日経クロステック Special
DTTF2021 -Digital Twin & Tranceformation Forum- on Web Review

開催日時:2021年9月29日水)10:30〜

進まないDXへの処方箋を探り
“攻めの5年先”を見通す

Denodo Technologies ソリューション・コンサルタント 菊池 智功 氏

ソリューション講演

導入企業におけるDX関連課題と解決策およびその効果とは

~データドリブンな意思決定へ~

Denodo Technologies

ソリューション・コンサルタント

菊池 智功

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「待ったなし」の経営課題になっているDX。そこでは、いかにデータを活用し、データドリブンな意思決定へ移行できるかが、競争優位に立つための重要なポイントになる。ガートナーも提唱する、データドリブンな意思決定に必須ともいえる「データファブリック」の概要と事例を紹介する。

データ管理は集める」つなげる」

菊池氏はまず、ガートナーが提唱している「質の高いデータをいかに早く利活用するか」という、データファブリックの概念について紹介。そして、現在DXを進める企業における課題の1つとして、「過去および現在にて蓄積された多種多様なデータベース、ファイルが個別に管理され、大量のデータが散在しているような状態にある」ことに触れた。

「IT部門はそのように散在しているデータの扱いに苦労しており、すでに管理の限界にきている企業も多い」と述べる菊池氏。一方で、実際にデータを活用したいと思っている部門のユーザーは少しでも早くデータにアクセスしたいのに、必要としているデータがどこにあるのかわからない状況にある。菊池氏は、「IT部門とユーザー部門との間で生じた乖離も、DXがなかなか進まない要因になっている」と述べ、そういった課題を解決するのがデータファブリックという概念であり、Denodo Technologiesはデータファブリックをソリューションとして提供していると紹介した。

データファブリックの必要性

データが散在すると意思決定のリアルタイム性が失われ、業務継続性に影響が出てしまう。

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ここで、菊池氏はあらためて、データファブリックが必要とされるようになったデータ管理の歴史を振り返った。

「1980年代から90年代にかけて、ERPのRDBMSなどが活用されるようになり、基幹業務などに関する各種のデータが増加するきっかけとなりました。当時、データはデータウェアハウスなど1つの場所に蓄積されていたので管理は楽でした。2000年代に入るとソーシャルデータなどさらにデータの種類が増え、2010年代にはビッグデータの時代がやってきます。この頃から、オンプレミスやクラウドなど、目的や利用するアプリケーションなどに応じて、データを保管する場所も複数に分かれ始めました。そして、昨今ではさらにIoTなど様々なデバイスから集まってくるデータも加わり、もはやデータの収集管理には限界がきています」

こうした背景から菊池氏は、「今データ管理に求められているのは、“データを集めること”ではなく、“データをつなげること”です」と述べ、「データファブリックという概念は、このような状況の中で生まれてきました」と説明を続けた。

データ仮想化でデータファブリックを提供

Denodo Technologiesが提供するデータファブリック・ソリューションは、データを仮想化する「論理データファブリック」だ。RDBMSやデータウェアハウス、データレイク、クラウドなど、複数の場所で別々に保管されている各種データソースに、布(ファブリック)をかぶせるようにして必要なデータを最適な場所に配置する。

理論データファブリック - Denodo

ニーズに合わせて仮想ビューを設計・統合し、利用者やアプリケーションにリアルタイムにデータを展開する。

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「例えば、360度の顧客ビューや商品に関するビューをまとめて配置します。また、請求処理に使われるようなトランザクションデータも、最適な場所に配置していつでも取り出せるようにしておけば、素早い意思決定にも貢献できるでしょう」(菊池氏)

そのために、Denodoのデータファブリック・ソリューションは、組織内にある各種データソースに接続し、データを仮想化する。ここで重要なポイントは、「データ仮想化は、データを再配置したり複製したりしない」ということだ。菊池氏は、「Denodo Technologiesはあくまでも仮想的なビューとしてデータをモデリングするので、物理的なストレージも必要なく、データの再配置や複製の時間を削減し、リアルタイムにそのままのデータが活用できる」と説明した。

さらに菊池氏は、データ仮想化の将来性について触れる。「ガートナーによって提供されるハイプ・サイクル(テクノロジーやアプリケーションの成熟度や採用状況など提示する指標)でも、データ仮想化はすでに成熟期にあり低リスクでROIを最大化することが可能な一方、データファブリックは現在期待値の最大点にあり、これから数年かけて安定期に入ると予想されています」(菊池氏)。そして、フォレスター・リサーチによる“エンタープライズ・データファブリック”という評価の中でも、「Denodo Technologiesの仮想化テクノロジーが業界のリーダーとして認定されています」と、実績を紹介した。

4つの分野で紹介するユースケース

菊池氏がDenodo Technologiesのデータファブリック・ソリューションのユースケースとして紹介したのは、「BIと分析」「データサービス」「データレイク」「クラウドソリューション」の4分野だ。「BIと分析」では、エンタープライズ・データファブリックの一例として、基幹系や資金系のデータの他に、外部の統計情報や販売代理店に関するデータなどが散在していた保険会社の例を紹介。論理データファブリックを導入することで、「対面での接客中に最適な商品情報を提供する、プロアクティブな分析が難しいという課題が解決できた」と菊池氏は言う。

「データサービス」のユースケースでは、各種データを活用するアプリケーションやAI、マシンラーニングなどのアプリケーションに、データをシームレスに連携できていないという課題を持つ製造業の例を紹介。データを仮想化し、データソースを論理的に統合。さらに、プロジェクト固有のデータサービスなどをマイクロデータサービス化したことで、データの提供スピードが90%以上速くなったという。

「データレイク」のユースケースでは、拠点ごとの生産計画や販売計画などのリアルタイムデータを、意思決定や分析にうまく生かせない課題を抱える、自動車関連製品の製造販売メーカーの例を紹介。論理データファブリックを構成することで、過去の実績などから需要予測が立てられるようになり、直近の販売機会を逃すことなく利益向上につながった。

「クラウドソリューション」のユースケースでは、クラウド上にデータを移行する一方で、オンプレミスにもデータを残しておきたいというニーズを持つ製造業の例を紹介。そうしたハイブリッド環境の中で、いかにデータを活用するかが課題だったが、論理データファブリックでクラウドとオンプレミスのデータを統合。これによって、データがクラウドにあるかオンプレミスにあるかを気にする必要がなくなった。

最後に菊池氏は、「データ仮想化による論理データファブリックというソリューションは、データドリブンの意思決定に不可欠なソリューションと考えています」と述べ、講演を終えた。

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