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Oracle Cloud Days 2020 review Cloud Redefinition クラウドの再定義でイノベーションが加速する Oracle Cloud Days 2020 review Cloud Redefinition クラウドの再定義でイノベーションが加速する

Oracle Cloudを活用して「新北海道スタイル」に対応 Oracle Cloudを活用して「新北海道スタイル」に対応

成澤 公彦氏

株式会社
リージョナルマーケティング

成澤 公彦

 北海道で190万人の会員数、世帯カバー率67%を誇る共通カード「EZOCA」の発行と運営を行うリージョナルマーケティング。地域スポーツの支援事業にも取り組んでおり、Jリーグ「コンサドーレ札幌」のサポートプログラムでは、買い物額の0.5%をチームに還元する仕組みなどを提供している。

 リージョナルマーケティングの成澤氏は「会員や加盟店からのデータが日々約20万件のペースで蓄積される一方、データ分析の環境は共用システムのため、使用時間や処理量などを他者に気を使いながら使うという不自由さがありました」と語る。

 同社ではその状況を改善し、加盟店データの可視化することを目的に、Oracle Autonomous Data Warehouse(DWH)とOracle Analytics Cloudによるデータ活用基盤の構築を決定した。新型コロナウイルス感染症の拡大前の2019年10月から開発を開始、わずか2カ月後の12月には構築が完了、そこからデータの手動取り込みを開始した。

 だが、そこから新型コロナウイルス感染症の感染拡大によって、北海道は二度の緊急事態宣言とその解除という波に飲み込まれる。同社でも在宅勤務を余儀なくされる中、コンサドーレ札幌のゲーム再開時の来場ポイントについて、非接触方式への対応などに追われた。

 DWHへのデータ集約は、2020年4月には自動化に成功し、大量データの収集と集計、分析の高速化を実現した。その後はコロナ禍の対応も含め、オフラインイベントのデータ可視化もできるようになっている。

 「開発時間の短縮と低コスト化を実現できると考えたのが、オラクルを選んだ理由です。Oracle Cloud Infrastructureの高いコストパフォーマンスにより、大胆な開発や実証実験の容易な実施が可能になり、高速なシステム開発ができると考えました。またAutonomous(自律化)機能によって、開発の属人化を防ぐこともできると思っています」(成澤氏)

 今後はさらに多くのデータを集め、加盟店、会員のサービス向上を進めていく。同時にセルフBIの普及による可視化の推進、オンオフイベントとの連携強化などをしていきたいという。

マネージドサービスの一潮流と不動産ビッグデータの分析 マネージドサービスの一潮流と不動産ビッグデータの分析

勝畑 泰氏

株式会社
ワークスアプリケーションズ

勝畑 泰

 ワークスアプリケーションズは、自社が提供するクラウドERPのマネージドサービス「HUE Classic Cloud(HCC)」の基盤としてOracle Cloud Infrastructure(OCI)を採用した。

 HCCは、ERPパッケージと運用管理を1つにまとめてクラウド基盤上で提供するサービス。2020年10月に正式リリースした。同社の勝畑氏は、HCCの主力基盤としてOCIを選定した理由を「当社が過去にオンプレミスで出していた見積もりの内容を、クラウドですべて実現しており、それが日本リージョン内で完結できるため、既存の顧客が求める要件に問題なく対応できたことが一番大きな理由です」と語る。

 またOCIはデータベースにおいて特徴的な強みがあると言う。「当社の顧客は月間の勘定明細が数億件になる企業もありますが、大量のデータ処理が可能なExadata Cloud Serviceの持つ桁外れの処理能力が使えることに期待しています。当社のテスト結果では、チューニングなしで75%の性能向上が確認されています」(勝畑氏)

白井 久也氏

株式会社Propre Japan

白井 久也

 続いての事例であるPropre Japanからは白石氏と根岸氏が登壇。同社は不動産情報サービスを提供し、世界17カ国から1日当たり1700万件の不動産の情報をリアルタイムに収集している。さらに物件1つごとに、約3万項目もの細部にわたる特徴量を保有している。

 「これまでの思い込みを排除し、定量的な分析による不動産投資のソリューションを提供するのが当社の事業の目的です」(白石氏)

根岸 良多氏

株式会社Propre Japan

根岸 良多

 同社はこのビッグデータの処理基盤を改善するため、Amazon RDSからクラウド上のインメモリデータベースに移行した。だが大量のメモリをクラウド上に持つことになり運用コストが増大してしまった。そのため、オラクルのAutonomous Transaction Processing(ATP)に移行し、管理コストの低減、TCO最適化を実現した。今後はサービスのさらなる強化を目指して機能の充実を目指している。

 同社の根岸氏は、ビッグデータ基盤としてATPを選んだ理由として、とくにチューニングをはじめとした管理工数の大幅な削減を挙げた。「当初はOCIへの単純移行を考えていましたが、運用コストの削減も実現できることが分かり、ATPへの全面的な移行に切り替えました」


 Oracle Cloud Daysは全4日間開催された。Day3では「LINEにおけるMySQL運用の現状とバージョンアップを支える仕組み」、Day4では「日本IBM、日本マイクロソフト、日本オラクルが本音で語る、“クラウド開発 コトはじめ”」の各基調講演をはじめ、専門家とユーザー企業による興味深いセッションが繰り広げられた。

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