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富山県魚津市では、1人1台PC環境の整備に合わせて、市内の小・中学校の普通教室にソニーの4Kディスプレイ「ブラビア」を電子黒板として導入した。なぜ、ソニーの機器を選んだのか。教育現場では1人1台PCとどう連携させ、どのような教育を展開していくのか。同市教育委員会の担当者と市立よつば小学校の校長、ICT主任に、1人1台PC時代に求められる電子黒板の条件や機能、期待される教育効果などについて伺った。

視認性の高さと起動の速さを重視
デモ機2台を比較して導入を決定

菊地 宗哉 氏 魚津市教育委員会
教育総務課 総務係 主査
菊地 宗哉

 富山県東部に位置する魚津市は、約4万1000人の人口を有し、市内には5つの小学校と2つの中学校がある。教育のICT化を積極的に推進する同市は、2017年に策定した「魚津市教育情報化整備基本計画」に則り、2020年度の段階で全ての小・中学校にタブレットPCを配備し終えた。

 「次の課題は、PCの活用に向けて電子黒板を整備することでした。これまでは各校に3〜4台の電子黒板を設置していましたが、ICT化の効果をより高めるために、全ての普通教室に配備することにしたのです」と語るのは、魚津市教育委員会 教育総務課 総務係 主査の菊地宗哉氏である。

 新しい機種の選定にあたっては、これまで電子黒板を使ってきた教育現場の声を聞いた。その結果、配備されていた機器について、「日差しが当たると画面がよく見えない」「教室の横の席から見えにくい」「起動に時間がかかる」「重くて移動が大変」などといった課題が可視化されたという。

 そこで同教育委員会は、ソニーの4K大型提示装置にタッチパネルを装着したデモ機ともう一機種、他メーカーのデモ機を導入し、明るさや使い勝手などの問題点を教育現場で比較・検証した。「ソニーの4Kブラビアについては教育総合展などで実見していたので、画質の良さなどは分かっていましたが、念には念を入れて、デモ機で使い比べることにしたのです」(菊地氏)

花房 智樹 氏 魚津市立よつば小学校
教諭 ICT主任
花房 智樹

 実際に現場の反応はどうだったのか。市立よつば小学校の教諭でICT主任を務める花房智樹氏は、こう感想を述べる。「何よりも4Kの高画質に圧倒されました。前機種で課題だった画面の明るさや視野角の広さなどは全て高いレベルでクリア。電子黒板では音量の大きさも大切だと考えていますが、その点も問題がありませんでした。さらに起動が速いこと、軽量で移動が簡単なことも高く評価しました」

 こうした教育現場の評価を背景に、同教育委員会ではソニーの65V型ブラビア84台の導入を決定。昨年12月から今年1月にかけて、市内の小・中学校の普通教室に配備した。

PCと連携してノートを電子黒板に
高まる授業への参加意識

「ソニーの4Kブラビアは明るく高画質なので、日差しが入る教室でもよく見えます」と花房氏 「ソニーの4Kブラビアは明るく高画質なので、日差しが入る教室でもよく見えます」と花房氏

 導入された電子黒板は今年4月から本格的な活用が始まった。「各校に3〜4台しかなかったときは、限られた先生しか使っていなかったようですが、今では全ての教師が毎日利用しています」と菊地氏。1人1台PCとの連携を念頭に入れて各教室に配備された電子黒板だが、実際にどのように使われているのだろうか。

 よつば小学校で教壇に立つ花房氏は、「どの教科についても言えますが、電子黒板はまず動画教材の活用に便利です」と語り、その理由をこう説明する。「子どもたちの中には、文字による情報は苦手だけれども、映像や音などの情報はすっと頭に入っていくという子がいます。そういう子たちに動画教材を大きくてきれいな画面で見せることは、想像以上に高い教育効果があります」

 また、口頭でいくら指示を出してもなかなか理解できない子どももいる。そういうとき、電子黒板の画面に指示の内容を映しておくと、理解が促されるという。「『誰にでも分かりやすい授業』に近づくために、大きくて高画質の電子黒板は必要不可欠なツールだと考えています」と花房氏は語る。

 デジタル教科書・教材を活用する際にも、ソニーの4Kブラビアは大きな役割を果たしている。例えば、授業支援ソフトを使い、子どもたちのPCにはノート画面を、電子黒板にはデジタル教科書を映すというような、完全にデジタル化された授業を行うこともある。「もちろん、必要に応じて子どもたちのノート画面も電子黒板に映し出します。自分のノートが画面に掲示され、みんなに共有される。たったそれだけのことで、子どもたちの授業への集中力と参加意識は高まります。また、教える側にとっても、子どもたちの状況が瞬時に分かり、指導しやすくなるというメリットがあります」(花房氏)

 しかもソニーの4Kブラビアは起動が速く、操作が簡単なので、貴重な授業時間を無駄なく使える、と花房氏は評価する。

電子黒板を介して生まれる「対話」
子どもが主役の教育を目指す

電子黒板を使った授業風景。大きな画面に子どもたちのノートが映し出され、さまざまな対話が生まれていく

 魚津市の小・中学校における電子黒板の活用は、まだ始まったばかりだ。しかし、その教育効果はすでに表れている、と花房氏は述べる。「電子黒板を日常的に活用するようになったことで、『子ども同士の関わり』が増え、発言しよう、授業に参加しようという意識が格段に高くなりました。例えば、子どもたちの作品などを画面に映し出すと、お互いに自由かつ積極的に評価し合うようになります。大型提示装置が入ったおかげで、誰もが授業に参加しやすい環境が整いつつあります」

 魚津市では、各小学校にICT化を推進するICT主任を設けている。花房氏もその1人だ。そして、ICT主任で組織する「魚津市情報教育研究会」を設置。そこに教育委員会の菊地氏やIT関連企業の教育市場担当者も加わり、電子黒板の活用も含めた、より効果的なICT教育の在り方を摸索している。

 「1人1台PCと授業支援ソフト、そして電子黒板。先生方には、それぞれのメリットを生かして、子どもたちの意見を集約したり、子どもたちがお互いに評価し合ったりする授業を展開していただきたいと考えています」と菊地氏。それに対して花房氏は、「電子黒板は『子どもと子どもをつなぐ』ためのツールとして、非常に有効です。なぜなら、電子黒板を介して対話が生まれるからです。その特性を生かして、子どもたちが課題について話し合い、必要な情報を自分たちで選択し、議論し合いながらゴールにたどり着く、そんな授業の実現を目指していきます」と、抱負を述べた。

魚津市立よつば小学校
校長 水橋 渉

授業改善に有効な電子黒板
より効果的な活用法を模索

 学習指導要領が改訂されて2年目を迎え、主体的、対話的で深い学びの実現に向けて、授業を改善することが求められています。そのためには、まず子ども一人ひとりに授業の面白さや楽しさを伝え、本当に分かったと実感させることが大切です。本校では、電子黒板を使用することによって子どもたちの興味や関心、参加意識が高まってきており、授業改善のためのツールとして非常に有効だと考えています。
 とはいえ、ICTの活用は始まったばかりです。そのため、年間計画の中に位置付けられた研修会、週1回の学年会、ICT主任の判断で開催される職員室での勉強会など、ICTの知識や活用法を学ぶ機会を数多く設けています。ICT活用に際して一番重要なのは「教育効果」です。それによって、子どもたちは何を学び、どのような力を身につけていくのか。その点を踏まえて、電子黒板やPCの活用を考えていきたいと思います。

ソニーマーケティング株式会社

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