日経クロステック Special
DTTF2021 -Digital Twin & Tranceformation Forum- on Web Review

開催日時:2021年9月29日水)10:30〜

進まないDXへの処方箋を探り
“攻めの5年先”を見通す

SAS Institute Japan ソリューション統括本部  製造インダストリーソリューショングループ 部長 池本 洋信 氏

ソリューション講演

デジタル社会でのAnalyticsの位置づけ

SAS Institute Japan

ソリューション統括本部
製造インダストリーソリューショングループ 部長

池本 洋信

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データドリブンでよりよい意思決定を素早く行う。簡単なことではないが、世界基準では当然のように求められる。そのためのDX推進だ。では、データから力を引き出すAnalyticsには、いかなるアプローチが有効か。テクノロジーの活用、プロセスの適用、人材育成…考えるべきテーマは多い。

演繹的、帰納的 … 2つのアプローチ

Analytics(アナリティクス)とDigital Twin(デジタルツイン)とは何か。SAS Institute Japanの池本洋信氏は解説を始める。現実世界では試行が難しい内容を、仮想空間上でシミュレーションできるデジタルツイン。これに対するアプローチは2つあるという。まず1つは、3D・VR(仮想現実)などを活用し、計算により求めるものを理論的に獲得する、演繹型の原理原則型アプローチ。もう1つが、データや経験から知見を獲得・適用する、帰納的・実証的な経験則のアプローチ(=アナリティクス)だ。「演繹的デジタル活用」は、証明済みの計算ロジックが存在することを前提とする。入力データと証明済みの計算ロジックの2つを基に仮想現実を再現し、今後はアプリケーション化・コンポーネント化が進むと予想される。「帰納的デジタル活用」は、入出力データから計算ロジックに相当するモデルを作成し、別の入力データをモデルに計算させることで仮想現実を再現する。こちらは今後、より幅広い活用が期待できる。一方でアプリケーション化・コンポーネント化は進みにくい。

演繹的デジタル活用はアプリケーション化やコンポーネント化、パッケージ化された製品を使えばよいと考えられる。それに対し、池本氏は「DXやアナリティクスの領域に関わる帰納的デジタル活用は、より広いテーマで活躍します。だからこそ、いかにして活用するか考える必要があります」と説明した。

データレイク作りから先に進めるためには?

組織的なDX・アナリティクス推進には、People(ビジネスリーダー、データサイエンティスト、ITエンジニア)、Process(新たな業務・アナリティクスのプロセス)、Technology(DXをドライブさせるテクノロジー群)の3つの観点を、バランスよく包含する取り組みが必要になる。それぞれの頭文字を取り「PPT」と称されるフレームワークだ。これらの各要素を、よりよい意思決定へと結び付けたい。SASでは、DXのためのソフトウエアとサービスを包括的に提供。ソフトウエア・クラウドやコンサルティングサービス、エデュケーションサービスなどを通し、企業を支援している。そうした活動の中で、「PPT」の各要素をバランスよく推進できると池本氏は強調する。

同社の分析プラットフォームはソフトウエア・クラウドを基に、データ収集・加工からデータ探索、モデル開発、業務実装、意思決定まで、アナリティクス・ライフサイクル全体をカバーする。ここでは分析のライフサイクルをシームレスに提供する製品群が提供される。可能になるのは、データを介した循環環境を使ってデータを分析、モデルを作り、業務に組み込むこと。GUIベースで分析の民主化を行えることも、製品群の特長の1つだ。

分析のライフサイクルをシームレスに提供する製品群

SASが提供する分析プラットフォーム。新たなビジネス価値をスピーディーに創出する仕組みを構築している。

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SASのソリューションの強みは、基幹システムなどから収集したデータを製造業のプロセスに合わせてアナリティクスを適用し、業務にフィードバックできることにある。企業は迅速かつ新たな価値創出のために、テクノロジーを導入して可視化を実現、最適化やアクションにつなげたいものだ。しかし実際には、データを収集してデータレイクを作るところで頓挫してしまうケースが多い。池本氏は「データレイク作りやその可視化は、目的ではなく過程と捉えたプロジェクト構成にすることをお勧めします。そのうえでデータレイク作りから先に進めないようなときには、ぜひ相談してほしいです」と呼びかけている。

製造業バリューチェーンとSASソリューション適用領域

製造業バリューチェーンとSASソリューション適用領域。製造業においてはアナリティクスのステップにおいて「要因分析」までたどり着かないケースが多い。SASのソリューションは先に歩を進めるための原動力となる。

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SASのデータサイエンティストと学び、実践第一の人材育成を

Peopleの観点に関わる人材育成について池本氏は、「座学だけでは、すぐに分析が行えるようにはなりません。まずは実践してみる、これが重要になります」と話す。SASが提供する分析コンサルティングサービスでは、同社のデータサイエンティストが分析案件を支援するサービスが含まれている。支援を受ける際、企業は自社内のデータサイエンティスト候補人材を、案件へ一緒に参加させることが可能だ。これにより、分析スキルを習得してプロジェクトの中で独り立ちすることができるのだという。同サービスにはさらに、人材育成や組織運営を支援するプログラムも用意されている。至れり尽くせりと言えるだろう。

DXは計画的に進めなければ、途中で立ち行かなくなったり、無駄な投資が増えてしまうことになる。PoC(Proof of Concept)の中で、どこまで経験値を獲得するか。ここを計画する必要がある。その面でもSASは支援をしていきたいと池本氏は語る。

「SASは、創業以来多くのお客様の多くのデータに関わってきた実績があり、お客様を成功に導くことがミッションです。ぜひお声がけください」と話す池本氏は、講演の要点を2つ示した。1つは「デジタルツインで語られるデジタル活用には、演繹型デジタル活用と帰納型デジタル活用があり、後者の帰納型(=アナリティクス)の適用可能範囲は無限」であること。もう1つは「DX・アナリティクス推進にはPeople、Process、Technologyの3つに対し、バランスよく取り組むことが肝要」であること。最後にこれらを提示し、講演を終えた。

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