NETIS登録技術 注目の新技術(現場実証と公正な評価を重視、事務手続きのオンライン化も)

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 NETISは、様々な技術(工法、材料、機械、製品、システム)の情報を集約した国土交通省のデータベースだ。「有益な新技術の活用を促し、公共工事におけるコスト縮減や品質向上などの取り組みをバックアップすること」を意図している。新技術情報の収集と共有、直轄工事などでの活用・導入の手続き、効果の検証・評価、さらなる改良と技術開発──というフローの中核に位置するのが、NETISである。インターネットで公開されていて、誰でも自由に検索・閲覧できる。

 技術開発者は、保有する新技術をNETISに登録することで実地検証の機会を得る。発注者(コンサルタントを含む)や施工者は、NETISで検索することで現場条件に適した有用な技術を効率よく発見できる。施工者にとっては、工事の効率化や品質向上にとどまらず、新技術活用を提案して工事で活用すれば工事成績評定での加点を得られ、工事発注時の総合評価方式における加点対象となることも、有力な活用理由のひとつに違いない。

 一方、稀有な技術を保有する民間企業にとっては、自社および自社技術の認知度が上がり、活用機会が増え、その成果が技術改良の糧となる──といった技術のスパイラルアップを期待できる。公共工事での活用を通じて、その効果や技術の成立性などに関する公正な評価を得られる点も魅力だろう。こうした仕組みが“優れた技術の持続的な創出”を支えているのである。さらに、公共工事を手掛ける自治体にとっては、工事の品質確保はもちろんのこと、活用検討事務の効率化や活用リスクの軽減なども見込める。

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新技術活用でSDGsを牽引

 SDGs(Sustainable Development Goals/持続可能な開発目標)の実現に向けた建設業界の貢献を考えるうえでも、NETISは、重要な役割を果たすだろう。SDGグローバル指標には、産業と技術革新の基盤をつくろう(目標9)、住み続けられるまちづくりを(目標11)など、建設業界がけん引すべきテーマが多数存在し、災害に強いインフラ整備や安心して暮らせるまちづくり、省エネや環境保護などへの一層の取り組み強化と技術革新が求められているからである。

 SDGsは、「持続可能な開発のための2030アジェンダ」に記載された宣言および目標。2015年の国連サミットで採択された。人間、地球および繁栄のための行動計画として17の目標(ゴール17と169の項目/ターゲット)を提示し、誰ひとり取り残さないこと(leave no one behind)を誓っている。

現場実証・評価を重視

 NETISには5種類の活用形式が存在する。そのうちの1つ、14年4月に新設された「テーマ設定型(技術公募)」の特徴は、現場活用の迅速化に重点を置いていることである。現場ニーズに基づいて選出した技術テーマを設定する→性能評価項目および試験方法などのリクワイヤメント(要求性能)を設定する→応募のあった複数の技術を同一条件下での現場実証などで評価する→技術特性(優れた点や類似技術との違い)を明らかにして“技術比較資料”を作成・公表する──というフローで運用されている。図1の破線囲み部分(オレンジ色)である。選定された全技術の進捗状況(図2左)やそれぞれの技術の試行結果(図2右)などは、NETISホームページ内の専用コーナー「テーマ設定型の比較表」で確認できる。

図1 ● 公共工事等における新技術活用システム(NETIS)の概要
図2 ● テーマ設定型(技術公募)の技術比較表

4月1日からオンライン化

 国土交通省は、新技術登録の申請手続きと活用効果調査表の作成・提出」を、4月1日からオンライン形式へと変更する。利用を開始するためには、各整備局の申請受付窓口が発行するIDとパスワードが必要。

 これまでの登録申請はデータや印刷した資料を提出していたが、新方式では、インターネット環境があれば、必要な情報の入力・申請・修正作業をオンラインで完結できる(図3)。逐一マニュアルを参照しなくて入力できるように配慮したほか、誤字・脱字チェック機能やAIロボットが質問に答えるチャットボットを搭載する。また、活用効果調査表の作成・提出は、これまで各担当者間でデータをやり取りしていた一連の作業を、事務負担が少ないオンラインに集約している。

図3 ● 有用な新技術の選定
(図:3点とも国土交通省発表の資料を基に作成)
注目の新技術
MetaMoji 資料ダウンロード
●技術名称
スマートデバイス用デジタル野帳アプリ
●NETIS登録番号
KT-180030-VE
●技術副題
野帳をデジタル化し、建設現場の働き方改革を実現するスマートデバイスアプリ
コマツ(小松製作所) 資料ダウンロード
●技術名称
油圧ショベル用油圧式クイックカプラ
●NETIS登録番号
KT-210010-A
●技術副題
運転席からひとりで安全・迅速に様々な油圧アタッチメントが交換できる
中川ヒューム管工業
●技術名称
高強度パイプカルバート「高圧CSB」
●NETIS登録番号
KT-190128-A
●技術副題
管と基礎を一体に遠心成形した高土被り対応の高強度パイプカルバート
NETIS登録技術