テレワークの浸透を背景に、製品ニーズが増大しているノートPC。混戦が予想された本部門で、No.1に輝いたのはレノボ・ジャパンだ。中核製品の「ThinkPad」は、1992 年に市場に投入されて以来、「仕事をオフィスから解放するためのワークツール」という一貫したコンセプトで進化を続けてきた。その強みが、今まさにコロナ禍で高まる企業のテレワークニーズを捉えた。ほかにもあらゆる働き方に応える製品ポートフォリオやサポート体制で、レノボは顧客の声に応えている。
業務のリモート化が加速する現在、社員がPCに触れる時間は大幅に増えている。特にテレワーク環境では、ノートPCを利用する企業は多いだろう。性能、機能、信頼性といった製品の品質や、サポートサービスに対する要望は以前よりも多様かつ高度なものとなっている。
この状況において、本調査の「ノートPC」部門の首位に輝いたのがレノボ・ジャパンである。かねて同社は、顧客満足を自社ビジネスにおける最優先テーマとして事業を展開してきた。中核となるコンセプトが、「レノボ カスタマー エクスペリエンス(CX) ビジョン」だ。
「顧客から聞く(Listening)、顧客から学ぶ(Learning)、そして顧客の体験を改善する(Improve)活動を毎日続けるの3つを柱に、顧客ロイヤルティを高める体験の提供に努めてきました。今回の結果は、こうした当社の長年の取り組みをご評価いただけた結果と考えています」とレノボ・ジャパンの安田 稔氏は語る。
また、同社に対する評価の高まりは、レノボ独自の顧客満足度調査にも表れている。製品購入ユーザーを対象に四半期ごとに実施している「CXサーベイ」では、重要指標の1つにNPS(ネットプロモータースコア)を設定。ここ数年来、前年を上回る数字を継続的に出しているという。
さらに、安田氏はこう続ける。
「アンケート調査のみならず、定性的なお客様のフィードバックを頂戴するため、毎年CIO向け、現場責任者向けとお客様の生の声に接してきました。残念ながらコロナ禍で直接お話をお伺いする機会は少なくなりましたが、Web会議をフル活用するなど、この時期ならではの活動を模索しながらお客様と並走してまいります」
調査結果では、「性能・機能」の項目で平均を大きく上回る評点を獲得したレノボ。製品自体に対するユーザーの評価も高い。
例えば、ノートPCの中核製品である「ThinkPad」は、誕生以来29年、一貫して「仕事をオフィスから解放するためのワークツール」というコンセプトを掲げている。時代ごとの働き方ニーズを取り入れながら進化を続けてきたThinkPad。テレワークの普及浸透が急速に進む今日のビジネスシーンで選ばれたのには、理由があるのだ。
時流に合った機能も随時搭載/強化している。その一例が通信機能だ。5GやLTEのSIMを装着できるオプションを各モデルに用意しており、ユーザーはいつでも・どこにいてもノートPCを開くだけで自動的にインターネットに接続できる。
「創るためのツールとしてだけでなくコラボレーションツールとしてもThinkPadをご利用いただくために、テレワークに最適な一部のモデルでは低音向けと高音向けで別々の合計4つのスピーカーを採用して臨場感を高める工夫や、4つの全指向性マイクを搭載して個人でWeb会議に参加するケースはもちろん、小規模な会議スペースからの複数人のWeb会議への参加にも対応できるようになっています。今や当たり前になったWeb会議への参加体験を、一層高いレベルで提供します」(安田氏)
テレワークで必要なアクセサリー群を提供する新ブランド「Lenovo Go」も立ち上げた。複数デバイス間を簡単に切り替えて使えるマウスやパワーバンクなど、現場の声に応えるラインアップを提供する。
「さらに、テレワーク環境で重要なのがセキュリティです」と安田氏。これについても、エンドポイントセキュリティや、デバイス管理、プロダクティビティに関連するクラウドソリューションまでを一気通貫で提供。安全かつ効率的なテレワーク実現に必要なノートPC環境をトータルに提供できる点が、同社が評価された要因といえるだろう。
PCの利用頻度が高まれば当然、カスタマーサポートの重要性も増大する。これについてもレノボは、時代を見越したかのように先んじた施策を講じてきた。
具体的には、2016年4月から、国内におけるすべてのレノボ製PC/タブレットの修理をNECパーソナルコンピュータ(以下、NECPC)の群馬事業場に移管。NECPCとレノボは2011年にジョイントベンチャーを発足し、共同でレノボ製品の生産に当たってきたが、その経緯と実績を基にサポート体制を強化した格好だ。
このNECPC群馬事業場では“お客様のPCのダウンタイムを最短に”を合言葉に、質は落とさず、修理待ち時間を最小化する取り組みを実践。これにより、2020年7月以降継続して、無償修理対象の製品のうち95%について、着荷から出荷までを24時間以内で対応しているという。
さらにテレワーク下でのPC新規導入時に高まりがちなIT管理者の負荷も軽減する。昨今注目が集まるゼロタッチデプロイメント実現のためのWindows Autopilot登録サービスに加えて、OSやデバイスドライバ、Microsoft Officeや業務アプリケーションなどを事前にセットアップしてから出荷する「RTP+」、Windows Autopilot Pre-provisioned deploymentに対応したキッティング拠点である「CFS」をNECPC 群馬事業場内に開設するなど、業務の現場から管理者まで、企業・組織の全体を見据えたサポートの仕組みで、顧客のテレワーク対応を強力に後押しする。既に事例もあり、例えばUCCホールディングスは、Windows utopilotによるセルフサービス型PC展開に取り組み、2000台のThinkPadを短期間で導入したという。
「加えて、当社の最大の強みは、お客様ニーズにきめ細かく対応できる幅広い製品ポートフォリオだと考えています(図)。これにより、自分の働き方に最もフィットする製品を選ぶことができ、コスト最適化と生産性向上が図れます。今後も、グローバル企業ならではのノウハウや知見を駆使して、お客様をご支援できればと思います」と話す安田氏。連覇に向け、同社の取り組みは続く。