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葛飾区立上平井中学校 教諭(理科) 沖田 猛 氏

東京都葛飾区では、2020年9月に全中学校の特別教室を対象にタッチパネルを装着したソニー4K大型提示装置を導入した。なぜ、同機が選ばれたのか。教育現場では、どのように活用されているのか。2021年度からの1人1台端末の本格的な活用が迫っている中、葛飾区教育委員会に話を聞くとともに、同区立上平井中学校の授業を見学した。

教育現場からの要望は
「より見やすく、使いやすい機器を」

葛飾区教育委員会事務局 指導室長 加藤 憲司 氏 葛飾区教育委員会事務局
指導室長
加藤 憲司

葛飾区教育委員会事務局 指導室 教育情報係 係長 江川 泰輔 氏 葛飾区教育委員会事務局
指導室 教育情報係 係長
江川 泰輔

 葛飾区教育委員会は、今後の社会状況や教育を取り巻く環境の変化を見据えた学校教育の実践に向けて、2019年度から5年間を計画期間とする情報化分野の行動計画「かつしか教育情報化推進プラン」を策定。これに沿って、指導者用端末、児童・生徒用端末、無線LAN環境の整備などを一体的に進めている。今回の中学校を対象とした特別教室への大型提示装置の導入も、この計画の一環として実施された。

 「中学校では2016年度から全ての普通教室に、小学校では2019年度から特別教室を含む全教室に65V型の大型提示装置を整備し、デジタル教科書の提示や動画の視聴などに活用しています。新たに中学校の特別教室に導入する機種を決める際には、これまで現場で大型提示装置を使ってきた教員の声も参考にしました」と語るのは、葛飾区教育委員会事務局 指導室長の加藤憲司氏である。

 では、具体的にどのような点が重視されたのか。同教育委員会事務局 指導室 教育情報係 係長の江川泰輔氏は次のように述べる。「理科室や美術室などの特別教室は、視覚に訴える授業を行うことが多い場所です。窓からの光が反射したり、風景が映り込んだりして、見えづらくなるようでは困ります。まず文字・画像が鮮明に見えること、視認性の良い画面であることを重視しました」

 また、電子黒板としての機能を持つことも条件とした。しかも、単に電子黒板として〝書き込める〟だけでなく、操作性・機能性の高さも重視した。「授業で教師がスムーズに使えなければ、生徒たちの集中力が途切れてしまうからです」と江川氏は説明する。

 葛飾区教育委員会が提示した基本仕様を満たしたうえで、こうした条件に適した機種として選定されたのがソニー4K大型提示装置だ。同教育委員会が管轄する中学校は24校ある。その全ての特別教室に、タッチパネルを装着し、電子黒板としても使えるソニー4K大型提示装置が導入され、2020年9月から活用されることになったのだ。

 「葛飾区では2021年度から小・中学校の1人1台端末の本格的な活用がスタートします。1人1台端末と大型提示装置の融合による効果を期待しているところだったので、9月から活用できることになって安心しました。待ちに待った大型提示装置が特別教室に入り、教員たちのモチベーションも上がっています」(加藤氏)。

大型提示装置の特性に着目した
上平井中学校の理科、美術科の授業

葛飾区立上平井中学校 教諭(理科) 沖田 猛 氏 葛飾区立上平井中学校
教諭(理科)
沖田 猛

葛飾区立上平井中学校 教諭(美術科) 種池 ゆき乃 氏 葛飾区立上平井中学校
教諭(美術科)
種池 ゆき乃

 教育の現場では、どのようにソニー4K大型提示装置を活用しているのだろうか。葛飾区立上平井中学校の理科と美術科の授業を見学した。

 同校の第2理科室で行われていたのは、中学校2年生を対象にした「天気図から天気を予報しよう」という授業だ。教室に入ってまず驚くのは、そのレイアウト。4〜5人用の机が並んだ正面の黒板脇にはプロジェクタースクリーンが置かれ、窓際と廊下側にはソニー4K大型提示装置が2台設置されている。「グループ学習なので、全員が黒板に向かっているとは限りません。どの生徒も正面から見られるようにするため、こうした配置にしました」と、同校・教諭の沖田猛氏は説明する。

