DcXで広がるICT活用教育の未来 インテルのソリューションとデータ活用が拓くこれからの学び

教員のICT活用や、子どもの
21世紀型スキルの育成を支援

株式会社日経BP コンシューマーメディアユニット長補佐(日経パソコン発行人) 中野 淳

株式会社日経BP
コンシューマーメディアユニット長補佐
(日経パソコン発行人)

中野 淳

インテルは、日本のICT活用教育を支援するさまざまな活動を行っている。「GIGAスクール構想」や、高校での1人1台のパソコン導入、BYODといった端末の普及活動については、CPUの供給者として、各端末メーカーに安定的な供給を実現。さらに、ウィズコロナやポストコロナの時代でも学びを止めない教育環境の実現に向けたオンライン教育の推進。ICT活用や21世紀型スキル育成教育を実践してもらうための教員研修。AI/機械学習やデータ解析、プログラミング等を活用するためのSTEAM教育用メディアラボ環境や教員カリキュラムの提供など、「GIGAスクール構想」以降のICT活用教育を見据えた多彩な支援活動を展開している。

なぜ、インテルはこれほど積極的に日本のICT活用教育に取り組んでいるのか。中野はその核心に迫った。

中野:改めて、インテルが日本で展開しているICT活用教育支援活動の概要と、その背景にある考えについて説明してもらえますか。

鈴木:まずはCPUの安定供給によって、端末の普及を支援させていただきました。ご承知のように、「GIGAスクール構想」が前倒しされたことで端末の需要が一気に増え、一時はCPUの不足が続いていましたが、米国本社が日本向けの特別割り当てを行ってくれたおかげで、小中学校の1人1台に十分な量を確保することができました。「GIGAスクール構想」の意義は米国本社も十分に理解していますし、各端末メーカーや販売会社も一緒に動いてくださったので、いいスタートが切れたのではないかと思っています。

教育現場のICT環境は整いつつあるので、次のステップとして取り組んでいるのが先生方への研修です。PCやICTを活用しながら探究・課題解決型授業(プロジェクト型学習)を実践するための教員研修プログラム「Intel® Teachプログラム」を2020年は広島県や埼玉県戸田市など多くの自治体で開催しました。今後、これを全国に広げていく予定です。

中野:現在までに、何名ぐらいの先生方が受講なさっているのですか。

鈴木:国内全体で約4万名です。グローバルでは2001年から米国と欧州を中心に同様のプログラムを実施しており、近年アジアでは、国策レベルで実施されています。すでに受講者は1,000万名を超えていますが、日本ではそもそも学校現場への端末の普及が遅れていたので、ようやくこれから本格化するのです。まだあまり知られていないので、中野さんをはじめとするメディアの力も借りながら活動の幅を広げていきたいと思っています。

中野:子どもたちが、将来の社会で必要とされるスキルを身に付けることは、非常に大切です。特定のメーカーの端末に縛られない形で、ICT活用の支援を進めていくことは、とても意義のあることです。繰り返しになりますが、ハードウェアが整っても、それを使ってどう教えるかという方針やノウハウがないとICT活用教育は実践できません。このための研修やサポートの体制を整えることは、重要な活動だと思います。

鈴木:先生方への教育プログラムとともに、もうひとつ力を入れているのがSTEAM教育をはじめとする先進テクノロジーを活用する教育支援です。インテルでは「Skills for Innovation(変革のためのスキル)」と呼んでいるのですが、このカリキュラムは、多様かつ複雑な社会的課題をテーマに子どもたちがAIやデータ解析、シミュレーションやモデリングなどを活用し、また、プログラミングやデジタルコンテンツ制作や3Dプリンタなどでのものづくり体験を通じてテクノロジーを課題解決の手段として学びます。そのための特別教室を学校内に設置する取り組みも始めています。

手始めに、東京都立三鷹中等教育学校に「メディアラボ」という教室を設けました。ハイエンドのパソコンや動画編集ソフトなどを子どもたちが自由に使い、VRをはじめとするさまざまなコンテンツを作れる環境などを整えています。

中野:学校教育におけるVRの活用はかなり広がっているようですね。私が以前取材した三重県鳥羽市の高校は、地元の自治体と協力して観光PRのためのVRコンテンツを制作していました。鳥羽市は海女(あま)が有名です。実際に海女が海に潜った映像などをVR化して公開したのです。新しい表現方法の楽しさを知って、地域にも貢献する。そんなことができるのもICT活用教育だからこそですし、それを後押しするテクノロジーの発展には非常に期待しています。

鈴木:私は、子どもたちが自分の可能性を広げる何よりの原動力は「好奇心」だと思っています。昔は調べるのに1時間かかったことも、ICTを使えば30秒で見つけることができます。つまりあらゆることに強い好奇心さえ持っていれば、より多くの知識を身につけることができる時代になったのです。VRなどもそうですが、創造性が豊かになる世界、ICT活用教育を実践することの本質的な意義は、そこにあるのではないでしょうか。

データ利活用による効果検証で、
「よりよい学び」を進化させる

インテルは、ポストコロナ時代や、「GIGAスクール構想」以降を意味する「Beyond GIGA」を見据えてICT活用教育の支援活動を展開している。そんなインテルが、これからの時代に求められる教育のあり方として提唱するのが、データ分析に基づいて教育の質を高めていく「教育DcX(データ・セントリック・トランスフォーメーション)」の実践だ。

鈴木:いま、産業界ではDX(デジタルトランスフォーメーション)への取り組みが盛んになっていますが、インテルはDXの中でも、とくにデータ利活用にフォーカスし、「DcX(データ・セントリック・トランスフォーメーション)」を提唱しています。そしてわれわれインテルは、特定の企業や業界に偏らない中立的な立場として、社会全体でデータを共有する「データの民主化」に貢献したいと考えています。なぜなら、よりよい社会や未来を創るためには、データの中から現状の課題を読み取って改善策を導き出さなければならないからです。

中野:教育分野でのDcXの取り組みはありますか。

鈴木:個別最適化学習などの効果をデータ分析によって最大化する取り組みや、教育行政によるEBPM(Evidence-based Policy Making、エビデンスに基づく政策立案)などを支援しています。とくにEBPMは、かけた予算に見合った効果を確かめながら教育政策を立案していくわけですから、効果を正確に測るためのデータ利活用が欠かせません。

たとえば、成績が伸びる子と伸びない子のばらつきが出てしまったとしても、それぞれの生徒がどんな学び方をしたのかというデータを積み重ねていけば、何らかの理由が見えてくるはずです。課題を明確化して最終的な受益者である子どもたちの「よりよい学び」が進化し続けるように、インテルは今後も「教育DcX」を力強く支援していきます。

中野:生徒1人1台の端末が普及したということは、個々の生徒のデータが取れるようになったわけですから、それをうまく活用すれば効果的な「学び」への改善につながりそうですね。子どもたちが喜んでいる姿を見たり、子どもたちのためになるという実感があったりすると、教員のICT活用は進みます。教育データの活用も、同様でしょう。本日はありがとうございました。

写真:鈴木 国正氏

インテル株式会社

https://www.intel.co.jp/