Vol.3 コールセンターの在宅勤務におけるオペレーションの最適化を実現

トランスコスモスは、コロナ禍による柔軟な働き方など時代の要請に合わせて、コンタクトセンターの在宅勤務を加速している。その際課題となっていたのが、オペレーターの稼働管理やセキュリティの担保である。そこで、高度なブロックチェーン技術を持つジャスミーと協業。ブロックチェーン技術を活用したコンタクトセンターアプリケーション「Jasmy Secure PC コンタクトセンター用」により、リモートでの安全性とパフォーマンスの両立を実現した。

次世代のコンタクトセンター実現に向けた
アプリケーションを共同開発

トランスコスモス株式会社
デジタルマーケティング・EC・コンタクトセンター統括 デジタルカスタマーコミュニケーション統括 デジタル推進統括部 統括部長
岩浅 佑一

トランスコスモスは、顧客企業の売り上げ拡大やコスト最適化、グローバル対応などを可能にするITアウトソーシング事業を、アジアを中心に世界30の国と地域で提供している。その重要な要素の1つが、アジア最大規模を誇るコンタクトセンター事業である。コンタクトセンターをはじめとする顧客接点は、インターネットやスマートフォンの急速な普及、2020年から続くコロナ禍によって大きく変化している。トランスコスモス デジタルマーケティング・EC・コンタクトセンター統括 デジタルカスタマーコミュニケーション統括 デジタル推進統括部 統括部長 岩浅佑一氏は、「近年チャットやAI活用、VOC(顧客の声)分析によるオペレーション改善など、コンタクトセンターのデジタル化に取り組んでいます。加えて、オウンドメディア、デジタルプロモーションなどの各種顧客接点をトータルで提供し、お客様のDX推進をサポートしています」と語る。

同社は2019年、コンタクトセンター事業でジャスミーと協業することとなった。その経緯を岩浅氏は、「役員から優れたブロックチェーン技術を持つ会社があると紹介されました。ジャスミーのIoTとブロックチェーンを融合した新たなテクノロジーを知り、この技術がコンタクトセンター業務に有用で、ひいては消費者の利便性向上にもつながると確信し、協業がスタートしました」と語る。

トランスコスモス株式会社
デジタルカスタマーコミュニケーション統括 デジタル推進部 部長
森 紗介

トランスコスモスがジャスミーの技術を評価したポイントは、次の2つである。

  1. ジャスミーが提唱するブロックチェーン技術を使った“データの民主化”によって、データの流れが変えられる
  2. より一層厳しくなるセキュリティ規制に対応するため、強固なセキュリティが実現する

1については、現在コンタクトセンター側が持つ顧客データをブロックチェーン技術によって顧客自身が管理し、顧客が許可した時だけ閲覧するといったイメージだ。センター側に顧客データを持たなくてよくなることに加えて、ブロックチェーン技術による認証やデータ保護により、強固なセキュリティが実現する。トランスコスモスのデジタルカスタマーコミュニケーション統括 デジタル推進部 部長 森紗介氏は、「ジャスミーの提唱する“データの民主化”など新しい取り組みへのチャレンジといった方向性が、当社と同じ方を向いていると感じました」と語る。

そこで両社は次世代のコンタクトセンター実現に向け、ブロックチェーン技術を活用したコンタクトセンター用アプリケーションの開発と実証実験に着手した。

複数のオペレーターの状態を
1つの画面で一元管理

トランスコスモス株式会社
デジタルカスタマーコミュニケーション統括 在宅推進部 部長
井手 洋介

トランスコスモスは、約10年前からオペレーターの在宅勤務に取り組んできた。しかし、リモートでの稼働管理に課題があった。以前の状況について、同社 デジタルカスタマーコミュニケーション統括 在宅推進部 部長 井手洋介氏は、「例えば電話システムで今誰が電話対応を行っている、業務システムで誰が稼働しているといったことはわかりました。しかし、パーツ単位でしかわからず、一元管理は困難でした。また、一人で仕事をしているとちょっとした相談ができず、孤立するという課題もありました」と語る。

一方、在宅勤務の採用を顧客企業に呼び掛けてもなかなか進展しないという状況もあった。セキュリティやメンバーのモチベーション管理が在宅では難しいといった理由による。

しかし、新型コロナウイルス感染拡大によって潮目が変わった。急激に在宅勤務の需要が増加したのだ。そのため、テレワークを可能にするシステムの開発が加速した。トランスコスモスが在宅勤務の課題として考えていたのは、オペレーターの稼働管理やPC利用の管理が十分にできないという問題だった。「この時、追跡を可能にするブロックチェーンの特性を使えば、これらの課題が解決できるのではないかと考えました」(岩浅氏)。

開発は、1~2カ月かけてトランスコスモス社内の関連部署と機能要件定義を行うところからスタート。それを基にジャスミーがデモバージョンを作成し、開発に関わるメンバーが実際に使ってみて要望をフィードバックするというサイクルを5~6回まわした。2021年の春ごろ実際のコンタクトセンターに20席分投入し、実際の環境でトライアルを実施。スーパーバイザーやオペレーターの意見を聞きながら調整を進めていった。森氏は、「特に重視したのは、オペレーターの稼働管理とセキュリティの担保です。そのため、画面は一覧できる見やすさを重視しました。多くの要素を一覧できるレイアウトは、かなり大変だったと思います。また、可能な限りリアルタイムに近い状況把握もお願いし、ブロックチェーン特有の即時性に関するジャスミーの高い技術力によって、応えてもらいました」と語っている。

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