計算化学分野での利用も拡大 安定稼働し続けることのできるHPC環境が研究開発における超高速な計算処理を可能にする 計算化学分野での利用も拡大 安定稼働し続けることのできるHPC環境が研究開発における超高速な計算処理を可能にする

現代社会は、経済発展と環境保全の両立という大きな課題を抱えている。この課題を解決するために、今多くの企業や大学が、持続可能エネルギーの開発や環境負荷の軽減に貢献する素材の開発など様々な分野で挑戦を続けている。
こうした場面で必要不可欠となるのが、超高速演算処理を支援するHPC(High Performance Computing)と呼ばれるテクノロジーだ。最先端研究や技術開発を支える技術者集団 HPCシステムズ株式会社(以下HPCシステムズ)では、多様なHPCソリューションをワンストップで提供し、科学技術計算や量子化学計算などの分野で日夜研究開発に勤しむ研究者や開発者を支えている。

富岳」共同研究パートナーに採択されるなど
HPC分野で大きな存在感を示すHPCシステムズ

2006年7月に設立されたHPCシステムズは、“人とコンピューティングの力で世界平和に貢献する”を経営理念として掲げ、“研究者には研究する力、開発者には製品を開発する力を提供すること”をミッションと位置付けて、次の2つの事業を展開している。

科学技術計算向けの高性能計算機を開発・製造・販売するHPC事業と、産業機械向けの組込型計算機を開発・製造・販売するCTO(Configure To Order)事業だ。同社ではこれら2つの事業を核に、科学技術の基礎・応用研究から企業の先端研究・製品開発、さらには最終製品の量産までをワンストップで支援している。

HPCシステムズが提供するバリューチェーン

HPCシステムズが提供するバリューチェーン

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「S³ as a Service」(Sキューブソリューション)の全体像

S³ as a Service」Sキューブソリューション)の全体像

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現在同社では、HPC事業とCTO事業への取り組みの中から生み出した「システム、サイエンス、クラウド」という3つの領域におけるソリューション・ツールを、互いに掛け合わせることで、3乗の効果を発揮する「S³ as a Service」(Sキューブソリューション)という戦略を展開し、科学技術研究や製品開発に従事する研究開発者のパートナーとして、その存在感を高めている。

「S³ as a Service」(Sキューブソリューション)の全体像

S³ as a Service」Sキューブソリューション)の全体像

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今回フォーカスするHPC事業において同社は数多くの足跡を残してきており、2020年2月には、国立研究開発法人理化学研究所が主体となって開発・整備を推進するスーパーコンピュータ 「富岳」のクラウド的利用プロジェクトの共同研究パートナーにも採択された。HPC分野におけるHPCシステムズの取り組みが高く評価された結果だ。

HPCシステムズ株式会社 取締役 HPC事業部長 長谷川 真樹 氏

HPCシステムズ株式会社

取締役 HPC事業部長

長谷川 真樹

そして今同社が注力しているのが、企業や研究機関が利用しているHPCプラットフォームを最新の基盤へ刷新する時のサポート活動だ。この点について、取締役 HPC事業部長の長谷川真樹氏は、次のように説明する。

「研究開発をより速く進めて成果を出すためには、高性能なコンピュータパワーに加えて、安定稼働し続けることのできるHPC環境が必要です。そこで私たちは、計算機が故障した時にもHPCシステム全体の稼働を担保することのできるミドルウエアを提供しています。1つの計算機が物理的に壊れたとしても、稼働に必要な機能を即座に別の計算機に引き継いで提供し続けるもので、これはいわばハイパフォーマンスコンピューティングシステムインテグレーションの新たな形と呼べるものです。こうしたソリューションの提供も含め、私たちはHPC環境の信頼性を上げるための活動を展開しています」(長谷川氏)

第2世代インテル® Xeon® Platinum 9200
シリーズ
搭載の
HPCサーバーが
研究開発における超高速な計算処理を可能にする

HPC5000-XCA2UTwin搭載1ノード当たりのCPU構成

HPC5000-XCA2UTwin搭載1ノード当たりのCPU構成

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HPCシステムズでは、企業や研究機関における研究開発を支援するために様々なHPCソリューションを提供しているが、その中の1つが、あらゆる研究開発者に高い計算力を提供する高密度実装HPCサーバー「HPC5000-XCA2UTwin」だ。

HPC5000-XCA2UTwinは2U/2ノード、即ち2Uのラックマウントの筐体内に2台の計算機が入っている構成のサーバー製品で、2台ある計算機には各々、第2世代インテル® Xeon® Platinum 9200(Cascade Lake-AP)シリーズが2つずつ、搭載されている(最大192コア)。

HPC5000-XCA2UTwinの特徴について、HPC事業部 技術グループ マネージャーで工学博士の渡邊啓正氏は、次のように説明する。

HPC5000-XCA2UTwin搭載1ノード当たりのCPU構成

HPC5000-XCA2UTwin搭載1ノード当たりのCPU構成

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HPCシステムズ株式会社 HPC技術開発センター HPC事業部 技術グループ マネージャー 工学博士 渡邊 啓正 氏

HPCシステムズ株式会社

HPC技術開発センター HPC事業部
技術グループ マネージャー
工学博士

渡邊 啓正

「HPC5000-XCA2UTwinの一番の特徴は、まさにCascade Lake-APというプロセッサーを搭載していることです。Cascade Lake-APでは、CPUがメモリとデータをやり取りするチャネルの本数が1CPU当たり12本あるので、1ノード当たりではその2倍、24個のメモリと通信できることになります。そしてHPC5000-XCA2UTwinは、この計算機が2台入っている非常に高密度なサーバーなので、“CPU-メモリ間のデータ転送処理がボトルネックとなって性能が出ない”という、従来のHPC環境で多くみられる課題を解決することが可能になります。また同じ性能をより少ない台数で実現することができるので、故障リスクの低減や設置スペースの削減にも繋がります。運用管理性の向上という観点からも、HPC5000-XCA2UTwinは非常に有用な製品だと言えます」(渡邊氏)

