DX(デジタルトランスフォーメーション)が企業の成長や生き残りを大きく左右する時代だ。データ利活用の重要性はますます高まっている。こうした状況下で多くのユーザー企業がIoT事業への取り組みを進めている。一方でIoTの仕組みを実装するためには、コスト抑制はもちろん、商品への通信機能の実装や適正な通信速度の確保といったハードルを乗り越えていかなければならない。こうした課題に直面するIoT事業者の“良き伴走者”となる新サービスがリリースされた。2021年3月にソニーネットワークコミュニケーションズ スマートプラットフォーム株式会社が提供を開始した「MEEQ(ミーク)」だ。

新たな通信サービスの提供で
IoT事業者に伴走する

これまでソニーネットワークコミュニケーションズ スマートプラットフォーム株式会社(以下SNCSP)は、MVNE(Mobile Virtual Network Enabler)事業者として、MVNO(Mobile Virtual Network Operator=仮想移動体通信事業者)を支援してきた。MVNOはNTTドコモ/KDDI/ソフトバンクの3大キャリアから、通信インフラを借りて無線通信サービスを提供する事業者だ。そしてSNCSPは、このMVNOのビジネスを支援する企業ということになる。SNCSPの事業内容について、統括部門長/CTOの小早川 知昭氏は、次のように説明する。

ソニーネットワークコミュニケーションズ
スマートプラットフォーム株式会社
統括部門長/CTO
小早川 知昭 氏

「我々は現在トリプルキャリアに対応した数少ないMVNE事業者として、ソニーネットワークコミュニケーションズ時代の2013年4月から、MVNO様をご支援してきました。具体的には3G/LTE/LTE-Mなどの回線を用意し、閉域ネットワーク対応のSIMも提供しています」(小早川氏)

ただしMVNOの中には、本当に何もないところから事業を立ち上げる事業者も多いという。そのためビジネスそのものの知見やノウハウも事業者は必要としているのだ。

「我々の大きな特徴は、回線やSIMといったインフラ回りをご提供するだけでなく、MVNO様の1社1社が事業を立ち上げるまで伴走させていただくという点にあります。その背景にはもちろん我々自身が培ってきた知見もありますし、ソニー独自の通信規格などソニーグループとしてご提供できるテクノロジーやノウハウもあります。グループ全体の知見を駆使することで、我々はお客様のビジネスを支援しています」(小早川氏)

そして2021年3月18日、SNCSPがIoT事業者向けに新たな通信サービスとしてリリースしたのが「MEEQ」だ。

ビジネス要件に応じて
SIM・管理コンソール・閉域ネットワークを提供

MEEQはこれまでSNCSPがMVNE事業を通じて培ってきた知見やノウハウを元に、IoT事業者向けのネットワークプラットフォームを提供する通信サービスだ。製品・設備などに搭載するSIMと管理用コンソールに加え、顧客ニーズに応じて閉域ネットワークも提供する。MEEQリリースの背景について、営業部門 部門長の石塚 大介氏は、次のように説明する。

ソニーネットワークコミュニケーションズ
スマートプラットフォーム株式会社
営業部門 部門長
石塚 大介 氏

「近年MVNE事業のお客様であるMVNO様から、今後自分たちのビジネスをB2B領域にも広げていきたいというお話を数多く耳にするようになりました。背景にはDXへの取り組みが喫緊の課題となり、その一環としてIoTに取り組む企業が増えていることが挙げられます。そこで我々の強みを活かしたIoT事業者向けのサービスを作ろうとリリースしたのが、MEEQなのです」(石塚氏)

MEEQは豊富な価格プランをラインナップする「MEEQ SIM」、回線管理用の「MEEQコンソール」、閉域通信を実現する「MEEQ 閉域ネットワーク」、そしてLPWA通信サービスである「MEEQ for ELTRES」で構成される通信サービスだ。ユーザーニーズに応じてクレジットカード払い/請求書払いの両方に対応している。

例えばMEEQは、ある企業が自社製品に通信機能を搭載し、ネットワークを介して利用者の使い方などのデータを取得してよりきめ細かい付加サービスを提供したり、あるいは新製品の開発に利用したりといった場面で、非常に有用となる。IoT事業者が通信環境を構築したいという場合、販売する製品にMEEQ SIMを搭載して通信はインターネット経由で行う仕様にしておけば、IoT事業開始までのリードタイムを大幅に短縮することができる。また一連の仕組みを作っていく上では、SNCSPの知見が大きな拠り所となる。

「MEEQは大きく3つの要素で構成される通信サービスですが、その本質は、リソースを持たないIoT事業者様がIoT事業を立ち上げるまでをフルサポートさせていただく点にあります。お客様のIoT事業の立ち上げそのものを支援することが、MEEQ本来の目的だと言えます」(石塚氏)

通信コストの大幅低減を可能にする
月額130円/10MBからのMEEQ SIM

次にMEEQのメリットを詳しく見ていこう。まずMEEQでは、MEEQ SIMに多様な価格プランをラインナップすることで、ユーザーニーズにきめ細かく対応している。現在一番低廉なのは、月間データ容量10MB・月額130円固定の「定額10MBプラン」だ。

