DcXで広がるICT活用教育の未来 インテルのソリューションとデータ活用が拓くこれからの学び

インテル
代表取締役社長

鈴木 国正

株式会社日経BP
コンシューマーメディアユニット長補佐(日経パソコン発行人)

中野 淳

小中学校で1人1台のパソコン導入が進むなど、教育現場におけるICT活用のインフラが整いつつある。次なる課題は、整備された環境をどう活かし、子どもたちの可能性を広げるかだ。その方法について、中立的な立場からさまざまなICT活用教育支援事業に取り組むインテルの鈴木国正代表取締役社長と、日経パソコン発行人の中野淳が語り合った。

日本のICT活用教育の遅れは
取り戻せるか?

「GIGAスクール構想」の前倒しによって、子どもたちが学校でICTに触れる機会は格段に増えている。新型コロナウイルス感染拡大によるオンライン授業の実践も、教育現場のICTインフラ整備を大きく後押しした。パソコンやタブレット端末の各メーカーが需要にしっかり応えられるように、端末の心臓部であるCPUの供給者という中立的な立場から、力強く支援してきたのがインテルである。「GIGAスクール構想」の成功、ひいては日本のICT活用教育そのものの発展を陰ながら支えてきた存在だと言える。

教育こそが未来への希望だと考えるインテルは、本業の枠に縛られることなく、さまざまな教育支援活動を行っている。日経BPの記者として20年以上「教育とICT」の現場を取材してきた中野が、インテルの鈴木社長に教育支援活動に対する考えについて聞く対談は、日本のICT活用教育への現状評価から始まった。

日経BP 中野(以下、中野):この1年余りの学校におけるパソコンやタブレット端末の急速な普及は、政策が後押ししているとは言え、目を見張るものがあります。ICTインフラはかなり整備されたと言えます。これからの課題は、整った環境の中でどのような方針に沿った教育を進めていくかです。

インテル 鈴木社長(以下、鈴木):インテルは長らく世界規模で教育支援活動を行っていますが、今後の支援活動に役立てるためにも、ぜひ中野さんが感じている日本のICT活用教育の課題について教えていただきたいと思います。環境整備の次に求められるものは何でしょうか。

中野:さまざまな課題があると思います。ひとつは、先生方がICTをどのように活用していくかです。黒板とチョークを使って行うこれまでの日本の教育は、決して悪いものではなく、むしろ世界に誇れる質の高いものです。しかし、それが良過ぎたために、ICTの活用が進まなかったという側面もあります。

道具をICTに換えると、これまでの教え方に制約が出るかもしれませんが、一方でさまざまなメリットがあります。このことを実感し、積極的に活用してもらえればと思います。そうでなければ、日本の教育は諸外国から後れを取ってしまうのではないかと心配しています。

インテル 代表取締役社長 鈴木 国正氏

インテル
代表取締役社長

鈴木 国正

鈴木:教育の専門家ではないのであまり僭越なことは言えませんが、中野さんがおっしゃるとおり、日本の教育は、長年、世界に誇れるレベルを維持してきたと思います。そして、それを支えてきたのは教える先生方の質の高さです。

ところが、世の中のデジタル化が進み始めると、その質の高い日本の教育が他の国々に追い越されてしまった。それを痛切に感じさせたのが、新型コロナウイルス感染拡大の影響によるオンライン授業への移行に時間がかかったことではないでしょうか。他の国々はオンライン授業に比較的スムーズに転換できたけれど、日本はインフラ整備やICT活用教育の遅れが災いして混乱を招いてしまいました。「GIGAスクール構想」によって、ようやくインフラは整備されたけれど、中野さんが指摘されるように、インフラを活用した教え方まで整備しないと、日本の競争力はますます弱まるのではないかと心配しています。

ただし、もともと先生方の質は高いのですから、ICTを積極活用する教育に取り組んでいただければ、他の国をキャッチアップするどころか、もう一度、世界に誇れるレベルに達する可能性もあるのです。インテルは、それを強く支援していきたいと思っています。