またHPC5000-XCA2UTwinでは、1ノード当たり3TBまでメモリを搭載することが可能で、交流から直流への高い変換効率を保証する80PLUS TITANIUM認証を取得した電源も搭載している他、遠隔管理を支援するIPMI 2.0機能も標準装備している(追加オプションでリモートKVMやリモートメディアリダイレクションにも対応)。

同社では実際にCascade Lake-APの性能評価も実施しており、具体的には、米Gaussian社が提供する量子化学計算のデファクト・スタンダードである計算化学ソフトウエア「Gaussian」と、CAE(Computer Aided Engineering)分野の代表的な熱流体解析ソフトウエア「ANSYS FLUENT」を使って、計算機のコア数が増えても適正な性能が出るか否かに着目している。

「いずれのケースでも、ノード内の最大96スレッド並列まで、計算時間の短縮効果を得ることができました。Cascade Lake-APでは“高集積されている多数のCPUコアを全て並列に用いても高い性能向上が得られる”ということです。これはつまり当社製品のHPC5000-XCA2UTwinは、より大規模な計算処理にも十分に活用していただくことができるという証しに他なりません」(渡邊氏)

CAEや科学技術計算の分野に加え、
化学分野でも利用の高まるHPC

長年にわたるHPC事業への取り組みを通じて、学術分野から企業の最先端研究開発に及ぶ幅広い分野において、多くの顧客と確固たる信頼関係を築いてきたHPCシステムズだが、現在特に注力しているのが計算化学の分野だ。その理由について、長谷川氏は次のように説明する。

「化学実験の現場では、研究者の方々の職人技に大きく依存する場面が多々あり、これまでコンピュータシミュレーションもあまり取り入れられてはきませんでした。しかしこうした領域にHPCを適用していただくことで、実験の精度向上や工数の削減、ひいては研究成果を得るまでにかかるコストや時間を大幅に低減することが可能になります。私たちは計算化学の分野でもお客様を十分にご支援できると考えています」(長谷川氏)

一般的にHPCが活用される分野としてCAEや科学技術計算がよく話題に上るが、こうした分野はいわばマクロスケールの計算を行う領域で、コンピュータシミュレーションの方法などもほぼ確立されているという。これに対して量子化学計算などはミクロスケールの計算を行う分野で、先に話の出たGaussianも、電子構造モデリングの先端技術を有する量子化学計算プログラムだ。HPCシステムズでは多様なソリューションを取り揃えることで、計算化学分野においてもトータル的な支援を行っている。

HPCシステムズが提供する様々な計算化学ソリューション

HPCシステムズが提供する様々な計算化学ソリューション

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さらにHPCシステムズでは、多様なソリューションを提供するだけでなく、顧客の研究内容に応じて、OSやネットワークを含む基本設定から、HPC環境をジョブ投入できる状態に整備するセットアップまでをワンストップで支援するシステムインテグレーションサービスも提供している。

「HPCサーバーが手元に届いて箱から取り出し、電源に繋いでスイッチを入れれば、やりたかった計算が即座に実行できるというサービスの提供です」(渡邊氏)

同社では膨大なベンチマークデータと豊富な納入実績から顧客の研究に最適な環境を提案しており、OSやコンテナエンジン、ネットワーク、ジョブ管理ソフト、NIS(Network Information Service)、NFS(Network File System)、コンパイラー、並列計算環境などのセットアップを支援している。

「NISやNFSを始めとする様々な設定は、複数台の計算機を一群として使う時には必ず必要になるもので、これらを行うためには相応の知見とノウハウが求められます。私たちは、HPCの計算に必要な幅広い要素部品を高度な技術を駆使してHPCサーバーに搭載し、最高性能を引き出した状態でご納品しています」(渡邊氏)

またHPCの計算では、ハードウエアの性能を最大限まで引き出すために、ソフトウエア側で様々な調整を行う必要があるが、それに相当するのがコンパイラーおよび並列計算環境の設定だ。

「例えば新しい機能を追加するためにコンパイラーがバージョンアップされた時、よくあるのが新しいコンパイラーとアプリケーションのソースコードの“相性が悪い”ケースです。そうした相性を事前に私たちが検証して、必要な計算精度を満たしながら計算速度が最高となる構成をご提案し、お届けしています。ソフトウエアも含めて最適化した形でHPCサーバーをお納めするというのが、他社にはない私たちの独自性だと考えています」(渡邊氏)

現在HPCシステムズでは、Cascade Lake-AP搭載サーバーを一定期間、リモートで貸し出し、顧客に評価してもらう遠隔評価キャンペーンを無償で実施している。最先端のHPCサーバーに関心のある企業や研究機関はこの機会に是非、利用してみてはいかがだろうか。

「これまで私たちは、HPC事業とCTO事業を核にお客様との関係を構築、拡大してきました。現在ではCAEや科学技術計算だけでなく、量子化学計算などの分野にも注力しています。今後は海外市場も視野に入れ、研究開発分野におけるプラットフォーマーを目指して、お客様の研究開発や製品化に結び付くソリューションをいち早く実用化し、提供していきたいと考えています」(長谷川氏)

HPC5000-XCA2UTwin

第2世代インテル® Xeon® Platinum 9200(Cascade Lake-AP)シリーズ搭載
科学技術計算、分析インフラに適した2U/2ノード CPU192コア 、最大6TBメモリの高密度サーバー

  • インテル Xeon プロセッサー / HPC5000-XCA2UTwin

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