日経XTECH

組合員の信頼と期待に応えるためのクラウドサービス選定の決め手とは?

03

生活クラブのDirectCloud導入は2018年の7月。同年10月までには以前使用していたファイルサーバーからの完全移行を完了した。その後、ファイルサーバーは撤去。秋山氏の仕事からサーバーのお世話がなくなり、かつてサーバーがあったスペースは、5人が働くオフィスへとリノベーションされた。

移行後、運用上のトラブルも生じなかったという。「DirectCloudドライブの存在のおかげです。このアプリケーションを使うと、クラウド上のファイルもローカルのファイルと同じように、ダブルクリックするだけで開けます。もし特別な操作が必要であれば、先生役を付けたり、勉強会を開催したりしなければならず、業務負担が大きかったと思います」と秋山氏は振り返る。

また使い始めてみて、ログの効果も実感したと秋山氏は話す。「DirectCloud上にあるファイルに何らかの操作が加わると、ログでその証跡が残ります。消してはいけないファイルがミスによって消えてしまったとき、その要因を突き止めやすくなったのですが、それ以上にいつ、誰がどのファイルに触れたかが明らかになるので事故を防ぐ効果もあると感じています」。

同様の感触は鈴木氏も得ている。『DirectCloud-SHIELD』の機能を使うと、重要ファイルには「極秘」などの透かしを入れることができる。「この『極秘』の文字が目に入ることで、『今、扱っているのは機密ファイルなのだ』と自覚でき、それが事故抑止力につながっていると感じています」

DirectCloud-SHIELDでファイルに機密情報であることを記載できる機能。「ファイルの扱いに緊張感が生まれる」と鈴木氏

また様々な拠点との情報共有という面でも、期待通りだったという。生活クラブは、鈴木氏や秋山氏のような専従職員と組合員との協働で運営されている。そのどちらもが参加する会議も頻繁に行われる。昨今はオンラインで行われることが増えたが、そのための資料のやり取りはDirectCloud経由で行われている。「以前は、組合員の方が自宅でつくられた起案やチラシなどはメールで共有していました」(鈴木氏)。

生活クラブの場合、組合員は家事や子育てに専念していたり会社勤めをしていたりと、生活リズムも様々だ。ロケーションフリーかつ、スーパーフレックス。一般企業を先取りするようなこうしたかかわり方が集合して組織の活動や運営を支えてきた。その中での情報共有は、共有リンクによるファイル共有によって格段にスムーズになったという。「会議の参加者間でファイルの在りかさえ事前に共有できていれば、誰でも、いつでも最新のファイルを参照できます。共有リンクのおかげで、意思の疎通が格段にスピードアップしたと感じています」(鈴木氏)。

導入前(課題)
  • ファイルサーバーが事務所内に設置されていたため、スペースを圧迫し維持管理コストがかかっていた。
  • ログの管理に手間がかかっていた。
  • 個人情報を扱うため、高度なセキュリティが求められた。
  • クラウドへの移行後に、ユーザートレーニングを行うマンパワーはなかった。
導入後(効果)
  • ファイルサーバーがなくなったことで、保守業務や維持管理コストがゼロになり、スペースも有効活用できた。
  • 高セキュリティ環境が構築できただけでなく、ログ情報によってセキュリティへの意識が高くなった。
  • メール添付せずにリンクでファイルが共有でき、業務効率が向上した。
  • 多拠点からデバイスや時間を問わず、最新データを参照できるようになった。

04

DirectCloudの導入で、従前の課題を解決した上、スムーズな情報共有ができるシステムも確立した生活クラブ。今後は、生活クラブらしいDXにも挑戦し続けていくという。

たとえば、配送の現場ではまだまだ紙が頼りにされている。「以前からペーパーレスに取り組んできましたが、配送員が組合員のお宅にどの消費材を届けるのかは紙の伝票で管理しているのが実態です。ただ、そこに書かれているのは1週間ほど前の情報で、その後に当初お約束していたものから産地が変わったり、欠品したりということもあります。今は、配送員がそれを手書きで修正しているのです。ここもデジタル上で周知するよう切り替えが進めば、配送員の負担を減らしながら、常に最新情報を組合員に届けられますので、組合員の満足度を上げられると考えています」(鈴木氏)。

より鮮度の高い情報を得られるようになれば、経営判断も変わってくる。「たとえば悪天候時には、想定通りに配達が始められないといった事態が想定されます。そうしたとき、各拠点から電話やメールで情報を得ても、それを集約するのが一苦労でした。しかし今は、情報集約のためのファイルをクラウドに置いておき、そこに各拠点から最新情報を書き込んでもらうことで、今どこで何が起きているかが本部からでも把握でき、その結果、適切な経営判断ができるようになりました」と鈴木氏は話す。

情報の共有とそれに基づいた経営判断は、これまでも生活クラブが重視してきたスタイルだ。都内だけで約9万3000人に上る組合員は、生活クラブの消費材を好んでいるだけでなく、安全性や持続可能性、環境負荷軽減を重視するという姿勢に共感している。鈴木氏は今後もその姿勢を重視しながら、さらに連携の環を広げていきたいと話す。「本来、ひとつの考え方を他の人と共有するのは、とても難しいことだと思っています。しかし地域の人々が自分たちの力で地域での生活を構築するために連携し、その連携の環を少しずつ広げていくことも、生活クラブという組織にとって大事な活動のひとつです。私たちが今後も仲間と協働しながら新しい価値を創造するための場として、DirectCloudはなくてはならない存在だと感じています」。

組合員と共に開催する東京・あきる野での農園収穫体験。こうしたイベントは生活クラブの取り組みや姿勢を周知拡大していくために重要な役割を担う
DirectCloud
株式会社ダイレクトクラウド
https://directcloud.jp/