創業以来、オールフラッシュストレージの先駆者として急成長を遂げてきたピュア・ストレージ。現在は、オンプレミスとクラウドのストレージをサブスクリプションモデルで利用できるサービスも展開し、データの効率的な蓄積と自由な活用を支えている。ピュアストレージのサービスを利用することで、企業はデータやアプリケーションの場所・種類に関係なく、常に最新の性能を持つストレージに格納されたデータにアクセスし、自由に活用することができる。
桔梗原 あらゆる企業にとってDXが重要なテーマとなっています。企業が置かれている状況をどのように見ていますか。
田中 先日、ラウンドテーブルを実施し、10社の経営トップとDXについてディスカッションする機会を得ました。具体的なビジネス課題は、業種・業態によって様々なのですが、皆さんに共通していることもありました。それは、ニューノーマルと呼ばれる新たな環境の中で、改めて企業としてのゴールを定めなければならないと危機感を強めていること。そのゴールに到達するために何が必要かを正確に見極めて、優先度をつけながら投資を行い、ビジネスを変革しなければならないと考えていること。そして、それこそがDXだと捉えているということです。つまり今、企業が目指すべきなのは変革であって、決してデジタル化することだけではありません。
桔梗原 DXは「Digital」より「Transformation」を重視すべきということですね。これからはデジタルの世界に常につながっていることが前提になります。デジタルはリアルを補完するものではなく、デジタルが主でリアルが従という主客逆転が起こると言われています。当然、企業はそれを前提に業務プロセスやビジネスを変革していかなければなりません。この変化に対応するには、何が必要だと考えられますか。
田中 カギを握るのはデータです。以前から企業の経営資源は「ヒト・モノ・カネ」と言われます。中でも、最も重要な経営資源は、やはりヒトでしょう。では、2番目はモノかカネか──。いいえ。デジタルの世界に限って言えば、2番目に重要な経営資源はデータです。したがって、企業がDXを実現するには、データを自由かつ柔軟に蓄積して、自在に活用していける環境が欠かせません。
桔梗原 データを自由かつ柔軟に蓄積して、自在に活用していける環境。まさにピュア・ストレージが得意とする分野ですね。具体的には、どのようなソリューションを提供していますか。
田中 サービス停止を伴う定期的な更改とデータ移行──。ピュア・ストレージは長らく多くの企業が苦しんできた、ストレージにまつわるこの課題を解決します。具体的には、業界初の永久ストレージ保証モデル「Evergreen Subscriptions」を提供し、市場から高い評価をいただいてきました。
この変わらぬ理念のもと、新しいソリューションとして開発したのがオンプレミスとクラウドの垣根を取り払った従量課金型ストレージサービスである「Pure as-a-Service」です。これからのピュア・ストレージのビジネスは、このサービスが中心になっていきます。
これは、オンプレミスに設置する当社のオールフラッシュストレージと、クラウド上にあるストレージリソースを単一のサービスとしてサブスクリプションで提供するもの。オンプレミスかクラウドかは問わず、どちらのストレージ環境も共通の管理基盤であるクラウドサービス「Pure1」で統合管理できます。
このPure as-a-Serviceによって、お客様はオンプレミスのシステムか、クラウド上のシステムか、アプリケーションの種類を問わずデータを統合管理して活用できます。インフラ管理も効率的で、例えばシステム停止やマイグレーション作業とは完全に無縁。さらに常に最新技術を活用した高性能なデータ活用基盤を利用し続けることができます。
桔梗原 技術の進化が激しい中、常に最新であるというのは大きな魅力ですね。
田中 ピュア・ストレージのことを、オールフラッシュストレージを手がけるハードウエアメーカーだと思っている方も多いと思いますが、私たちの神髄はソフトウエアにあります。ビジネスの状況やテクノロジーの進化に自身のソフトウエアを追従させ、いつでも、確実にデータにアクセスできる環境を提供し続けることを心がけています。
例えば、最近では、コンテナ環境で、「Kubernetes(k8s)」データサービスプラットフォームを提供する「Portworx」を買収しています。これによりk8sに対して、ハイパフォーマンスかつシステム全体で一貫した保護・高可用性ポリシーの適用が可能になりました。
桔梗原 ピュア・ストレージのソリューションを活用して、成果を上げている企業の事例をご紹介ください。
田中 日本中央競馬会(JRA)様は、ピュア・ストレージのオールフラッシュストレージとVeeam社のバックアップソリューションを導入して、データセンターのオールフラッシュ化を実現。インフラの性能問題を解決すると同時に運用管理を効率化しました。
性能向上による業務の効率化によって、社員の労働時間を大きく短縮。また、お客様に提供するインターネットサービスの高機能化とレスポンス向上を両立しました。その結果、コロナ禍にあってもインターネット経由で馬券を購入する新しいお客様が急増したそうです。
桔梗原 危機をチャンスに変えた好例ですね。
田中 オンライン証券事業を中心としたサービスを展開しているマネックスグループ様も、顧客基盤の拡大を図るとともに、変化する顧客ニーズに応えるため、オールフラッシュストレージとバックアップソリューションを導入。運用負荷の大幅低減とバックアップ処理の一元管理を実現しました。また、私たちが提供するデータ圧縮機能を有効活用することで、必要なストレージ容量を半分に削減し、ITコストも大きく低減しています。
新しいビジネスを創出するためには、付加価値を生まない作業やリターンが小さな投資を抑えることは重要な課題になります。私たちのソリューションによってストレージ容量という単純なリソースや運用管理業務を削減できたことが、今後のDXの実現に必ず効いてくるはずです。
桔梗原 ピュア・ストレージは「モダン・データ・エクスペリエンス」という概念を提言していますね。これは、どんな考え方でしょうか。
田中 重要な経営資源であるデータを自由かつ柔軟に活用する体験のことです。モダン・データ・エクスペリエンスの中からデータ起点のアイデアが生まれ、新しいビジネスやサービスにつながっていく。これからは、このようなイノベーションが増えていくはずです。
だからこそ、今からDXを見据えた最適なデータ活用基盤の構築に取り組んでおきたい。ピュア・ストレージは、そのための強力なパートナーになります。
モダン・データ・エクスペリエンスを実現するために
重要な経営資源であるデータを自由かつ柔軟に活用する体験「モダン・データ・エクスペリエンス」をいかに実現するか。永久保証ストレージは、ピュア・ストレージのその思いから生まれている