 授業は、実物投影機を使って等圧線や前線の図などを画面に提示したり、天気予報番組の録画を流したりしながら進められていく。ソニー4K大型提示装置の画像は明るく鮮明で、等圧線1本1本がはっきりと見え、地図上の前線の様子もよく分かる。「動画を見せたり、資料を拡大して見せたりすることで理解を深めようというのが、大型提示装置を使うねらいです」と沖田氏。地学だけでなく、物理や化学の実験でも大型提示装置を活用。実験の手順を大きく見せることによって、生徒たちの関心や集中度が高まり、授業がスムーズに進むようになったという。

 一方、美術室では中学校1年生の「てん刻制作」の授業が行われていた。授業を担当する同校・教諭の種池ゆき乃氏は、最初にソニー4K大型提示装置に「陽刻」と「陰刻」のサンプルを大きく提示し、それぞれの違いを説明する。「もし、大型提示装置がなければ、資料をコピーしたものを見せることになります。しかし、それでは実際の教材と見比べた時、色の違いなど見え方に差が生じてしまい、生徒が戸惑ってしまいます」と種池氏。美術科の授業では、生徒が持つ教材や資料と全く同じものを見せることが重要だが、 2台のソニー4K大型提示装置とプロジェクター、黒板を駆使して行われた理科の授業2台のソニー4K大型提示装置とプロジェクター、黒板を駆使して行われた理科の授業そこにまず大型提示装置を活用する利点があるという。

 その後、生徒たちは参考図書などを見ながら自分のデザインを決めていくのだが、そこでも大型提示装置が活用される。そのねらいについて種池氏は、「作業の進んでいる生徒の作品を大きく見せて他の生徒に刺激を与え、授業への参加意識を高めるようにしています」と語る。

2台のソニー4K大型提示装置とプロジェクター、黒板を駆使して行われた理科の授業 2台のソニー4K大型提示装置とプロジェクター、黒板を駆使して行われた理科の授業

生徒も教師も授業に集中
大型提示装置の可能性に期待

明るく鮮明で、見やすい、ソニー4K大型提示装置の画像 明るく鮮明で、見やすい、ソニー4K大型提示装置の画像 美術科の授業ではソニー4K大型提示装置に生徒の作品を提示 美術科の授業ではソニー4K大型提示装置に生徒の作品を提示

 ソニー4K大型提示装置を理科の授業に活用した沖田氏は、「最大の特長は画質が良く、明るいこと。例えば光の授業を行うとき、画像が暗いと光の明暗を示す図が見えにくかったりするが、この大型提示装置なら明暗がはっきりとし、画質も良いのでよく分かります」と感想を述べる。一方、美術科を担当する種池氏も、「画像が美しく、明るい教室でも見やすいうえに、色や細部がきれいに再現できているので、生徒に作品の魅力がよく伝わります」と画質の良さを指摘。また、両氏共に「デジタル教科書・教材へのレスポンスもよく、ストレスなく活用できます」と機能性の高さを評価する。

 大型提示装置の導入によって、「生徒も教師も授業への集中度が高まった」と口を揃える両氏は、今後の活用について、次のように抱負を述べた。

 「今は試行錯誤を繰り返しつつ、効果的な活用法を模索しているところです。ゆくゆくは生徒の端末と連動させて、各自の意見を大型提示装置に映すという授業を展開していきたいですね」(沖田氏)。

 「みんなの作品をスライドショーのようにして見せ、それぞれの作品に対する感想を生徒各自が端末を使って書き、大型提示装置に映して全員で共有する。そんな授業を展開すれば、美術科の時間がもっと楽しくなると思います」(種池氏)。

 2021年度から本格的な活用がスタートする1人1台端末と今回導入されたソニー4K大型提示装置。この融合による効果的な活用を目指して、教育現場では今、多様な取り組みが始まっている。

葛飾区立上平井中学校
校長 加藤 善一

視覚的に確認することで
確かな理解へと導く大型提示装置

葛飾区立上平井中学校
校長 加藤 善一

 私自身も大型提示装置を使って授業を行ったことがあります。その時に実感したのは、大画面で視覚的に学習内容を確認することによって定着効果が高まるため、確かな理解へと導きやすいということです。また、興味・関心の高揚を図るうえでも効果的です。大型提示装置を活用すれば、50分という授業の枠組みの中で、効率的に授業展開できることは間違いないでしょう。しかし一方で、教師が生徒と目を合わせ、語り、教えるという授業によって吸収されていくものもたくさんあります。そうした授業と、ICTを活用した探究型の授業を時と場合に応じてバランスよく展開できる授業スタイルを構築することが大切だと考えています。

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