多くの企業がDXの重要性に注目し、企業価値や競争力の向上を目指してIT環境の見直しや刷新を行っている中、注目を集めているのがHCI(Hyper-Converged Infrastructure)を活用したハイブリッドITだ。導入・管理がしやすいシンプルな構成のHCIを活用し、運用の手間を低減・効率化する統合運用管理の方法を探る。

HCIが求められる理由と
運用管理の重要性

これまでのITインフラの課題について、富士通株式会社の勝股敏範氏は次のように説明する。

「サーバやストレージ、ネットワークなどの複数のハードウェアを使って構成されていたため、複雑なITインフラをいかに簡単に導入して運用していくかが大きな課題となっていました」

富士通株式会社
統合商品事業部 基盤開発部
マネージャー
勝股 敏範 氏

サーバ、ストレージ、ネットワークのそれぞれに管理者が存在する個別管理では、管理・運用が煩雑になるというのだ。

「管理する対象が増えていけば、運用コストも増大し、管理者の生産性も低下していきます。管理・運用に手間を取られ、本来の目的であるサービスの提供に注力できないことも課題の1つと言えるでしょう。そこでITインフラをシンプルな構成でスケールアウト性能も高いHCIにし、統合管理することで運用の手間やコストを下げ、万が一の障害発生時にも速やかに原因を究明してサービスを継続する運用管理手法が注目されているのです」と勝股氏は説明する。

また、DX推進企業は社会課題を解決し、新たな価値を創出していくことを目的としている。そのためにはAIやIoT、5G、セキュリティなどの最新のテクノロジーを利用し、信頼性が高く、簡単に導入できて運用していけるITインフラが重要となる。「我々は、FUJITSU Integrated System PRIMEFLEX(以下、PRIMEFLEX)というHCIソリューションを提供しており、工場でVMware vSAN™などの仮想化基盤を最適な形で構築して出荷することで、お客様の設計・構築・テストの手間を軽減します。

富士通株式会社
統合商品事業部 基盤開発部
マネージャー
山口 孝 氏

また、シンプルな構成であるHCIにすることで運用管理の手間を省けるだけでなく、富士通独自の統合運用管理ツールであるFUJITSU Software Infrastructure Manager for PRIMEFLEX(以下、ISM)を提供することで、誰もが簡単にITインフラを一元管理でき、トラブルの早期解決や、サーバ増設やファームウェア更新の自動化を実現することが可能です」と富士通株式会社の山口孝氏は説明する。

PRIMEFLEXでは、従来構造のITインフラに比べて、初期構築時間を1/8に、増設作業を1/2に短縮できるという。また、インフラ全体を富士通がワンストップでサポートするほか、拡張を柔軟かつ適正なコストで行えるように、サーバ単位での増設ではなく、CPUやメモリ、HDDといったコンポーネント単位で増設していけるのもPRIMEFLEXの大きな特長となっている。

仮想化基盤の実績が高いVMware vSAN™を搭載した
「FUJITSU Integrated System PRIMEFLEX for VMware vSAN」

ITインフラを一元管理・簡単操作できる
ISMとアノマリ検知

富士通がPRIMEFLEXで提供している統合運用管理ツールISMは、IT機器の一元管理が可能で、3Dビューによってサーバやストレージ、スイッチなどを統合管理し、設置状態やネットワーク接続状態、温度管理などをビジュアルで確認することが可能となっている。また、ネットワークに接続されているサーバをISMが自動検知して、ISMへの機器登録から設定までISM経由で実施できる。このため、サーバに接続されているディスプレイとキーボードを利用せずに、リモートでサーバを保守することができる。異なるハードウェアのファームウェアやドライバーの適用も同じ操作性で行うことができ、問題が発生した場合も、 VMware vCenter Server® 画面からISMを操作して、物理・仮想関係をマップ化し、問題の原因となっている物理機器を即座に特定することが可能だ。

ITインフラをグラフィカルに一元管理できるISM

さらに、ISMでは、「アノマリ(Anomaly)検知」という新機能が提供されていることも大きな特長の1つとなっている。Anomalyは「普段と異なる振る舞い」という意味を持ち、アノマリ検知は平常時のパフォーマンス値を学習して、そこから外れた挙動を検知する仕組みだという。「障害監視は、これまで閾値を使うことが一般的でした。しかし、閾値だけでは、多様化する異常の発生パターンを掴み切れず、サイレント故障などの閾値では判断できない異常を検知できずに、障害の影響が表面化するまで対処できない場合があります。障害を予兆の段階で検知して、業務やサービスに悪影響を与える前に対処することが重要だと考え、アノマリ検知を開発することにしました」と山口氏は説明している。

予兆段階でシステムの
異常を検知して早期対処が可能

「ISMのアノマリ検知では、正常時のサーバの動作を機械学習して、正常時の複数のパラメータの相関性を分析し、相関性の乱れを自動的にリアルタイムに検知しています。HCI環境での監視に有効なパラメータを選択する際に、富士通のこれまでの知見やノウハウが役立てられており、学習結果から普段と異なる振る舞いを検出することで業務影響が出る前に対処が可能となり、また閾値のチューニングが不要であることから誰でも簡単・短時間で導入可能なことが大きな特長ですね」と山口氏は説明する。

たとえば、1つのサーバの余剰リソースを活用するためにVMを集約させた場合、繁忙期にCPU負荷が過剰になってしまったとする。閾値による障害検知では、閾値より前のCPU負荷の増加を検知できず、当然のことながらCPU負荷が閾値を超えて初めて異常が検知されるため、原因の調査や対処が遅れてしまい、業務やサービスに悪影響を与えてしまう可能性がある。しかし、アノマリ検知の場合は、正常時とは異なるCPU負荷の上昇を検知できるため、繁忙期を迎える前に集約したVMを元に戻すなどの対処を行うことが可能となる。

運用管理者の長年の経験・ノウハウが必要な予兆を簡単に把握できるISMのアノマリ検知

「これまでの障害検知では、イベント通知やログ監視、閾値監視などを行い、複数のセンサー情報から障害かどうかを人が判断する必要があり、システム管理者が長年のノウハウを持っていないと予兆の検出が困難でした。また、問題が発生してから対応するのではリスクが大きいため、初期のヒヤリハットの段階での検知・対応が必要です。ISMのアノマリ検知では、いつもと違う振る舞いを検知することで障害に発展する前に対処ができ、システム監視のノウハウがなくても自動設定で安心してシステムを運用できます」と勝股氏は説明する。

「ISMを使っていただくことによって、皆様の運用を楽にしたいと考えているので、ぜひご活用いただければ幸いです。運用の自動化が実現できるように、今後もISMやアノマリ検知の機能を向上させ、運用の手間をできうる限り削減できるようにしていきます」と勝股氏は話している。また、山口氏も最後に次のように話してくれた。「今後も、ISMの開発を続け、お客様が便利かつ楽にITインフラを運用できるようにしていきます。運用の自動化はもちろん、アノマリ検知の精度を今後も高めていけるように我々が培ってきたノウハウを活かしていきたいと考えています」

PRIMERGYや、HCI(FUJITSU Integrated System PRIMEFLEX for VMware vSAN)に採用されている
第3世代インテル® Xeon® プロセッサーはクラウド・コンピューティング、リアルタイム分析、ミッション・クリティカルな業務の処理、ビッグデータの
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