特別トップインタビュー
TSMC

日本に新工場建設で話題、半導体の需要増に応える

誠実かつ信頼を理念に
最先端プロセスを通じて
顧客とマーケットを結ぶ

TSMC
Chief Executive Officer

シーシー・ウェイ

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世界のファウンドリー市場の全売上高において半分以上を占めるとされる台湾のTSMC。日本における新工場の設立でも注目が集まる中で、ビジネスの状況や展望、日本での取り組みなどについて、CEOのシーシー・ウェイ氏、同社日本法人であるTSMCデザインテクノロジージャパンの安井卓也氏、TSMCジャパン3DIC研究開発センターの江本裕氏に話を聞いた。

2021年の市場とTSMCのビジネスはいかがだったでしょうか。IR資料によれば、2021年の売上高は昨年同期比で第1四半期が+16.7%、第2四半期が+19.8%、第3四半期が+16.3%(台湾ドルベース)と、昨年度に続き高い成長を遂げています。

ウェイ パンデミックによって台湾を含め世界中が困難な状況に陥った中、スマートフォン、5G、HPCといったグローバルなメガトレンドがさらに加速し、しかもすべての産業分野でデジタル化が進展したことも重なって、半導体需要が急増した1年となりました。

 TSMCにとってもお客様の需要にお応えすることが大きな課題でしたが、パンデミック下で自由な往来などができないといった制限はあったものの、お客様と密接に連携を取りながら通常どおりのオペレーションを維持することができました。

 全世界最初の専業半導体ファウンドリーとして1987年に創業したTSMCは、設計から製造までを1社が行う従来の垂直統合モデルを大きく変革し、新しいビジネスモデルを確立しました。ファウンドリービジネスは信頼のビジネスであり、高い成長を遂げているのも、お客様から信頼されている証しと考えています。

22nm/28nmから始まる新工場を熊本に建設

2021年11月9日に、ソニーセミコンダクタソリューションズが少数株主となるJapan Advanced Semiconductor Manufacturing(JASM)社を熊本県に設立し、22nm/28nmから始まるプロセスを対象にしたファウンドリーの建設を2022年から始めると発表されました。

ウェイ TSMCは1997年にTSMC Japan Limitedを設立して以来、日本のお客様、サプライヤー、およびパートナーの皆様と歴史を積み重ねてきました。さらに近年は、お客様の開発をサポートするTSMCデザインテクノロジージャパンと、3DIC(三次元集積回路)の研究を推進するTSMCジャパン3DIC研究開発センターを開設しています。

 今回発表したJASMの設立および工場建設は、TSMCと日本との関係のさらなる強化と、メガトレンドを背景にした世界的な半導体需要の高まりに応えることを目的としています。

 社会や生活のデジタル化が進む中で、当社のお客様には新しい端末開発や新たなビジネス機会がもたらされていて、リアルとデジタルを結ぶ当社のテクノロジーにも大きな期待が寄せられています。そうしたニーズを背景に、長年の客先であるソニーセミコンダクタソリューションズの支援を得て新工場を建設できる運びになったことを嬉しく思います。

名前の挙がった開発と研究に関わる2社について、それぞれの役割を説明してください。

安井 TSMCデザインテクノロジージャパンは横浜みなとみらい地区にあり、2020年1月に設立しました。台湾本社および世界7拠点のデザインセンターとワンチームになって、5nmや3nm以降の最先端プロセスを利用されるお客様をサポートするのが役割です。具体的には、スタンダードセルやSRAMメモリー、最新自動配置配線ツールを用いたブロック設計、設計環境の構築を担い、設計プラットフォーム開発に貢献していきます。

江本 TSMCジャパン3DIC研究開発センターは2021年3月の設立で、つくば市にある国立研究開発法人 産業技術総合研究所(産総研)の敷地内に研究室とクリーンルームを構えています。異なるプロセスノードの半導体チップ(チップレット)を三次元的に組み合わせて、高性能かつ高機能なSoCをコスト効率高く実現するための技術を開発するのがミッションです。機能性素材や要素技術を持った日本の企業とも連携しながら研究開発を進めています。

各拠点で人材を幅広く募集

JASMの設立に当たって、新たに1500人の雇用を創出すると発表されました。前述の2社を含め、どのような人材を求めていますか。

ウェイ TSMCはテクノロジーを通じて未来を創り世界を変える力を持っています。挑戦したいという気持ちや、やりがいを求めている人に最適な環境であることは間違いありません。インテグリティー(誠実)、コミットメント、イノベーション、およびカスタマートラスト(お客様の信頼)の頭文字を取った「ICIC」という基本的な価値観やビジョンを共有できる方が私たちのグローバルファミリーの一員に加わっていただければ嬉しく思います。

安井 TSMCデザインテクノロジージャパンでは経験者だけではなく新卒や第二新卒を含めて人材を募集しています。TSMCのトップクラスのエンジニアによる指導や優れたトレーニングメニューも用意していますので、経験がなくても問題ありません。世界最先端のプロセスに触れながらグローバルなお客様と仕事ができる魅力とやりがいのある職場です。

江本 TSMCジャパン3DIC研究開発センターでは、物性、電子工学、有機化学、無機化学、機械工学など、様々な領域の技術者やPhDを持つ研究者を求めています。また、グローバルな視点を持った人材も大歓迎です。新しいテクノロジーである3DICは、お客様とマーケットとの距離を縮める存在でもあります。私自身この業界で様々な役割を担ってきましたが、世界トップクラスのファウンドリーで世界最先端の技術に携われることに喜びを感じています。

今後の取り組みを教えてください。

ウェイ 2022年以降も5GやAIなどを中心に、グローバルなメガトレンドが半導体需要をけん引していくことは確信しています。TSMCは引き続きお客様と密接に連携し、お客様のテクノロジーロードマップやビジネスへのニーズを正しく把握しながら、半導体プロセスの革新に取り組むと同時に、お客様の需要に応える生産能力の確保に努めていきます。

 新たに立ち上がるJASMを含め、業界をリードする日本の皆様と関係をさらに強化しながら、未来を探訪できることを光栄に思います。

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TSMCデザインテクノロジージャパンでジャパンデザインセンター センター長を務める安井卓也氏(写真左)と、TSMCジャパン3DIC研究開発センターのセンター長である江本裕氏(写真右)

お問い合わせ

TSMCデザインテクノロジージャパン株式会社
〒220-0012 神奈川県横浜市西区みなとみらい4-6-2 みなとみらいグランドセントラルタワー10階
URL:https://www.tsmc.com/japanese