データの分析・活用に取り組む企業が急速に増えている。しかし、そこから十分なビジネス成果を得ている企業は少ない。
なぜ、データ活用の実態と成果には大きな乖離があるのか。その大きな原因の1つが、システムおよびデータのサイロ化だ。組織ごとにシステムやデータが分断され、同じ基準・タイミングでデータを見ることが難しい。部署によってはデータが上がってくるのを待って資料を作らなければならない。経営報告をまとめても、最新のデータが反映されているとは限らない。結局、意思決定は勘と経験と限られたデータで行うことになる。
課題解決には、データから価値を生むためのスキームを構築することが重要である(図1)。これを実現する有力なソリューションの1つが、ドーモが提供するクラウド型BIプラットフォーム「Domo」である。「あらゆるデータを誰もが同じ基準・タイミングで利活用し、データから有益なインサイトを容易に得られるようになります」とドーモの田尻 美和子氏は述べる。
Domoはあらゆるデータソースとの連携に対応したプラットフォーム。多様なデータを移動させることなく統合し、それを統一されたビューで一元的に活用できることが最大の特徴だ(図2)。
データ変換作業も容易に行える。「プログラミングの経験がなくても、ドラッグ・アンド・ドロップ操作だけでデータソースの結合・変換が可能。結合・変換の作業時間を大幅に短縮できます」(田尻氏)。
簡単に操作が行える点も大きなメリットだ。チャートの作成も瞬時に行えるため、視覚化されたデータを基に価値あるインサイトを得やすくなる。Domoのデータサイエンス機能を利用すれば、データサイエンティスト以外のユーザーでも予測モデルを作成可能だ。
Domoにはコラボレーションツールと生産性を高めるツールが既に組み込まれており、データやインサイトを見ながらの議論もすぐに始められる。「データを『共通言語』として、人とのコラボレーションでインサイトがより深みを増す。これもDomoの大きな強みです」と田尻氏は強調する。
必要に応じて独自の基準でアラートを設定することも可能だ。例えば、KPIが一定の閾値を超えたらアラートを出すという設定をしておけば、関係者のPCやスマートフォンに自動でアラートが発出される。「経営データの重要指標の変化を見逃すことなく、データに基づく意思決定を迅速化できます」と田尻氏は語る。
データを保護するためのセキュリティも強固だ。政府・公共機関、ヘルスケア、製薬、製造、ハイテクなど規制が厳しい業界を中心に、各種のコンプライアンス/プライバシー要件に対応。高度な内部セキュリティ管理機能に加え、多要素認証、暗号化キーの管理、IPアドレス制限などに対応したセルフサービス型のセキュリティ機能も実装している。
こうしたメリットを生かせば、データに基づく危機管理対策も可能になる。これを具現化したソリューションが、政府・自治体関係者向けに提供する「COVID-19危機管理センターApps」だ。病床数、PCR検査状況や検査を受けられるまでの目安時間、マップを利用した感染状況の追跡と人々の移動、医療備品の在庫状況などの最新情報を即座に把握できる。米ユタ州に導入されたのを皮切りに、アイオワ州、ネブラスカ州と活用が広がり、2020年4月以降、日本での提供も開始した。
Domoは国内外で業種・業態を問わず幅広く利用されている。導入企業の多くがデータドリブン経営を加速し、大きな成果を上げている。
Pascoブランドで知られる敷島製パンはその1社だ。生産管理と勤怠管理システムをDomoに連携し、時間帯別要員と実績在籍人員の把握に活用。ラインや工場単位で人員配置と作業実績を容易に集計・比較できるようになった。全工場でのデータ集計・加工、レポート配信もDomoによって自動化した。工場ごとの工数削減状況や異常値が即座に把握できるため、取り組むべき優先順位が明確になったという。
データ活用が定着したことで、社内の意識も変わりつつある。管理職は毎日データを見る習慣がつき、課題に対するアクションの指示も具体的になった。ライン間で作業応援したり、作業の無駄を洗い出したりするなど業務改善のアイデアも現場から次々生まれているという。「データによって、これまで見えなかったことが見えるようになり、それが人の行動変容を促す。これこそがデータ活用の最大のメリットと言えるでしょう」と田尻氏は主張する。
大手化粧品メーカーのカネボウ化粧品は、各化粧品ブランドの店頭およびECの売り上げ、SNSでのクチコミ、広告データをまとめて閲覧できるダッシュボードを構築。プロモーションにおける売り上げやブランド価値などの効果測定が効率化され、マーケティング戦略のPDCAサイクルを高速に回していけるようになった。
アウトドアメーカーのスノーピークは、グループ会社やチャネル間の売り上げ・分析にDomoを活用。リアルタイムなデータ把握が可能になり、多大な時間を要していた分析資料の作成が大幅に効率化された。さらに顧客情報を販売戦略に生かすことで、顧客エンゲージメント強化による購買単価アップも実現している。
デジタル時代のビジネスはデータがモノをいう。多種多様なデータをいかに速く、深く利活用できるか。豊富な実績を誇るDomoは、データドリブン経営への変革を目指す企業の有力な選択肢といえそうだ。
旭化成が進める生産系DXの軌跡と成功要因
特別講演:双日後継者不足に悩む水産・養殖業にAIを適用
ソリューション講演:日本IBMAI×データ時代のデジタル改革
本質を理解するための3ステップと成功法則
多様なデータを身近な経営資源にする
成功企業が実践するデータドリブン経営
様々な業種の価値創造に貢献してきた
「AIデータ分析ソリューション」とは