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Oracle Cloud Days 2020 review Cloud Redefinition クラウドの再定義でイノベーションが加速する Oracle Cloud Days 2020 review Cloud Redefinition クラウドの再定義でイノベーションが加速する

データドリブンな組織に変革するには、企業は攻めと守りの両方でDXを実現しなければいけない。
そのために必要なデータプラットフォーム、セキュリティの要件とは何か?
日本オラクル 常務執行役員の竹爪慎治氏がオラクルのテクノロジーと導入事例を紹介した。

データドリブンな組織に変革するには、企業は攻めと守りの両方でDXを実現しなければいけない。そのために必要なデータプラットフォーム、セキュリティの要件とは何か?日本オラクル 常務執行役員の竹爪慎治氏がオラクルのテクノロジーと導入事例を紹介した。

変革事例から学ぶ真のデータドリブンDX ~これからのDXを再定義する~ 変革事例から学ぶ真のデータドリブンDX ~これからのDXを再定義する~

竹爪 慎治氏

日本オラクル株式会社
常務執行役員
テクノロジー事業戦略統括

竹爪 慎治

 講演冒頭、竹爪氏は、企業のDXにはイノベーションの創出による競争優位を強化していく「攻めのDX」と、経営環境の変化やリスクに対応して事業の継続性の確保を目的とする「守りのDX」の2種類があると話した。

 「従来は攻めのDXが主流でしたが、コロナ禍で一転、守りのDXの取り組みが増えています。ですが、どちらかだけではDX自体が陳腐化してしまいます。攻めと守りの相乗効果が非常に重要です」(竹爪氏)

 攻めと守りのDXを両立するために必要なテクノロジーとして、竹爪氏は「シングルデータプラットフォーム」「攻めと守りの堅牢なセキュリティ」「企業のミッションクリティカルな業務に耐えるクラウドインフラストラクチャー」の3つを挙げる。

 まずシングルデータプラットフォームだが、従来の企業ITで一般的な、機能別にデータベースを持つ方式では、クラウドへ移行しても結局、分断化されたデータを生んでしまう。そこでオラクルでは、企業内で扱う構造化データ、地図データ、ファイルなどの様々なデータを1つに集約、さらに、分析や機械学習、IoTなど、あらゆる処理を1つのシングルデータベースで行うことができる、コンバージド・データベースを提供する。そして、このシングルデータ基盤を、オンプレミス、パブリッククラウド、そしてそのお客様DC内でのクラウド環境(Cloud@Customer)のすべてで実現し、Autonomous(自律型)データベースによって運用を自動化することができる。

 「これまで運用や保守に充てていた人材リソースを、より戦略的なサービスの改革、あるいはデータ解析に振り分けることによって、真のデータドリブンなDXを実現することができます」(竹爪氏)

 第2のポイントであるセキュリティについては、まず、設計段階から組み込まれたセキュリティ(セキュリティ・バイ・デザイン)により、より堅牢かつ高性能なインフラレベルのセキュリティを提供する。次に多層防御の考えに基づき、守るべきデータを中心に、何層ものセキュリティ制御によるデータを守る、データ中心のセキュリティの提供。さらに、現在多くのセキュリティ事象の原因となっているヒューマンエラーをなくすため、セキュリティ管理の完全自動化を実現する。

 「従来のセキュリティの考え方では、外部からのアクセスを制御する制限のみであり、また、やみくもに制御をかけることで、攻めのDXを阻害していました。オラクルはデータを直接守るセキュリティの思想で、より安全なデータの管理と相手に合わせた柔軟なデータ活用を実現します」(竹爪氏)

デジタル・トランスフォーメーションで目指すべき姿

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新型コロナウイルス感染症の拡大によって事業継続のための「守りのDX」が注目されるが、攻めと守りはどちらか一方ではなく、両方を行って相乗効果を出すことが非常に重要だと竹爪氏は語る。

Zoomも採用する高性能かつ低コストのクラウドインフラストラクチャー Zoomも採用する高性能かつ低コストのクラウドインフラストラクチャー

 最後のポイントである、クラウドインフラストラクチャーについて竹爪氏は「従来のクラウドは、企業の基幹システムのワークロードを実施することが困難な状況でした。オラクルではこの問題を解決するため、アーキテクチャーから一新したクラウド基盤であるOracle Cloud Infrastructure(OCI)を構築しました」と語る。

 OCIは、高性能な物理ネットワークと仮想クラウド環境で構成されている。物理ネットワークでは、契約している他社との間で「オーバーサブスクリプション」、つまりネットワークの占有が重複することを完全に排除し、低遅延、広帯域環境を実現している。そして仮想ネットワークは、従来のクラウドで一般的な仮想化ソフトウェアを用いず、専用のハードウェアによってネットワーク仮想化部分を分離することで、高性能と強固なセキュリティを実現している。

 「他のお客様にとって性能を制限する原因となる『ノイジーネイバー』の存在を根本的に排除して、高品質のサービス実行環境を提供しています」(竹爪氏)

 OCIは利用が急拡大しており、オラクルではこの1年で世界12リージョンを追加し、計29リージョンを展開した。日本でも、東京と大阪の2リージョンが稼働中だ。

 2020年のコロナ禍で急速に利用が拡大したWeb会議システムのZoomも、OCIのユーザー企業だ。マルチクラウド戦略を取る同社だが、1日の会議参加者数が3億人に達する中、OCIによって需要増加に対して数時間で対応する体制を確立した。現在は数十万の同時会議接続、1日に7ペタバイト以上の通信を、OCI上で実現している。

 「オラクルは、ここで紹介した技術やノウハウを単に提供するだけでなく、お客様やパートナーと一緒に真のDXを実現するアドバイザーになります」と、竹爪氏は結んだ。