のアカウントと区別し、会議用アプリ以外の業務アプリが立ち上がらない形としたのである。

「オフィスから自宅へノートPCを持ち帰ることができる環境にするには、セキュリティポリシー上からも譲れない要件でした」と三原氏は言う。

一方で、クライアントの自由度は飛躍的に向上した。

「在宅勤務制度そのものはコロナ禍以前からあったのですが、当時は在宅でシンクライアントは使えないため、別途用意したノートPCを貸与する形にしていました。この方法ですと、貸与できる台数に限りがあるだけでなく、システム担当である三原が2週間おきに交代する在宅勤務対象者のPCを、そのたびごとに再整備して全国に配送するといった大きな手間がかかっていました。新しい環境ではそうした負担が一切なくなっただけでなく、理論的にはジュニア事業部、法人渉外部の営業系社員400人全員がセキュアに在宅勤務できる環境が整備されたことになります。コロナ禍においても、リモートで密なコミュニケーションが行えるようになった点も大きなメリットです」と田島氏は話す。

三原氏も、「これまでタブレットぐらいしかつなげなかったオフィスのWi-Fiに、ノートPCを自由に接続できるようになりました。密を避けるため隣の会議室で仕事をするとか、ちょっとした打ち合わせも自席に座ったままWeb会議アプリで行うとか、オフィス内での感染防止策にも貢献しています」と付け加える。

パフォーマンスも向上し
「一瞬で立ち上がる」環境に

最新のPowerEdgeサーバーと、オールフラッシュのPowerVaultストレージとの相乗効果で、パフォーマンスも大幅に向上した。これまではシンクライアントを立ち上げてログインするまで30秒ほどかかっていたが、「今は一瞬で立ち上がります。業務アプリケーションのレスポンスも速くなり、現場も非常に喜んでいます」と三原氏は言う。

今回の導入実績を生かし、今後は同じジュニア事業部、法人渉外部内でも、汎用的なデスクトップPCを使っている管理系の社員、さらにはほかの事業部にリモートデスクトップ環境を横展開していくことを検討している。

また、デル・テクノロジーズのサーバーをリモート管理できる「iDRAC(integrated Dell Remote Access Controller:アイドラック)」の機能にも着目しており、「運用管理の効率化に向け、これから積極的に活用していきたい」と三原氏は期待を込める。

働き方改革やニューノーマル時代に対応した柔軟な業務環境の実現は、あらゆる企業にとって喫緊の課題だ。ECCが強化したリモートデスクトップ環境の進化は、有力な選択肢の1つといえそうだ。

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デル・テクノロジーズ株式会社

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