新型コロナウイルスの感染拡大によってビジネス環境は大きく変化した。多くの人が不確実性に備えることの重要性を改めて認識したはずだ。不確実性だけではない。悪質化するサイバー攻撃、社会のデジタル化など、企業が対応しなければならない状況は多数存在する。そのために注目が高まっているサービスが「DaaS」である。果たしてDaaSとはどのようなサービスで、企業にどのようなメリットをもたらすのか。 | ![]() |
――聞き手 日経BP 総合研究所 イノベーションICTラボ所長 大和田 尚孝 |
現在、私たちが直面しているビジネス環境は、かつてないほど複雑である。経営者が意識しなければ指標や状況は数多く存在する。
例えば「不確実性」は、その1つ。ジョン・ケネス・ガルブレイスが「不確実性の時代(THE AGE OF UNCERTAINTY)」を発表し、日本でもベストセラーになってから、既に40年以上が経過したが、2020年に発生した新型コロナウイルスの感染拡大は、世界の不確実性をかつてない水準にまで高めた。世界の経済的・政策的不確実性を測る指標「世界不確実性指数(WUI)」は2020年第1四半期にピークを記録。サプライチェーンの混乱、半導体不足などによってビジネスが停滞した業界は多い。
サイバー攻撃の脅威も無視することのできないリスクだ。国内の工場をすべて停止させた大手自動車メーカーのニュースに驚いた人は少なくないはず。リモートワークやクラウドの普及など、新しい環境に最適化した防御の構築は急務である。
さらに、ほとんどの経営者が重要な経営テーマに上げるのがデジタルである。あらゆる業界や業種の企業がデジタル変革(DX)に向けた取り組みを活発化させており、その成否が、今後の勝ち抜き、生き残りを左右しそうな様相を呈している。
では、新型コロナウイルスの影響下で、いち早くリモートワークに切り替えることができた企業と、できなかった企業との間には、変化対応力にどのような差があったのか──。サイバー攻撃のリスクを低減する防御力、そしてDXを推進する変革力を得るために、企業は何に取り組むべきか──。
このような観点で近年、注目が高まっているのが「DaaS」の活用である。
DaaSとは「Desktop as a Service」の略であり、従業員が使うPCを、購入するのではなくサービスとして利用する調達形態だ。クラウドサービスをはじめ、様々なモノがサブスクリプション型のサービスに置き換わったが、その考え方がPCにも及んでいるのである。
なぜDaaSが変化対応力や防御力、そして変革力を高めるのか。この分野をリードするレノボのサービスを見てみよう。
レノボはPCなどのデバイスを中心に、多岐にわたるテクノロジーを提供する企業。世界180以上の市場に製品を提供し、PCの出荷台数は世界全体で5億台を突破している※。また製品だけではなく、それらのポテンシャルを引き出すための各種サービスも展開。Fortune が発表した「World’s Most Admired Companies(世界でもっとも称賛される企業)」の一社に選出されている。
「当社のDaaSはPC端末の調達を、購入ではなくサブスクリプション型で行えるようにすることで、初期費用の軽減を可能にします」と説明するのはレノボのケルビン ゴー氏である。CAPEXをOPEXにできる点はリース契約に似ているが、それ以外にも注目すべき特徴がある。
「調達だけではなく、調達したPCの設定や運用管理、事故による損傷への対応、返却時の梱包やロジスティクス、さらにはデータ消去まで、PCのライフサイクル全体をカバーするサービスとなっています。セキュリティソフトの提供を通じてセキュリティ強化のお手伝いもします。しかも、これらの一連のサービスを標準サービスとして利用できます」(ケルビン氏)。
レノボは、約6年前からDaaSを提供しており。既に海外では数多くの事例があるが、最近は日本企業からの引き合いが増えているという。
「2年前はDaaSの紹介を行っても『既にリース契約しているから』と盛り上がらなかったのですが、最近は日本企業様からの問い合わせが急増しています。PC調達時のRFP(提案依頼書)をいただく際に、DaaS提供の可否を聞かれることも珍しくなくなりました」とレノボの上村 省吾氏は話す。
※ レノボ発表による(https://www.lenovo.com/jp/ja/about/whoweare)
レノボのDaaSを利用することで、企業は、冒頭で述べた変化対応力、防御力、変革力を高めることができる(図)。
初期投資の抑制による固定資産やコストの削減だけではなく、従業員満足度の向上やIT管理の最適化、意思決定の迅速化などが期待できる
まず設備投資を抑制でき、経費として処理できる。これは単にコスト削減という側面だけではなく、意思決定の迅速化、ひいては変化対応力の向上につながる。変化に向けた足かせとなりがちな償却期間を意識する必要がなくなるからだ。
また、PCの設定や運用もレノボに任せることでガバナンスや防御力を強化。加えて、これまでPCの導入や運用管理に圧迫されていたIT部門のリソースを解放し、そのリソースを戦略的なデジタル活用に割り振ることでDXを加速する力、つまり変革力を高めることが可能になる。
ほかにもワークスタイルなどに応じて、柔軟に最新のPCを支給できるようになれば、従業員満足度も向上し、優秀な人材の獲得にもつながるだろう。
レノボのDaaSは、既に世界中で多くの実績を持っている。
「例えば約6000人の従業員がいる潤滑油メーカー様のケースでは、各国で個別に行っていたPC調達をレノボのDaaSに移行。導入や運用管理の工数を削減しただけでなく、ガバナンスを強化して、ビジネスリスクの回避に成功しています」とケルビン氏。世界中で均一なサービスを受けられることをレノボのDaaSの強みと評価するグローバル企業は多く、同様の目的で、5万台、10万台規模で利用している企業もあるという。もちろん、このような大規模の事例だけでなく、中堅・中小企業が数百台規模で契約するケースもある。
予想できない変化は、必ず今後も起こる。どのように備え、先手を打っておくか。経営者は、あらためて検討すべきだろう。変化対応力、防御力、変革力を企業にもたらすDaaSは、その計画の中で重要な役割を果たすはずだ。
お問い合わせ
レノボ・ジャパン 法人のお客様限定お問い合わせ先
URL:https://www.lenovojp.com/business/contact/