私たちの社会活動に甚大な影響を及ぼし続けている新型コロナウイルス。製造業各社においても、人の移動が制約を受ける環境下で、ビジネスを停滞させないための様々な取り組みが実施されている。生産プロセスの見直し、間接業務のリモート化などの施策が進められる中、ここへきて急速に注目を集めているのが、セーフィーのクラウド録画型カメラソリューションである。
「もともと当社は、複数の店舗を展開する小売業や、建設・土木業のお客様向けに製品を展開してきました。しかし、コロナ禍の現在、製造業のお客様からの引き合いが急拡大している状況です」とセーフィーの小室 秀明氏は言う。
例えば、大手・中堅などの製造業では、本社の社員が遠隔地にある生産拠点を訪れて、現場の職長や担当者の監督・指導にあたってきたケースが多いだろう。しかし、人の移動が制限される現在、これらの活動が困難になっている。そこでカメラを設置することで、遠隔業務を実施したいと考える企業が増えているのだ。「人の目の代わりにカメラを用いることで、現場の『見える化』を図ります。もちろん、ほかにも多くの業務のリモート化、効率化が可能です」(小室氏)。
また同社は、この取り組みが製造業のDX推進の第一歩になると位置づけている。セーフィーはこれを「現場DX」と名付け、顧客提案のコアコンセプトに据えているという。
図の5つのステップを提唱している。防犯などの目的で導入済みのカメラをクラウドカメラに置き換えることで、現場の「見える化」から「データ活用」までの全体像を描くことができる
「『DXの第一歩として何から取り組めば良いのかわからない』と考える製造業のお客様は多いかもしれません。しかし、セーフィーのクラウドカメラはシステムの構築が不要で1台からでも利用可能です。また、実は工場内には、防犯、監視などの目的で既に多くのカメラが設置されています。それらをクラウドカメラに置き換えるだけで、過剰な投資や社内稟議を回避しつつ、膨大なデータを収集・蓄積できる仕組みが実現できます。データ活用は、DXの中核的な取り組みの1つです。当社のクラウドカメラが、DX実現のハードルを下げ、新しいビジネス価値を生み出すための第一歩をお手伝いします」と小室氏は強調する。
実際、クラウドカメラを活用し、現場DXに向けて動き出す製造業は多い。
ある大手機械要素部品メーカーでは、LTE搭載のクラウドカメラ「Safie GO(セーフィー ゴー)」を核に、24時間稼働の製造機器を監視する仕組みを構築。Safie GOの動体検知機能を利用することで、これまで検出が困難だったラインの“チョコ停”を可視化し、発生時の速やかな対処を実現している。
「クラウド上に蓄積された映像データを確認することで、あとから動体の有無を時系列で振り返ることができます。まずは人による確認から始め、映像データがたまってきたら、データ分析に基づく予防保全につなげることが可能です」と同社の玉﨑 あかね氏は説明する。まさに、現場DXの第一歩としてのクラウドカメラ導入の見本といえるだろう。
またセーフィーでは、据え置き型のSafie GOに加え、ウエアラブル型の「Safie Pocket2(セーフィー ポケット ツー)」も提供している。どこへでも持ち運べるため、時々の生産状況などのニーズに応じて、工場内の任意の機器や作業員の動きを撮影することも容易にできる。「また、熟練者の手元の映像を撮影・蓄積し、後進への技術継承に活用するといった使い方もできます。現場で培われた膨大な無形資産を、ビジネス価値の源泉にできるはずです」と玉﨑氏は紹介する。
さらにセーフィーは、製造現場における、より発展的なデータ活用を支援するため、ソリューション機能のAPI化と公開にも積極的に取り組んでいる。ユーザーがSafie GO/Safie Pocket2で撮影し保管したクラウド上の映像データを、外部システムからでもリアルタイムにストリーミングで取得したり、静止画像を取得したりすることが可能になるのだ。現在β版だというこの機能は、2021年中をめどに正式リリース予定。その後は、多様なシステムとの連携に基づく映像データの活用および現場DXを、より強力に推進できるようになるはずだ。
「当社のクラウドプラットフォームでは、業界を問わずに利用できる汎用的な機能を提供してきました。今後は、個別の業界や技術領域に特化したパートナーとの連携も強化してまいります。これにより、今まで以上にお客様固有のニーズにもお応えできる『映像データ活用』のためのエコシステムを提供していく予定です」と小室氏は付け加える。
クラウドカメラ1台の導入で、現場の「見える化」、その先のデータ活用、そして「現場DX」の実現につなげる――。現場の映像データをいつでも、どこでも、誰でも簡単に活用できるようにするセーフィーのソリューションに注目だ。