グローバルAI企業と日本企業の懸け橋を目指す有望な企業のAI技術発掘と提供を支援

企業のデジタルトランスフォーメーション(DX)をけん引する先端技術として、AI(人工知能)はあらゆる分野での活用が注目されている。SEOIL E&M(韓国)は、AIに特化したグローバルスタートアップ企業の製品を日本企業に向けて提供している。同社は、韓国をはじめ世界中の優れたAI開発企業と日本企業の懸け橋となることを掲げ、AIに学習させるデータを収集加工する技術、画像に基づき異常を検知するAI、AIモデルを軽量化、高速化する技術をそれぞれ提供する4社の製品を紹介している。

SEOIL E&Mはホームページを介して紹介する企業を順次追加していく予定で、まず第一弾として、グローバルスタートアップ企業を代表する4社を紹介。この4社の製品情報を提供するホームページ「AI No.1 Platform」で情報発信するとともに、オンライン問い合わせ窓口を提供し、新規顧客開拓に結びつけていく方針だ。

AI No.1 Platform

韓国スタートアップ企業の製品を紹介する「AI No.1 Platform」トップページ

AIの学習データを収集し加工するツールを提供

TESTWORKS社は、米国のMicrosoft社出身のエンジニアが創業したスタートアップでAIの学習に用いるデータを収集し加工するツールを提供する。ツールには、クラウドソーシングを活用したデータ収集加工のプラットフォーム「aiworks」と、より自動化された収集加工ツール「blackolive」がある。ツールの特徴は、AIによりデータ収集加工を支援する「AIのためのAI」であることだ。同社の製品には自律型の自動運転車の研究開発や、音声認識分野への応用の実績があるという。

SEOIL E&M社Planning & Marketing Group / Professionalの鄭 エノク氏は「AIの活用では、AIに学習させるデータの品質が大事です。データの収集と加工はAIの適用で一番大事といっていい工程ですが、そこには多くの技術者の人手がかかっていました。TESTWORKS社のツールはこの重要な工程をAIで支援します」と説明する。

効果的な自動化ツール

自体開発ツールを利用し、データ加工のプロセスを自動化したので、データセットの構築速度が優れています。

画像に基づく異常行動検出
および異常状況把握のAI技術

Alchera社は、サムスン総合技術院の出身者を中心に創業したスタートアップで顔認識技術や、画像認識に基づく異常行動検出および異常状況把握のためのAIを開発、提供する。監視カメラの画像に基づき、公共の空間で異常な行動をとる人をいち早く自動的に検出するなどの応用が可能だ。日本企業や韓国政府で採用された実績があるという。

「Alchera社は世界的なスタートアップ育成プログラムPlug and Playで2年連続15位以内に入るなど高い評価を得ています。2020年12月に韓国証券市場に株式を上場しており、財務的にも安定している企業です」と鄭氏は語る。

AIモデルを自動的に短時間で
軽量化するNetsPresso

Nota社は、AIモデルを軽量化する自動化ツール「NetsPresso」を提供する。このツールの活用により、AIモデルをクラウド上ではなくリソースが少ないエッジデバイスで動かすことが可能となり、運用コストを削減するなどの効果を得ることができる。

Nota社のツールの特徴は、自動化により作業時間を大幅に短縮できることだ。従来のAIモデル軽量化では、技術者が手で作業するやり方が主流だった。一方、Nota社のツールは自動的にAIモデルを軽量化する。従来2週間かかっていたAIモデル軽量化の作業を1日以内に短縮でき、他社製ツールに比べ優位性があるとしている。

Nota社は2020年8月にシリーズA資金調達を実施している。「この際に、サムスン電子系とLG電子系のライバル関係にある企業グループ同士がそれぞれ資本参加しました。またNota社はIntelとも提携しています。これは同社の評価が高い証拠です」と鄭氏は力説する。

AI推論を加速するソフトウェア、
メモリー1/9に削減し実行速度を3倍

SOYNET社は、韓国IBMの出身者が集まって始まったスタートアップで、AIの推論を加速するソフトウェアを提供する。既存の人工知能frameworkに比べてより速い推論サービスを提供することが可能だという。同社製品の適用により必要なメモリーを1/9に削減しながら実行速度を3倍にできるとしている。これによりAIモデル実行のサーバー費用を低減するなどの効果を得ることができる。また、ツールの活用に特殊なスキルは必要とせず、一般の技術者によって活用できるとしている。同社製品は韓国の製鉄会社で不良品検査に使われた実績があり、ハードウェアの更新なしで処理を3倍高速化したという。このほか、東南アジアのある国で自動車の速度違反取り締まり用の機器に使われた実績を持つとしている。

以上の4社が、SEOIL E&Mのホームページ「AI No.1 Platform」で発信しているスタートアップ企業のAI技術だ。同社は、この4社以外の製品も順次、日本市場への紹介を進めていくとしている。「韓国人工知能協会には約350の会員企業が参加しており、これらの企業の製品やサービスも順次日本市場に提供していきます。単に一度きりの紹介ではなく、韓国企業と日本企業がパートナーシップを長く結び続けられるような役割を果たしていくことを目標としています」と鄭氏は強調する。

日本企業と韓国AI企業の
シナジー効果を支援する

新型コロナウィルスの世界的な拡大の影響で、海外への移動や対面での商談が制限されている中、SEOIL E&M社はホームページで情報提供をするほか、日本語による問い合わせやWeb会議の申し込みも受け付ける。同社は「コロナ禍で移動がままならない状況だが、Web会議には積極的に対応します。日本企業とAIスタートアップ企業との技術者同士の会議を、対面であれWeb会議であれアレンジすることも可能です。日本企業と韓国AIスタートアップ企業の協業によりシナジー効果を出していきたい」と事業のビジョンを語る。SEOIL E&M社は、半導体製造に必要な日本製の化学製品を韓国に輸入するビジネスを20年にわたり手がけてきた経緯がある。AIスタートアップ各社の製品を日本市場に提供する上で、そのノウハウとネットワークの活用は大きな強みとなるという。

SEOIL E&M社は韓国のAIスタートアップ企業だけでなく、チェコのAI企業にもネットワークを持ち、今後は世界中のAIソリューションを手がけていくと意欲的だ。ホームページで紹介している企業以外に、米国のNBC放送局で使用されている「APPTEST.AI」、世界的な科学者が創業しAI Core技術を保有している「HoDoo AI」、AIプラットホーム企業「T3Q」があり、そのほか、ヘルスケアAIやペットAI分野の企業などグローバル競争力のあるスタートアップを紹介していくという。さらに、技術大学を含む韓国でも有数の大学とのネットワークを活用して、テクノロジー企業を発掘している。

「日本企業のニーズに合わせ、カスタマイズされたAI技術開発を通して協業も可能なので、日本のお客様からのお問い合わせと協業を期待しています。また、 世界中の有望なAI技術を日本市場に提供していき、第4次産業革命(Industry 4.0)に有効活用してもらいたい」と鄭氏は力を込めて語る。

問い合わせ

SEOIL E&M

http://seoilai.jp/jap/main/