「MEEQの大きな特徴となっているのが豊富な料金プランです。MEEQ SIMは1回線10MBまでを月額130円からご利用いただくことが可能で、この『定額10MBプラン』では上限を超えた場合には通信をストップするようになっています。他社サービスの中には最低利用料が低額な従量制のSIMもありますが、例えば予期せぬファームウエアのアップデートがかかった場合、通信コストは一気に跳ね上がってしまいます。『定額10MBプラン』では、10MBを超えた場合にはオプションで通信容量を購入していただくことで、SIMの利用を続けることができるようになっています」(小早川氏)

従量制の価格プランには通信コスト増大のリスクがある。そこでSNCSPでは、一番安い料金プランで上限10MBを超えた時には、通信を一旦止めて必要に応じて追加で容量を購入してもらうようになっている。一見不便なように感じるだろうか。しかし事前に必要な通信量を試算してネットワークを設計すれば何の問題もなく、そしてSNCSPのサポートはその試算から対応している。通信コストを低減できるメリットのほうが遥かに大きいと言えるだろう。

また中容量クラスでは、「定額100MBプラン」を月額230円で提供している。このプランでは上限100MBを超えた場合でも通信は止まらず、最大通信速度が32Kbpsになるように設計されている。つまりSNCSPでは価格プランごとに、契約容量を超えた時の“通信の振る舞い”を変えているのだ。

こうした価格体系は、SNCSPが顧客の様々なIoT事業において通信がどのように振る舞うのかを熟知しているからこそ、実現できたプランだと言える。

「MEEQのリリース以前から、我々はお客様のご要望に応じてIoT事業向けの通信サービスを数多くご提供してきました。その過程では様々な困りごとにもお応えさせていただいています。こうした経験も踏まえて作り上げたのが、MEEQの価格プランなのです。我々にはお客様のIoT事業に伴走させていただく豊富な知見があると自負していますが、回線コストだけで見ていただいても、MEEQは大きなメリットをご提供できると確信しています」(小早川氏)

使いやすい管理コンソールや
閉域ネットワークも提供

MEEQでは豊富な価格プランに加えて、使い勝手の良い管理用コンソールと、閉域ネットワークサービスも提供している。

まず管理用のMEEQコンソールでは、各種通信回線サービスの購入や決済、ユーザー登録、利用状況の監視などを直感的なユーザーインタフェースを介して行うことができるようになっている。

「例えばMEEQコンソールでは、ダッシュボートで発注済みのSIMの数と、まだアクティベートしていないSIMの数を並べて時系列のグラフで確認できるようになっています。あるいは購入した複数回線をいくつかのグループに分けて、グループごとにまとめてアクティベートしたり、料金プランを変更したり、さらにはそのグループで今どれぐらいの通信量が使われているのかを確認することも可能です。こうした機能は、管理者の皆様がどんな業務をしなければならないのかを我々が十分に理解しているからこそ、実装できたものだと言えます」(小早川氏)

またIoT事業者の事業内容によっては、インターネット接続ではなく、閉域でSIMとの通信を確立したいというニーズも当然ある。その際にもSNCSPは閉域網を構築するためのサービスを提供している。

さらにソニー独自の無線通信規格である「ELTRES」を利用した「MEEQ for ELTRES」というLPWA通信サービスも用意している。その特徴について、石塚氏は次のように説明する。

「ELTRESは、ソニーネットワークコミュニケーションズが提供するLPWA(Low Power Wide Area)、即ち低消費電力で長距離通信を可能にする公衆サービスで、ELTRES IoTネットワークでは、条件次第ですが電池で年単位使い続けることが出来ますし、見通し100km以上の長距離伝送を可能にする伝送性能も提供しています。また時速100km以上の高速移動体にも対応しており、ノイズの多い都市部でも感度の高い安定した通信が可能なほか、通信モジュールにはGNSS(全球測位衛星システム)を標準で搭載しています」(石塚氏)

MEEQの根底には、長期にわたって数々の通信事業に取り組んできたソニーの技術力が存在している。

「ソニーグループは長年にわたり通信技術開発、通信サービス提供に取り組んでまいりました。端末開発や独自の通信規格による通信サービスの実現など、総合的な技術力では世界トップクラスと言えると思います。我々SNCSP自身も、例えばトラフィックの推移をAIで予測し、予測に基づいて数時間単位で帯域制御を動的に変更するなど、最先端の技術を開発・導入し、通信品質の向上を実現しています。

MEEQをご利用しやすい価格で提供できたのはこのように高い技術力をお客様の価値に直結させているからですが、今後はこのAI自動化技術を機械の異常検知、水位監視、仕入れの予測など、お客様がIoTを通して実現したいことが我々のプラットフォームをお使いいただけば簡単に実現できるように応用していく予定です。皆様のIoTビジネスにおける心強い伴走者として、ご協力させていただければ幸いです」(小早川氏)

お問い合わせ

ソニーネットワークコミュニケーションズ スマートプラットフォーム株式会社

お問い合わせはこちら